召喚された勇者はレベル1が成長限界でした~最弱勇者の異世界無双~
暗い地下室に、豪華なドレスを着た女性――ガーネット王国の王女が立っている。
王女の顔つきは暗く、非常に追い込まれている様子だ。
その両隣では、側近達が緊張した面持ちで控えている。
王女は地下室に描かれた巨大な魔方陣の前へ跪くと、呪文を唱え始めた。
「異界より来たれ、魔を打ち倒す勇者よ!」
王女の詠唱に呼応し、眩く輝く魔方陣。
すると次の瞬間、魔方陣の中央から黒髪の青年が現れた。
王女はどよめく側近たちを制し、青年に向かって問いかける。
「……あなたが……勇者様ですか……?」
青年はゆっくりと立ち上がると言った。
「いかにもその通り。俺が勇者ヒトーシだ。それで、俺をここへ呼んだのはお前か?」
王女に向かってそう問う勇者。
「はい、その通りです。私たちは今――」
「待て、言わなくてもわかる。どうせ用件は魔王を倒せとかそんな感じだろう?」
「は、はい、その通りです」
「ふっ、やはりな」
勇者は魔方陣から出て王女のそばへ近寄ろうとする。
「よ、寄るな無礼者!」
鎧に身を包んだ王女の側近は、そう言って剣を構えた。
「ほう、ずいぶんと手荒い歓迎だ。そっちが呼んだくせに」
いじける勇者。彼は意外と繊細なのである。
「申し訳ありません。まだ私たちが本当に勇者の召喚に成功したという確証がない以上、こうするしかないのです」
「もしかしたら、お前は勇者の名を騙る悪魔かもしれないからな」
側近の言葉に、王女は眉を吊り上げた。
「発言を慎みなさい」
「申し訳ございません王女様」
王女に諭された側近は、少しだけ落ち込む。兜で顔が覆われていて見えないが、中身は若く礼儀がなっていないようだ。
「それでは、どうすれば信じてもらえるかな?」
「勇者であれば、魔王を打ち倒すことができる人並み外れた力を持っているはず。見事、この者を打ち倒し、あなたの力を証明してください」
王女はそう言って側近の方を見た。
「そういうわけだ」
側近は王女の前へ歩み出て、勇者のいる魔方陣の中へと踏み入る。
「貴様、名前は何という?」
「王国騎士団団長、疾風のフレイヤだ!」
「……団長にしては随分と若いようだな」
「あまり甘く見ないほうがいいぞ」
そう言って、剣を構えるフレイヤ。
勇者もそれに応じて剣を抜き、相対した。
「――なるほどその構え、伊達に騎士団長はやっていないようだ」
「フフッ、その通りだよ」
周囲の空気が張り詰める。
これから始まるのは、いくつもの死線を潜り抜けてきた手練れ同士の戦い。
にらみ合う二人の剣士の間に割って入ることのできる者は、この場には誰もいないだろう。
「先に来い、二秒でかたが付く」
勇者が言った。
「……ものすごい自信だな」
その言葉に驚き、剣を握りしめるフレイヤ。
「さっさとしろ」
「後悔しても――しらないぞっ!」
刹那、フレイヤは高速で足を踏み出し、勇者の懐へ入り込む。
そこから一呼吸もおかずに、目にもとまらぬ速さで剣を振りぬいた。
金属がぶつかり合う音が鳴り響き、勇者は吹き飛んで頭から壁にめり込んだ。
「…………弱すぎるだろッ!?」
こうして一瞬のうちに決着がついたのだった。
*
「ほら、荷物だ。三日後に元の世界へ帰してやるから、それまでこの町でなんとか過ごすんだな」
フレイヤに瞬殺された勇者は、兵士によって城の外へつまみ出された。
「まあ……こんなものだな……」
勇者は全身から流血しながら不気味に笑うと、荷物を手に取って地べたをはいずりながら城から離れた。
道に血の跡を残しながら、やがて商店が立ち並ぶ活気のある大通りまでやってくる勇者。
