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上四ホモ固め(体育)

 本日の授業では、投技よりも寝技に重点を置く「ホモ専柔道※1」において最も強力な寝技とされる「上四ホモ固め」を紹介する。


 上四ホモ固めは「全ての寝技は上四ホモ固めを極めるための序章に過ぎない」と豪語する達人も存在するほどの高度かつ必殺の技である。


 まずは、あおむけになっている相手の頭の方向から、四つん這いとなった自分の顔を近づけよう。

 次に、おもむろに敵に対し濃厚なベーゼを仕掛けるのだ。

 ここで十中八九、相手ははあまりの快感に動きを止めてしまうであろう。


 そのすきに、相手の両肩を抱え込むようにこちらの両手を相手の肩下に通し、相手の腰帯を握ってしまう。

 さらに自身の両脇を絞り込むことにより、相手の主に上半身の動きを封じてしまおう。

 この姿勢は柔道の「上四方固め※2」と類似している。


 しかしここからがホモ専柔道の真髄である。


 上半身の動きを捕えられた相手は、技から逃れようと、まず間違いなく腰を浮かせようとするであろう。

 ここで生まれる隙を利用する。

 そう、すかさず相手ののいちもつを柔道着越しに口でとらえて動きを封じてしまうのだ。


 同時に相手の顔面に自らのいちもつを柔道着越しにねじ込むことによって、相手の頭も封じてしまおう。


 これで上四ホモ固めが完全に極まった。

 相手は頭、両腕、上半身、下半身の四点を極められ、身動きをすることは叶わないであろう。

 こうなってしまえば相手の命運は貴様の掌の上にある。

 好きなように料理してしまうのだ。


 ここまでで気づいた者もいるだろうが、この技は手順を間違えると逆に己を滅ぼすことになる。

 上四ホモ固めでは、必ず相手の下半身を捕えてから頭を捕えるのが鉄則である。

 なぜならば、まずは相手のいちもつを人質に取らなければ、相手の顔面に己のいちもつが無防備に晒されてしまうからなのだ。


 こうした手順をホモ専柔道では「崩し」という。

 崩しがなければ技は極まらないと心得よ。


 なお、本文の脚注を次に紹介しておくので、暇なときについでに学ぶとよいであろう。


 ※1「高専柔道」

 1898年に東京の第一高等学校(東京大学前身校のひとつ)と仙台の第二高等学校(東北大学前身校のひとつ)の柔道部の間で行われた対抗戦に端を発する。

 立ち技から寝技への引き込みが認められるなど、寝技中心の柔道として知られる。

 特筆すべき点として「三角締め」が高専柔道由来であることなどが挙げられる。

 現在は「七帝柔道」(旧帝国大学柔道部による大会)に引き継がれ、またブラジリアン柔術の台頭により、その存在に再び注目が集まっている。


 ※2「上四方固め」

 柔道の固め技9本のうちの一つとされる。

 英訳は"north south position"(ノースサウスポジション)。

 極まった型は本文中の通り。

 なお、ベッドの上の格闘技では、主につなぎ技として使用される。


 今日はここまで。

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