万物の正体
今回で、やっとこさ移動します。
更新遅くてすいません^^
前回のあらすじ
世界の事を少しと
尽を助けたイケメンは変態だったことを知った。
あれから10分程度たった。
なんやかんやで、(安全のため)ユーディと一緒に行動している。
あの銀行強盗マジ許すまじ。なんで俺なんかを人質にとるかな。
しかも、脅しの最中に窒息死させるとか、バカなのか?頭がボールなのか?
もうちと、頭を使え頭をよぉ。
しかも凶器が、完全にカッターナイフ。また中途半端な、、、
というか俺一回死んでるんだよな。ならどうして俺はここに来るまでの事を知らないんだよ。
なんかお告げ的なものがあったっていいじゃない。チートがあったっていいじゃない。転移者だもの。
愚痴っても仕方ないとわかっていても愚痴らずにはいられない。ずっとイライラしてしまう。
「はあ」
どうなってんだよ。なんで俺が転移なんて、、
「おーい、耳は機能してますかー。」
「・・・なんだ?」
「いったんここでキャンプしまーしょう。」
変態こと、ユーディは直径2mくらいの池を指して言った。
(のどが渇いたな)
水が飲めるかを聞いてから、池に近づいた。
池を何気なく覗き込んだら、そこには水色の髪色をした20歳ほどに見える
だるそうにした男が映っていた。
その青年は、こちらを見るとどんどん青色の目を開いていった。
だんだんと顔が青く染まってゆく。
こいつだれだよ!どう見たって、どの角度から見たって知らない人である。
今までの黒髪も黒い瞳もない、だが唯一のアイデンティティー「左目の左横のほくろ」は健在だった。
そういえば、体が軽い。それに声も少し目線が上がっている。声も透き通っている。
どうなってんだ、俺の体は。本当に転移しただけか?
まったく形質が変化しているんだ。「実はこの姿のまま生まれてきました~」なんてこともあるかもしれない。なんたって異世界ですから!
とゆうことは、転移じゃなくて転生したのかもしれない。何が本当なんだ?
自分の事がわからないなんて、非常に気持ち悪い。
「顔の色が気持ち悪くなってる時のあの色になってまっせ?」
どうやら一通りのセッティングが終わったようで、ユーディがこちらに近づいてきた。
にしても、相変わらずの言葉づかいにイラっとしたよ。
おのれ変態め。人の気も知らないで、ゆらゆらしやがって。ここまでぶれないと、調子狂うわ!
ユーディをにらみつけたら、急に申し訳なさそうな顔をされた。
「ご、ごめんなさい」
予想に反してユーディは本当に心配してるらしく、何度も頭を下げた。
まったく、調子のいいやつだ。そうは思いつつもこれ以上怒る気にはなれなかった。
──────翌朝
前の世界での生活習慣が染みついているのか、結構な早起きをしてしまった。
まだ、ユーディは寝ている。とりあえず外に出よう。
テントから出たら、まだ少し暗かった。安全確認のために周りを見渡すと、
昨日もいた魔物が少し見えた。やばい。
テントに戻ろうと急いだが、尽は足を止めた。ふと、空を見上げると、
ある違和感が空にあったからだ。
「あれ、太陽がない。」
空は明るいはずなのにどこにも目立った強い光源がないのだ。
なんなんだよ一体。
昨日と今日とで、また謎が増えてしまった。
今度こそテントに戻ろうとしたが、
「キュー!」
「っ・・!」
昨日見た、ウサギ型の魔物が、尽に襲い掛かってきた。完全にスキを突かれてしまい、
もろに魔物の突進をくらった。
「ぐは・・・」
左側の横腹に攻撃を受けた尽は、一瞬で10mほどまで飛ばされた。
いてて・・っていたくないな。まあいいや。
痛くないに越したことはない。
「キュゥゥゥ♪」
小さいのにやってくれるじゃねーの。
尽が、よっこいせと立ち上がろうとする。魔物の方を見ると、オオウサギの時のように緑のゲージと
文字が見える。
───────ピス?意外だな。てっきり“オオネズミ”とでもいうのかと思ったぜ。
そんなことを考えていると、ピスの鼻の先に緑色の弾が見える。
なんだあれ。どんどんでかくなっていくぞ。
「何かくる・・」
尽が身構えたその時、
ピスの体が光りだし直径30cmほどの緑の弾が飛んできた。
・・・が、その速度はとても遅く
だんだん小さくなって、地に落ちていく。
尽の所に来る頃には、ピンポン玉のような大きさまで小さくなり、飛んでいるというより転がっていた
「・・・」
これはもう、あきれてしまった。
なんなんだこの攻撃は。魔法か? にしてもこれはないだろぉ。
これなら俺でも倒せるんじゃなかろうか。
警戒を解いて、安心してピスの方を見てみると
「・・・キュー」
(めっちゃ落ち込んでるしぃぃ)
どういうことだよ。あれか、魔物の中でも落ちこぼれとかそんなんがあるんだろうか。
なんか、妙な親近感がわいてきたよ。ははは
こんな状態の魔物を狩っても仕方ないしな・・・
まあ、ほっといても害はないだろう。そう思って、立ち去ろうとすると。
ドス
何やら背後から鈍い音が聞こえた。今度は何なんだと背後をチラっと見ると。
「ギューーーー」
めっちゃ毛を逆立てたピスがいた。猫かよ。牙をむき、かわいらしい声で威嚇している。
というかさっきすごい鈍い音が鳴ったんだけど、俺の背中大丈夫か?