道行く人々は、あまりに鬼気迫るその形相に恐れおののき道を開けた。
そんな哀れな勇者に、ゆっくりと近づいてくる影がある。
「あのー、もしもーし。あんた、大丈夫ですか……!?」
声をかけられた勇者が顔を上げると、耳の長い少女の顔が心配そうに見下ろしていた。
どうやら、エルフの少女のようである。
「問題ない。この程度は……かすり傷だ……」
「し、四肢がありえない方向に曲がってますが……?」
「それはそうと……貴様……治癒魔法を使えないか……? もしくは薬草を持っているか……?」
「や、薬草ならありますけど……」
「俺に……ひとつ譲ってほしい」
「どう考えてもこんな草ひとつで治る傷には見えませんが」
「貴様! 薬草を馬鹿にするなッ! がはぁッ!」
勇者は勢いよく吐血する。
「な、なんなんですかもう! いいですよ! そこまで言うなら飲んでください! あんたの崇拝する薬草の力とやらを見せてもらおうじゃないですか!」
そう言って、エルフの少女は薬草をそのまま勇者の口の中へ突っ込んだ。
「ぐっ……ごほっ……もご……もご……」
「こ、こいつ。本当に食っていやがります……! その怪我で……ろくに効きもせずまずいあの薬草を……!」
おぞましいものを見るかのように眉を顰める少女。
すると次の瞬間、勇者の四肢はぼきぼきと音をたてながら元通りになり、みるみるうちに傷が塞がっていった。
「……ふぅ。助かった。礼を言う。ありがとう」
勇者は立ち上がると、少女へ向かって深々と頭を下げた。
「あんた……一体何者なんですか……? おもしろ人間……?」
それに対し、奇異なものを見るように勇者のことを眺めまわす少女。
「俺はレベル1でHPが10だからな。どんな怪我も薬草さえあれば完治する」
「れ、れべる? ひっとぽいんと? なんの話です……?」
突然、聞きなれない単語を言われた少女は困惑する。
その様子を見た勇者は驚愕のあまり目を大きく見開いた。
「なんだと! もしや、この世界にレベルやHPといった概念は存在しないのか?」
「わ、私の知る限りでは、そんな言葉聞いたことないですけど……」
「――スキルやステータスもか?」
「せめてこの国の公用語かエルフ語で話してほしいですね」
「……なるほど、おかしな世界にきてしまったものだ」
「おかしいのは世界ではなくあんたの頭だと思いますけど」
エルフの少女はそう吐き捨てた。
「それにしても、あんたはいったいどうしてこんなところに倒れていたんですか?」
ちょっとした好奇心から、勇者に対しそんな質問をする少女。
「そうだな、話せば長くなるが――」
「あ、じゃあいいです」
「そんな……」
「嘘ですよ。長くなるならついてきたください。場所を変えます」
そう言って少女は勇者を伴い、どこかへ向けて歩き出した。
*
「なんだ、こんなところへ連れてきて。ここは酒場ではないか」
勇者は落ち着きなく周囲を見回しながら言った。
「てへ」
舌を出して頭へ手を乗せる少女。
「意味が分からん」
「どうせ長話をするなら酒場の方がいいでしょう? 一杯おごるんで、どうしてあんなところに全身血まみれで倒れていたのか教えてくださいよ」
そういいながら、向かいに座る勇者へ詰め寄るエルフの少女。
「俺は下戸だ。酒は飲めん」
「つまんねー人ですね。体は面白人間のくせに」
「黙れ。……そもそも、貴様いくつだ」
「180歳ですがそれがどうかしましたか?」
「…………いや、なんでもない。それならいいんだ」
「変な人ですね」
エルフの少女は、そう言って運ばれてきた酒を飲みほした。
「昼間から酒か……」
「気付けの一杯ってやつですよ。飲まなきゃやってられません」
