プロローグ
「よくぞあの者達を倒してくれましたねクロト…いや、雨宮和人」
「あ、ああこの五年間、本当に大変だったよ…」
妹を庇って交通事故で死んだ俺は、この今いる白い空間に気づいた居た。その後今目の前にいる白髪の綺麗な少女の女神アルティナにレクルスと言う異世界に転生して人々を脅かす魔王と復讐の為に世界を滅ぼそうと企む邪神を倒してほしいと言われ条件付きで承諾した。
そして、女神の加護とチートとまではいかないが強力な力を得てクロトとしてレクルスに転生した俺は十九年の年月を得て魔王を倒し、その後更に三年の年月を得て邪神を倒した。
いや~、もう、ホントに大変だった。
だって、五歳で三歳の時に父さんをなくしてひとり身になった母を狙う豪商の糞デブから守る為に生物を殺す覚悟を決めて近くにある魔境と呼ばれる強い魔物うじゃうじゃと発生する場所で一週間、母にばれないように夜な夜な朝までレベル上げ行い、超絶と言う言葉を使っていいほどの死と隣り合わせのトレーニングをした。正直五歳であれはホントにきつかった。
その後、新月の夜に糞デブの商店と屋敷にミッションインポッシブルして黒い部分の証拠を集め後に更に人を殺る覚悟を決めて糞デブとそのたもろもろ黒い奴をアサシンした後にお金と金になるものと地下牢に居たから、開放した違反奴隷の中から五人ほど奴隷をかっさらった後、黒い証拠を紹介前に堂々と展示して何事もなっかったかのように家に帰って翌日に町中が糞デブ達の遺体と黒い証拠があらわになると町中は大騒ぎしたよな。それに黒い証拠で糞デブとつるんでいた紹介や貴族がバタバタと倒れていくのは面白かったな。
それでその後、かっさらったお金で土地を買って風呂付の大きな家を買った後、連れて帰った奴隷を魔境で鍛えてその後五人の中であまり戦いが好きでなかった二人を母さんの護衛と面倒を見る係に任命して安心して第一目標の魔王討伐の旅に出た。
が、意外と簡単に魔王は倒せた。だがそれまでに四天王とその配下合計百十二万五千三十五名を順番に倒さないといけなかった為、十四年も掛かってしまった。魔王の倒し方を知った時はふざけんなと思ったのにやり遂げた俺はホントに凄いわ。
で、その後、なんか自分を狙ってきた帝国と国を滅ぼしたあと最終目的である邪神の討伐の旅に出て、邪神の場所はわかっていたからその場所である世界の裏側に行ったんだけどあれはマジで疲れた。だって裏側に住まう最弱の魔物が魔王千人分人分の強さでそれが邪神に近づいて行くにつれ強くなっていくからホントに方がこる作業だった。それでこいつら表に一体でもでてきたらやばいと思って順に全滅させていったら邪神が出てきてラッキーと思ったら邪神が十二体も出て来て「あ、これ終ったな」と思いながらも攻撃を全力で避けて飲まず食わず二か月も戦って何とか倒して今に至るの。
「って、言うかおい糞女神。なんで魔王と邪神の情報を言わなかった、一発殴らせろ」
「だって、それを言うと絶対却下するじゃん!」
と、子供の様に言ってくる。先ほどの女神らしい喋り方はフェイクで今の喋り方がこいつの本性だ。
まあ、確かにこいつが魔王と邪神についての細かい情報を言っていたら断っていたかもしれない、だが。
「だが、それを言っていたらあと五年ほど早く倒せていたはずだ」
「そんなこと私には知らないモーン」
全くこいつは…まあそれより。
「おい、魔王と邪神を倒したから約束を果たしてもらうぞ」
そう、転生して魔王と邪神討伐を受ける条件として日本に戻ると言う事だ。この条件のおかげで魔王軍デスマーチと邪神十二体同時討伐をやり遂げられたのだ。なんとしても約束をはたしてもらわないといけない。
「わかってるわよ、ちゃんと貴方を日本に戻すわ。でも、そのまま戻すと世界が壊れてしまうから転生にさせてちょうだい。もちろんステータスとかも無くなる事になるわ」
「あぁ、それは予想していた事だから問題ない」
これは数年前から戻ったらどうしようかと考えていた時から予想して理解していた為、何も不安には思わない。
「ん、どうしたアルティナ?」
何故かアルティナがもじもじし始めていた。まあ、最初からなんかおかしかったが。
そんなことを考えているとアルティナが「あ、あのね!」と話しだした
「あのね、あんたには向こうに行ったら少しお願いしたい事があるの!」
は?何言ってんだこいつ。日本に再び戻る為に二十二年も命かけて戦った俺に似たような事をさせるだと…よし、あいつらを倒したおかげで今の俺には神殺しの称号とその称号効果で得た対神用スキルを屈指すればこいつを殺して神格を奪おう。
「ちょ、ちょっと持って!お願いと言っても、ちょっとしたことだし、今回みたいなことじゃないから、だから剣を抜かないでってば!あ、ちょ、その対神スキルを使うのやめてぇええ!」
「死ぬから、ホントに死ぬから」と泣きじゃくりながら言うアルティナ。仕方ない話だけ聞くとしよう。いざとなれば殺ればいいだけだし。
「も、もう、次やったら絶対許さない…」
グスグス言いながらそう言うアルティナにさっさと話せと言うと、「あんた、最低ね!」と言うので剣を鞘から少し抜く動作をすると、「わ、わかったわよ」と言いアルティナが話始める。
「私はあなたがもともと居た地球がある世界も管理しているんだけどね」
あ、あっち御世界にも神様居たんだ。こんなアホだけど。
「それでね、あんたがもともと居たその地球の中にある日本に私の進行する巫女が居るのよ。あんたにはその子を機たるべく日から守ってほしいの!」
「は?」
一瞬、わけがわからなくなったが詳しく聞いた事をまとめるとこんな感じだ。
・私は貴方がもともと居た地球の世界も管理している。
・それで、貴方がもともといた地球にある日本の国に私を信仰しているお気に入りの巫女となる子を守ってほしい。
・その理由はあの世界は魔物はいないが魔素は多少ある為一定周期で魔素だまり、いわゆるスピリチュアルスポットで魔物が俺が居たレクルスみたいに魔物があっちこっちで常時大量発生しない代わりに魔王や四天王以下だが強い魔物が一、二体発生するらしい。
・だが、十六年後に世界の大半の魔素が集まり魔王クラスの魔物が召喚されるらしい。
・そして、巫女となったお気に入りの彼女は表社会に出ていない魔物を討伐する人たちと戦い、勝つのだがその彼女は死んでしまうらしい。
・だから、彼女を守って!
