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25 日常

愛結花達は二年生に進級した。二年生に進級したが二年生に進級したという自覚が愛結花達にはあまりなかった。クラスの場所は変わってもクラスメイトは変わらないし、他学年と交流することは一般生徒ならばCSFやCCF miniくらいなのだから当然である。愛結花は可愛がってもらっている羅奈が卒業し、中等部に上がったことが少し寂しく思ったが敷地は同じなのだからそこまで寂しくもないかと思い直した。




そんな愛結花はいつもとほぼ同じ日々を過ごしている。

いつもと同じ7時に目を覚まし、一人で制服に着替える。天宮家は自分でできることは自分でする方針だ。だから、家にいる使用人も他の家に比べて少なめである。しかしその分、他の家よりも有能でもある。

制服に着替えたら部屋についている洗面所に行き顔を洗い、人を呼んで髪を結んでもらう。愛結花はいつも三つ編みのハーフアップだ。さすがに一人で髪を結ぶのは小学生の愛結花には難しい話であり、それは姉も同様なため人にやってもらっている。そして、兄と姉と三人で朝食を食べる。母の愛弥音(あやね)と父の晃也(あきや)は忙しく朝はほとんど会えない。


「おはようございます。お兄様、お姉様。」


「おはよう、愛結花。」


「愛結花ぁ、おはよう。」


この時、大体姉は寝ぼけている。姉は朝が弱いのだ。

そして、三人で車に乗り学校へと向かう。学校につくのは8時10分ごろ。初等部だと早いほうだが、中等部の兄からすれば少しぎりぎりの時間である。それでも一緒に通うのは智也が妹達を可愛がっているからに他ならない。だから智也は颯によくシスコンだとからかわれたりしているが「それが何か?」と返しているものだから智也がシスコンなのは学年中どころか中等部や高等部、しまいには初等部にまで広まっている。


そして、クラスにつくとすでに来ているおともだちとしゃべっておく。


「愛結花様‼」


「「おはようございます。」」


「おはようございます。菫さん、香澄さん。」


「愛結花様、昨日にですね……」


そして、暫くすると時間ぎりぎりに凛が来て朝の会が始まる。その後朝の会が終われば授業が始まる。そして、三時間目の授業が終わるとラウンジへと移動し、本を読んでいる。愛結花は基本的に四時間目はラウンジで本を読むことにしているのだ。さすがに学活や道徳はクラスにいて五時間目の授業の時にラウンジに行くことにしているが。


そしてお昼はいつもラウンジで姉と志穂、それに凛と小夜子と共に食べている。


「愛結花さん、今日のお昼は何を食べましょう?」


「いつもと同じ日替わりでいいと思いますわ。」


「愛結花さん、最初にメニューを全制覇してからはずっと日替わりなんですよね。気に入ったメニューとかはないんですか?」


「小夜子さん、愛結花さんは考えるのが面倒なだけですよ。家でも…」


「お姉様っ。別にばらす必要はありませんわよね‼」


こんな風に5人で仲良く話しながら昼食を食べている。

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