顔を赤くしてそう話すエルフの少女――もといおばあさ――少女。
「貴様、名前はなんという」
「エレエレです」
「そうか……いい名前……かもしれないな。エルフにとっては」
「そこは自信もってほめてくださいよ。ーーあんたはなんて名前なんです?」
「俺はヒトーシ。異界からやってきた勇者だ」
「はいはい、勇者勇者……ってえええええええええええ!?」
めんたまをひん剥いて驚くエレエレ。
それと同時に、酒場の人間が一斉に注目してきたので声をひそめて続ける。
「そ、それじゃあ、あんたが王女に呼び出されたっていう勇者!? すごいじゃないですか!」
「そうだ」
「――それがどうしてこんなところに……?」
「貴様が連れてきたんだろう」
「いや、そうですけど……そうじゃなくて……」
エレエレは頭をかかえる。
「王女に召喚されたあと、城を追い出されたんだ。どうやらここの王は棍棒すらくれないらしい」
「この国もだいぶ困窮してますからね……」
「証拠はないが、信じてもらえるだろうか」
「信じますよ。私はなんとなく、その人の言っていることが嘘か本当かわかるんでね」
そういいながら顔を上げるエレエレ。その表情はいつになく真剣だった。
「ヒトーシ。あんたが勇者だというのなら――私はあんたにお願いしたいことがある」
「お願い? ……そうだな、薬草の恩もあることだし、とにかく話だけでも聞いてやらんこともない」
「それは……聞いてくれるってことですよね……?」
「無論だ」
深く頷く勇者。
「いちいち言い回しがめんどくさいですね」
「細かいことは気にするな。早くお願いとやらを言うんだ」
「……単刀直入に言います。……あんたが魔王を倒すのを手伝わせてほしいんです」
「…………ほう?」
「私の故郷――エルフの里は魔王軍に滅ぼされました……助かったのは、その時偶然里を離れていた私だけ。あいつらは……たった一瞬で私から全てを奪っていきました」
「おぅ………………」
あまりに重すぎる過去に、勇者は思わず声をもらす。
「この国ではよくある話です。いまや魔王軍の侵略は激化し、私たちの住める場所はほとんど残っていません」
「……よ、予想以上に切羽詰まった状況のようだ。どうせならもっと早く俺を呼んでもらいたかったものだな」
「だから、絶対に魔王を……この手で討ち取りたい――皆の……仇を討ちたいんです……!」
エレエレの話を聞き終わった勇者はおもむろに立ち上がる。
「なるほど、そういうことか。――ならせいぜい失望しないようにするんだな」
その言葉を聞いたエレエレは、声を荒げて叫んだ。
「そんな! 私には魔法が使えます! 魔王を倒すためにたくさん特訓しました! 魔王を倒せるのなら何でもします! 失望なんてさせません!」
「……いや、俺は失望させるなではなく、失望するなといったんだが」
「はい?」
首を傾げるエレエレ。
「いや! やめてください!」
その時、酒場の中で悲鳴が上がった。二人は声のした方へ目を向ける。
「いいじゃねーか、ねーちゃん。一緒に遊ぼうぜぇ?」
どうやら、酔っぱらった荒くれ者が、酒場の女給仕に絡んでいるらしい。
荒くれ者は体格がよく、身なりからしてかなり実力のある冒険者のようで、周囲の人間たちはなかなか手が出せない様子である。
店内が緊張感に包まれたその次の瞬間。
「そこまでだ」
すかさず、勇者が荒くれ者の腕を掴んだ。
「あ、なんだてめぇ?」
「俺は異界から来た勇者だ。酒場で騒ぎを起こすのはやめてもらいたい」
「ゆ、勇者だって!?」
「ここでやり合ってもいいが、重傷を負うことになるぞ。大人しく引き下がるんだな」