・あ、あと、そのあとに次元が開いて魔物が大量発生してしまうから、それも何とかして頂戴。
それを聞いて俺はこう思い、あいつに言った。
「ふざけるなぁぁああああ!」
だが俺はそれを承諾した。断ればいずれ日本食が食べれなくなるし俺にも被害がくることは確定なのだから、が。
「もちろん、そっちがお願いしてきているのだから対価が必要なのは分かっているよな?」
レクルスに来てからし知ったが、神が神以外の誰かに何かを頼むときには代価が必要となるのだ。そして神も頼む事の重大さによって対価は大きくなる。
「わ、わかっているわよ、神をなめないでくれる!」
そう言い、ぷんすかしながら、「早く対価を言ってちょうだい」と言うのでお願いと言う言葉をあいつが言った瞬間決めていた対価を言う。
「じゃあ、対価はレベルやステータスやスキルを引き継いでくれ、勿論収納スキルの中にある物もそのままな」
このまま地球に転移すれば世界が歪んで崩壊する可能性があるがこの方法なら多少の影響はあるが、問題ないはずだ。何せ世界と世界を渡る技術についてはあの理由で実際に行うのはあきらめたが魔王と邪神討伐と並行しながら調べていたのだ。
それを肯定する様に代価を聞いたアルティナは「はぁ、多少めんどくさいけどあの子の為だもの」と小声で言った後承諾した。
「対価についてはわかったわ。でも、世界に影響を与えるのはぜっいに辞めてよね!」
「それは、自分がよくわかっているからスキルを使って力を抑えるつもりだ」
そんなことをすれば、こっちだってただで済みそうにないからな。日本食とか食べれなくなるし
「それと、あの子を守る為にあんたの転生先はこっちで決めるけど問題ないわよね?」
「あぁ、それは構わないが、さすがに赤ちゃんからっていう正直もう嫌だし三歳になった時に記憶を戻してれ、勿論レベルやステータスとかもその時まで封印して構わない」
その後、アルティナからそのお気に入りの子とその周囲の情報など詳しく聞き終えると転生の儀式を開始した。
「あ、そうだ、アルティナ」
俺は転生魔法の術式を組み立てているアルティナに声をかける。
「なによ」
「すまないが、あっちの世界に残した母さんやあいつらが不幸に合わないように見守っていてくれ、期限は母さんが死ぬまでで構わない」
あいつらはもう神と俺を抜けば世界最強に近いし母さんを守れるはずだが少し心配だ。
「そう、まあそれくらいの事なら別に構わないわ。貴方にはあの事を黙っていたと言う罪悪感も多少なりともあるしね」
「ありがとう」
と、感謝を告げると同時にどうやら転生魔法の術式が完成したみたいだ。
「さあ、始めるけど何か言い残すことはない?」
そう俺に行ってくるアルティナ。
「そうだな、特にないし始めてくれ」
そう言うとアルティナは「そう」と言って転生魔法を発動する。それと同時に俺はアルティナに近づき。
「アルティナ、今まで見守っていてくれてありがとう」
そう言い、あいつの唇を奪う。その後俺は展開された魔法陣に戻りアルティナの事を見るとあいつは顔真っ赤にしていた。どうやらあいつらが言っていたことは本当のようだ。
「にゃ、にゃ、にゃ」
どうやら、情報整理ができずに戸惑って猫語になっているらしい。
「じゃあなアルティナ、あいつ等にも神託でよろしく言っといてくれ」
「あ、ちょま」
アルティナが何か言おうとしたが転生魔法が発動して俺はあの時の様に光に包まれて意識を失った。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「うっ、ここは」
目を覚まし、辺りを見回すと俺は二十畳くらいある豪華な部屋のベットに居た
「あ、そうか、転生したんだった」
目線も低いし、声も女の子の様に高い。
「とりあえず動くか」
そう思い俺はベットから降りてクローゼットの隣に大きな鏡がある為、そこで自分の姿を確認することにした。
鏡に行くまでの途中、自分の髪が長く少しかゆかったが、無視して鏡のところに行き確認した。すると。
「はへ?」
思わず、そんな声を上げてしまった。
何せ、目の前に写っていたのは白髪の綺麗な髪に宝石のような青い瞳に綺麗なまつ毛。丁度いい小鼻にぷるっとした綺麗な唇。何より肌は白くきめ細かく持っちりとした卵肌で幻想的な小さな女の子だった。
身体の違和感、特に下半身に違和感があっていやの予感がしていたがどうやら予感は当り、俺は女の子に転生してしまったようだ。
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