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ホモ狩る事件 (現代思想)

 本日はノンケどもがでたらめな理論でホモを糾弾していることを批判するために、ニューヨーク大学の同性愛権威であるアラン・ホモカル教授が起こした事件について学ぶとしよう。


 ノンケどもが自らの正当性を主張しホモやレズを批判する際に、科学的根拠と称して科学用語や数式を無分別に用いる姿勢に対し、アラン・ホモカル教授はある論文を著名な評論誌に投稿した。


 論文は「ノンケの境界を侵犯すること:量子重力の変換解釈学に向けて」と題されている。


 その内容はノンケ至上主義者の言葉を引用し、それらに理論物理学や数学などの根拠を与え、彼らの主張を称賛するというものである。


 が、実は本論文に使用された「科学用語」および「数式」は全てでたらめであった。

 特に数式については、数学者はもちろん、高校数学レベルの知識でもそれがでたらめに用いられていると容易にわかるお粗末な誤用をあえてちりばめていた。


 ところが投稿を受けた掲載誌は、あろうことか「科学的見地によりホモカル氏がホモを狩る」特集号と題して、本論文をそのまま掲載したのである。

 その後ホモカル氏は著書「ノンケの欺瞞」によって、いかにノンケが主張する正当性に科学的根拠がないことをホモカル教授は示した。

 これら一連の流れを「ホモ狩る事件」という。


 なお、この投稿を掲載した行為は評論誌にとって「考えられるかぎり最悪の自滅行為」と評価された。

 ホモカル教授の行為にはその後賛否両論が論じられるが、少なくとも「既存の権威に盲目的に追従する愚かな姿勢」がアカデミックな世界にも存在していたことを証したことは事実である。


 次に参考文献を掲載するので暇なときにそちらも学ぶとよかろう。


参考文献

「ソーカル事件」


 科学的根拠と称してでたらめな科学・数学用語を用いることにより権威づけをおこなっている人文評論家を批判するために、ニューヨーク大学物理学教授アラン・ソ-カル氏が起こした事件。


 ソーカル氏はカルチュアル・スタディーズ(文化研究学)の評論誌である「ソーシャル・テキスト」に、当時活躍していた哲学者や社会学者の言葉を引用し、それらに数学と論理物理学を関連付け、彼らを称賛する内容の論文「境界を侵犯すること:量子重力の変換解釈学に向けて」を投稿した。

 ところが実際には本論文に用いられている数学も論理物理学も全てでたらめな内容だったのである。


 ソーカル氏の目的は、こうした「でたらめ」をポストモダン派の研究者が見抜くかどうかという点にあった。

 が、あろうことか「ソーシャル・テキスト」誌は本論文を受領したうえで、そのまま「ポストモダン哲学批判への反論」として掲載してしまう。


 その後ソーカル氏は数理物理学者ジャン・ブリクモンとの共著「知の欺瞞」によって、ポストモダニストを名乗る哲学者、社会学者、フェミニズム信奉者らが用いる自然科学用語のいいかげんさに対して批判を行った。


 なお「ソーシャル・テキスト」の編集長は「考えられるかぎり最悪の自滅行為」を讃えられ、1996年に「イグノーベル賞」を受賞している。


 今日はこれまで。

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