だがしかし、ぜんっぜん痛くない。背中に手を当てても、特におかしなところは見当たらない。
「ギュゥゥゥ」
ピスが大きく口を開けて、襲い掛かってくる。
「うわ、こっちくんな。」
「ドンッ」
とっさのことに、反射的に手で払った。
「キュー・・・」
ピスの鳴き声がするほうに目をやると、そこにはすでに何もなかった。
奴は、どこに行ったんだ?
もしかして逃げられたか?そう思ったが、それほど奴は速くはない。じゃあどこにいる?
攻撃が外れたのかとも考えたが、手にはちゃんと柔らかい何かに触れた感触が残っている。
死体を探していると、草の音が聞こえた。
「おーい」
ユーディがこちらへ走ってきた。 あたりを見渡すと、すっかり空は晴れていた。
「どしたの?なにか失くしもの探してたぁの?」
「いや、倒したはずの魔物がどこにもいないんだよ」
そう話すと、ユーディが少し驚いたような顔になってから、話し始めた
「ははーん、もしかして素手で倒しちゃったのですねぇ」
「そうだが、何かまずかったか?」
「いえいえ、なぁんにもまずくはありません。おいしいです。」
この期に及んでふざけやがったよ、この変態め!一体何なんだよ、頭痛いわ!
それより、なんで驚いてたんだよそれを教えろよ。
「まあ、うまうまは嘘です。
実の事を言うとですな~、その魔物はもう還りましたぁよ?多分」
「帰った?やっぱり逃げたのか!あのうさg「いやぁそういう意味ではなくね」
「マナとなって世界に還元されーたんです」
「ああ、なるほどね。還ったのね。で、それってどういうことだよ?」
帰らずに還った?マナになって?一体全体どういうシステムなんだこの世界の生き物は。
ユーディ曰く、
「万物ぅはマナで全て構成されていてですね、武器や特定の魔法でとどめをささないとマナが形を保ってなくなってそのまま還ってしまうんーですね~」
らしい。じゃあ何で、武器は大丈夫なんだと聞いたら、
「そりゃぁ、マナがーなんか、こう、もっと、すごく、んんーーってなってるーからです」
要するに、知らんと。素直にそういえ。
まとめると、この世界はマナで全てが成り立っていて
特定の方法でとどめを刺さないとマナにもどるということか。
まあ“マナ”という存在を知れただけ良しとしておこう。
にしてもなんで、痛くなくて無傷なのにピスに飛ばされたんだろうか。
それに、あの鈍い音はなんだったんだ?
(骨折してないよな。というか、そもそも骨があるのか?)
まあ大丈夫だろう。もし大事に至るほどやばかったら、いまごろ無事ではないだろうしな。
ポジティブに生きよう。でなきゃ精神が大事に至る。
ぐぅ~~~
・・・腹減ったなぁ。飯食うか。
前を見ると、ユーディがめっちゃ笑っていた。
肝心の飯だが、意外に良いものだった。
まずい保存食が出てくると思ったが、出てきたのはサンドイッチだった。
「いただきます」
「はいー」
パクッ───────美味いな。
シンプルに野菜と卵だけだったが、味付けがイイ。
特に卵のマヨネーズがしつこくなく、美味しかった。
「はーしゃぁせぇ」
せやな。しあわせだな。
───っと、もうなくなってしまった。まあ、もとは一人分のはずだし仕方ないか。
「ごちそうさまでした」
食ったなー。なぜか軽く2食分はくったきがするぜ。
いっぱい疲れたから仕方ないね。それに、飯が美味いのはいいことだ。うむ
「ねえぇその“いただきます”と“ごちそうさま”ってーなに?」
「? 普通言うだろ?」
「いいえぇ、いいませんぞ~」
そういうもんなのか。それもそうだな、ここは日本ではないし。
いいな~めんどくさくなくて。でもなんかしなかったら、申し訳ない気もするしな~
よし、教えとこう。
「これはな、食べ物に感謝する儀式みたいなもんだ。」
「ぬぬぅ・・儀式とな?」
「ああ。こうやってこれを作った人や食べられるものに“ありがとう”を伝えるんだ。」
「ふうん。じゃあ僕と食材に感謝してるってーことだね!」
「そういうことだ」
変態にしては物分かりがいいな。これがA-3級の理解力か。
まあめんどくさくなくていいけどね
「そういえば、尽はこれからどうするの?」
急な質問だな・・・
そういえばそうだな、どうしようか。
ここにいても仕方ないし。でも行く当てもない。
うーん。
悩んでいると、ユーディが提案してきた。
「もし、当てがなぁいーなら、一緒に来る?」
「ぜひ行かせていただきます。」
即答しちゃったぜ。まあ困ることはないし。しばらくは一緒に行動させてもらおう。
それから、ぱぱっとテントやらを片付けて、再び歩き出した。
「どこへ向かうんだ?」
「“ハララ村”だょ。」
「わかった」
歩きながら聞いたんだがハララ村とは、ここから少し離れたところにある
ユーディの拠点にしている村でユーディの第二の故郷らしい。
外とのつながりが全くというほどなく、狩りに出かけるために草原に行っているとのこと。
うー苦しいな、確か1、2、3、4、5・・あれ、一人分多すぎね?
