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そうして迎えた夏休み最終日。子供だけでは不安だからと小夜子の次兄の昼弘にその妻の麗香が保護者として一緒に来ることとなっていた。


「お久しぶりですわね、麗香様、昼弘様。本日はよろしくお願いいたしますわ。」


「あら、久しぶりね、愛結花ちゃん。小夜子ちゃんにも及ぶくらい今日も可愛いわねぇ。」


ちなみに、麗香は颯の姉である。颯同様愛結花の事を可愛いと言ってくれるのだが、本当におかしいと思う。人の価値観は違うにしてもどう考えても自分は可愛くないと思う。見た目だけでなく性格も可愛げがないと自覚している愛結花はこの事だけは本当に不思議に思っていた。


「これは、ご丁寧にどうも。こちらこそ、今日はよろしく。

……実は麗香が小夜子とお揃いの水着を愛結花さんと凛さんの二人に持って来ているんだ。もちろん未使用だからもしよければ、着てもらえないかな?」


「まぁ、小夜子さんとのお揃いですか?それは是非とも着させていただきますわ。ありがとうございます、麗香様。」


「うふふ、どういたしまして。とはいえ、わたくしが見たかっただけなのだから気にすることはないのよ?」


「分かりましたわ。」


という事で愛結花は小夜子とお揃いの水着を着ることとなった。ちなみに、愛結花が来る前に凛とも同じような事があったらしい。




そして、みんなが着替え終えてプールサイドへと向かった。


「お、凛達はお揃いなんだな。」


「ふふ。えぇ、麗香様が持って来てくださいましたの。」


「へぇ、そうなんだな。似合ってるぞ、凛。」


凛は四宮に褒められて嬉しそうだった。そして、この水着を持ってきた麗香は……


「あぁ、もう、三人とも似合ってていつも以上に可愛いわ!」


「分かったから、落ち着こうか、麗香。ここは貸し切りじゃないんだよ。」


と興奮して昼弘に宥められていた。


それらを横目に見ながら愛結花はプールでパシャパシャと泳いでいた。


「可愛いね、天宮さん。姉さんと颯さんの気持ちが分かった気がするよ。」


「………あ、ありがとうございます、真宮様。」


急に真宮に話しかけられた上に可愛いと褒められて愛結花は驚き警戒してしまった。

だって、あの真宮が愛結花を褒めたのだ。しかも可愛いと。何があったのだとつい、警戒してしまうのは仕方のない事だ。




しかし、愛結花はこの真宮の言葉のせいで楽しみだったプールにあまり集中できずにしかも夜も寝付くのが遅くなってしまい、翌日の始業式の日にはサロンで真宮に八つ当たりをしてしまった。

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