「ち、畜生! 覚えてやがれ!」
荒くれ者は勇者を突き飛ばして酒場から出て行った。
「あ、あの、ありがとうございます」
勇者に駆け寄りお礼を言う女給仕。
「いいんだ気にするな。……それより――」
勇者は荒くれ者に突き飛ばされたことでめり込んでしまった壁からはがれ落ちる。
全身から流血し、今にも死にそうな様子で女給仕へ問いかけた。
「や、薬草を……持っていないか……?」
「ひ、ひぃっ!?」
満身創痍の勇者の姿を見て、どよめく酒場。
「すみません! お騒がせしましたーっ!」
エレエレは、ひとまず勇者を抱えて酒場から逃走した。
「ほら、薬草です! しっかりしてください!」
勇者は薬草もっちゃもっちゃと頬張り、復活する。
「ほんとにどうなってるんですかあなたの体! 真面目に生きてる私たちに謝ってください!」
「俺とて、真面目に生きている」
「もういいです……あんた、すごい弱いんですね。だから城からも追いだされた。……ようやく腑に落ちましたよ」
「そうか。わかってもらえたようで何よりだ」
「それならそれで、早いとこここから逃げた方がいいですよ」
「何故だ?」
エレエレの言葉の理由を問う勇者。
「もうすぐ魔王軍がここへ攻めてくるんです。指揮を執っているのは魔王の右腕といわれるグレーターデーモン。そんなもんに攻められればこの王都も一貫の終わり。さっきの店だって明日には畳まれて誰もいなくなります」
「どおりでこの城下町には一般市民が見当たらないわけだ」
勇者がそう呟いたその時だった。
「…………う……そ……」
目を大きく見開き、ぺたんとしりもちをつくエレエレ。その顔には絶望の色が浮かんでいる。
「そん……な……早すぎるっ」
「なんだ、どうしたんだ?」
勇者が後ろを振り向くと、そこには城壁の高さを優に越すほどの巨大な魔物が居た。
魔物は城壁に手を置いてこちらをのぞき込んでいる。
「あれが噂の」
「グレーター……デーモンッ!」
「展開が早いな」
「こんなに早くっ!? ギルドの召集もかかってないのに……っ」
町にいた荒くれ者どもも大混乱に陥り、大通りはあっという間に逃げ惑う人々で埋め尽くされた。
「愚かな人間どもよ」
グレーターデーモンは、重々しい口調で言った。
「貴様らは皆殺しにしてくれよう。しかし、おとなしく投降すれば楽に殺すし、抵抗するのであれば地獄の苦痛を味あわせたのち殺す」
その体から放たれる圧倒的な魔力にあてられ、エレエレは身動きを取ることができない。
「うそ……でしょ……? こんなの、勝てるわけないじゃない……」
覚悟をしてここまで来たはずだった。しかし、その覚悟も眼前にそびえる巨大な悪魔によって粉々に打ち砕かれてしまった。
エレエレの頬を涙が伝う。それは、圧倒的な恐怖による涙か、情けない自分にたいするいら立ちの涙か、到底太刀打ちできないことに対するくやしさの涙か、エレエレ本人にもわからない。
――終わった。自分はここで死ぬんだ。
エレエレの脳裏をそんな考えがよぎったその時だった。
「待て」
それとは別の声が、町全体に響き渡る。
エレエレが持ち前の視力で目を凝らしてよく見ると、城門の上――グレーターデーモンの顔の前で仁王立ちする勇者の姿があった。
「あ、あの人、いつの間にあんなところまでっ!」
*
勇者はグレーターデーモンと対峙していた。町の中からは見えないが、グレーターデーモンの背後には魔王の軍勢が続いている。
ここで大将であるグレーターデーモンを止めることができなければ、町はあっという間に壊滅してしまうだろう。
「……おおっと、あまりの小ささに気づかず潰してしまうところだったぞ。……キサマ、いったい何者だ」