いやーまいったな、全然普通に歩けねえや。
それに比べてあいつは、俺と同じ量を食っているのに、さっきと歩く速さがかわってねえな。
あのスラっとした体の中にどうやって入れたんだ。
一体どんな体してんだよやっぱ変態だな。
ユーディの変態度合いを再確認すると、すぐ目の前に森が見える。
尽は止まったがユーディは全くのためらいもなく森へと足を進める。
「お、おいまてよ」
「ぬぬ。な~んだ?」
尽に呼び止められたユーディは、なんかあったの?とでも言いたげな小馬鹿にしているような顔になっている。
何ともむかつく野郎だぜ。この変態がぁぁ!
「何で森に入るんだ?」
「言ってなかーたっけ?この森の中に村は存在してるん~だ~よぉ~」
聞いてねえよ!いや、聞かなかった俺も俺だけども!
つーか、言い方がいちいち憎たらしいんだよぉぉぉ
「そうか、わかった。」
「は~ぁ、まっったく」
「この変態が(ため息なんてつくなよ)」
「変態?!」
おっと、本音と建前が逆になってしまった。
やっぱり後ろで「変態?なんでなんで?おいおい──────」と聞こえるが俺は満足です。
うるさくなりつつもそそくさと森に入っていった
(森ってこんなに素晴らしいものなんだなぁ)
森の中ではいろんな木の実や、植物を見ることができた。
特に赤色の実はリンゴみたいで美味そうだった。
それを取ろうとしたら、ユーディが「こらこら」といって止めてきた。
まだユーディは「変態なんで?」を復唱している。
さすがに、「いや、なんでだよ。」という突っ込みを胸にしまったがどうも納得がいかないぜ。
尽がよそ見をしている最中に、ユーディは赤い実をもぎ取っていたことを、彼は知らない。
だいぶ歩いたな・・・かれこれ2時間は歩いた気がするな。
いつになったらつくんだ?景色の変化と言えば、森で空が覆われて、作物のある畑らしきものがぽつぽつあるのが見えたくらいだ
「なあ、その“ハララ村”にはあとどれくらいなんだ?」
「んーそうだね、20分ほど歩いたしーーもう少しだよ」
まだそれだけしかたってなかったか。
どうも、寝る時間と起きる時間以外には体内時計が働かないな。
つかれたなー。森の中は草木が生い茂っていて、思うように進めない。
ユーディは歩きなれているから10分ほどで着くらしいが余計に時間をくってしまっている。
なんかごめんユーディさんや。
──ザワザワッ──
すこし後ろの草の影から音がした。
それと同時に、ユーディが解体用ナイフを手に取り、草に飛ぶ矢のごとき速さで突っ込んでいった。
「ザシュ」
尽はその行為を目で追い、目が一つの茂みに着いた。
───森が静寂につつまれる
「終わったよーん」
警戒していたら、ユーディがこちらに歩いてきていた。
もちろん、素敵な笑顔で。
(いや、こえーよ)
魔物さん、ご愁傷さまです。心中お察しします。
ほんと安らかに眠って下さい。なにとぞ、なにとぞぉぉぉぉぉぉ。
「さあ行こーう」
ユーディの言葉で平静を取り戻し、再び森を歩き始めた。
特に何もなく、5分ほど歩いただろうか。
森を進んでいると、視界に変な形状の木が目に入った
んあぁ?なんだあれ。
くたくたになりながら、よく見ると木のアーチが見えた。
「着いたぁよん」
やっとついたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
いろんなEVがあったものの、俺たちは無事にハララ村にたどり着いた。
5000文字程度書きました。
しばらくは、毎回この文字数で行こうと思います