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魔道体系学の祖  作者: 五反田鐡ノ進
第2章 奴隷時代の憂鬱
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74.ちょろいドワーフ

 

 コルトスターの暇な日に合わせてオルランドのところへと向かった。出発日までにどんな形に加工してもらって、どんな風に使うかまで考えて置いた。以前はヒュプヌアカンタの針を銃弾にするつもりであったが、竜鱗をナイフにしてもらってナイフを発射する機構を作ってしまうことにした。


 お酒を持って鍛冶屋に入るとあの典型的なドワーフが待ち構えていた。見るからに不満げな顔で待ち構えているので、そっと目の前に酒瓶を出した。


「約束の品です。飲んだことのない、極上のお酒でしょう。」

「ふん、俺は舌が肥えているぞ!本当に極上なのか?」

「ええ、どの品も売られていないものですから。それに豊富な種類を用意しましたので、どれかしらは気に入っていただけるかと・・・。」

「そこまで言うなら飲んでやろうじゃねぇか!」


 そう言って目の前の赤い瓶をぶっきらぼうに奪い取り、蓋を開けるとごくごくと飲み始めた。えっ?ラッパ飲みすか!?たぶん、アルコール度数40%はあると思うんだけど・・・。


「くはぁ、これはうめぇじゃねぇか!他のも飲ませろ!!」


 瓶を空にして別のお酒をよこせと言う。とんでもない酒豪だなぁ・・・。感心していたが、さすがに度数が高かったのか、千鳥足になってきた。そういやこの世界のお酒に蒸留酒はないわけだから今こうして飲んだら流石にやばいわなぁ。


「依頼をこなしていただけるならば他の種類のお酒もすべてお渡しいたしましょう。」

「いいだろう!気に入ったぜ!んで、何を作ればいいんだ?」


 それを聞いてコルトスターが次元魔導で消えた。察しがいいことに竜鱗を持ってきてくれるようだ。オルランドは次元魔導に少し驚いている。しかし、案外ドワーフちょろいな。職人気質でもっと苦労するかと思ったらお酒で手のひら返した。


「持ってきたぞ。」

「ありがとうございます。オルランドさん、こちらの鱗の一枚を使ってこのようなナイフを大量に作っていただきたいのです。もう一枚はこのような『刀』を作っていただきたい。よろしいですか?」


 あらかじめ簡単な絵を描き、文字を添えて発注書を作っておいた。それをはらりと広げて軽く説明する。発射用ナイフと自分用の『刀』を作ってもらう。どうせ竜の鱗で作れるなら自分のも作っておきたい。『刀の鍔』は作れないだろうから『鍔』なしのものをオーダーした。・・・『刀』に西洋風の唾がついていたら何だか台無しである。


「なんだかよくわからねぇが、この注文書通りに作ればいいんだろう?ところでこいつは何の鱗だ?俺でも見たことねぇぞ・・・。」

「これはヒュプノスの鱗です。」

「何だと!?冗談いうんじゃねぇよ!竜を倒したのか!?」

「いえ、譲ってもらったのです。」

「そんなわけ・・・。」

「儂もその場にいた。事実だ。」


 オルランドが口をあんぐりさせている。できないのだろうか?竜の鱗の加工自体希少なようだ。


「ま、まぁ、とりあえず頑張らせてもらうぜ!竜の鱗を余すところなく使って最高傑作を作ってやるよ!」


 素材が竜の素材だと知ってかやる気満々である。これならいいものができそうだ。できるのにしばらく時間がはかかるそうなので、その間に他の材料やらを集めて発射装置を作ってしまうことにした。


いわゆるスペツナズナイフってやつです。ファンタジー世界なので実用的かのような描写で書きますのであしからず。

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