「俺か? 俺は異界から来た勇者。魔を打ち倒す者だ」
「勇者? 勇者か。ふははは、かような矮小なる勇者如きが我を打ち倒すなど笑わせてくれる」
おちょくるように笑うグレーターデーモン。
「良いか、キサマは――」
「とうっ!」
カンっ。
勇者が剣を抜きの放った攻撃は、グレーターデーモンの指の皮膚に傷一つつけなかった。
「せっかちな男よ。何故死に急ぐか? 良いだろう、叩き潰してくれる」
グレーターデーモンの巨大な両手が城壁を離れる。
次の瞬間にはその両手が勇者を叩き潰した。
「勇者、討ち取ったりフハハハ!」
かくして、最弱の勇者は魔物と勇敢に戦い、その命を落と――
「――それはどうかな?」
さなかった。
「なん……だと……!」
ぴったりとくっついていたはずのグレーターデーモンの両手が徐々に離れていく。
「あ、あやつのどこにそんな力が……!?」
驚愕するグレーターデーモンに、満身創痍で姿を現した勇者が言い放つ。
「スキル≪不屈≫本来ならば致死の攻撃でもHPが全快の状態であれば1だけ耐えることができる」
「な、何を言っているんだ貴様……!」
「スキル……≪正々堂々≫斬りつけた相手のレベルを俺と同値にする。これで、俺に斬られた今の貴様は俺と同じく赤子同然」
「な、なんだとッ?! ちゃんとはじいたではないかッ!」
「そしてスキル≪反撃≫受けたダメージをそのまま跳ね返す」
その言葉とともに勇者の握る剣が眩く輝く。
グレーターデーモンは、勇者の説明を何一つ理解することはできなかったが、その気迫から並々ならぬ様子を感じ取った。
「き、貴様ッ!」
「レベル1の俺に貴様の攻撃はこたえた。不屈のスキルがなければ、軽く五万回は死ねただろう。……つまり、約50万のダメージがお前に跳ね返るというわけだ」
「ま、待て……!」
「この世界にはHPの概念がない。……レベル1の貴様に50万のダメージが耐えられると良いな」
「や、やめろッ!」
圧倒的な威力が込められた一閃が勇者から放たれる。
攻撃をくらったグレーターデーモンは跡形もなく吹き飛んだ。
その背後にいた魔王の軍勢も、攻撃の余波をくらい次々と死んでいく。
生き残った魔物たちも、勇者に恐れおののき逃げ出していった。
*
「お、おい、嘘だろ」
「グレーターデーモンが……消えたぞ……!」
町の人間は戸惑っていた。突如として現れたグレーターデーモンは突如として姿を消したからである。
全てを知っているのは、遠くからでも一部始終を見ることのできたエレエレだけ。
エレエレはふらりと立ち上がり、人込みをかき分け勇者のもとへ走った。
「お、おい貴様! この先は――」
「どいてくださいっ!」
衛兵を押しのけ、城壁の内部を駆け上がるエレエレ。
「……いたっ!」
グレーターデーモンにより半壊した城壁の通路に、勇者はひっそりと横たわっていた。
「勇者様!」
エレエレは転びそうになりながら勇者へ駆け寄る。
「なんだ……お前か……」
「私が……私が間違ってましたっ! あんたのこと、何も知らないのに……勝手に失望してっ……!」
「もういい、よせ……」
「こんな力が使えるのなら……どうして……!」
「俺は……魔を打ち倒す者だ……」
「――――っ! ごめんなさいっ! ごめんなさあああああああいっ! うわあああああん!」
「だから……泣くな……傷口に響く……」
勇者は泣きじゃくるエレエレをなだめる。
「……そんなことより……エレエレ」
「は、はいっ!」
「――薬草は……ある……か……? そろそろ……やばい……ごふっ!」
「勇者様ぁ!」
――これは、たったレベル1で魔王を倒した最弱勇者の物語である。
おわり