表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔道体系学の祖  作者: 五反田鐡ノ進
第2章 奴隷時代の憂鬱
82/83

73.蒸留酒

 

 買ってきてもらった葡萄酒を蒸留することにした。アルコールの沸点と水の沸点の差を使い、先に気化してしまうアルコールを集めて冷却すると出来上がるはずだ。記憶が正しければね・・・。さっそく蒸留装置を作り上げていく。簡易的なものだが、案外集めようと思えばできるもので、1日で装置はできた。葡萄酒3本分を蒸留できる装置だ。もっと一気にできたら楽なのだが。火は90℃くらいの火を使いたかったので、温度計もないこの世界ではイメージでどうにかなる魔法を使うにした。装置を使い蒸留しているとテンスがやってきて興味深そうにこちらを見ていた。


「手伝ってくれますか?」

「喜んで!」


 テンスはとてもうれしそうである。酒造りを今後はテンスに任せれば、コルトスターの機嫌を取れるかもしれない。気化したものを魔法の氷で冷却し、蒸留酒ができた。さっくり説明しているようだが、なかなかに時間がかかっている。できた蒸留酒を少し舐めて見たら、濃すぎて飲める濃度ではなかった。そうだった・・・この後熟成という行程があるんだった。葡萄酒でできた蒸留酒なので『ブランデー』かな。あ、そうだ、熟成を早めることはできないだろうか?出来立ての無色透明な『ブランデー』に熟成しろと念じながら魔力を送る。すると、色が銀色に変わっていった。さっきの熟成させていない『ブランデー』の濃度にやられてもう味見をしたくないので、テンスにしてもらうことにした。


「あぁ、これはおいしいですね!!!」


 テンス大興奮である。熟成前と比べてどうか味わってもらった。


「色味のない方はアルコールの暴力って感じですが、銀色の方は何とも言えない爽やかな風味と甘みのようなものが下に駆け巡っていきます。しかも、この青い方を飲むと何だか元気が出ますね!」


 元気が出るのは酔っぱらっているだけではなかろうか?おいしいものができたならよかった。おもしろいので、その後は実験としていろいろな魔力のイメージで熟成させたらどうなるか試してみた。属性ごとにイメージしてみたら次のような結果になった。味に関してはコルトスターにも飲ませて意見を聞いた。


 〈属性→色:味、その他備考〉

 空→白:爽やか

 時→灰:形容しがたい、時間を忘れる?

 闇→黒:形容しがたい深み

 水→青:軟らかい、味がない

 命→赤:形容しがたいうまさ、怪我が治る?

 火→黄:とても辛い、のどが渇く

 地→緑:渋い、硬い

 風→橙:爽やか、軟らかい

 雷→紫:やや辛い、下が痺れる

 光→金:とても甘い、幸せな気持ちになる?

 無→銀:爽やか、甘い


 属性は人族の神様が持つ属性をそれぞれイメージしてみた。すると、神様の司る色通りに『ブランデー』が変化していった。金色になった時には少し驚いた。闇属性の黒色のはコルトスターでもさすがに飲むのを嫌がっていた。まぁ、飲ませたら案外おいしかったらしいが。味に関してはコルトスターもテンスも同じ事を言うもんだからそういうものなのだろう。怪我が治るというのは、テンスが料理中にやってしまった火傷が治ったらしい。ポーション的な何かになってしまったのだろうか?とりあえず、12種類の蒸留酒ができたのでオルランドに持っていくことにした。ちなみに、コルトスターは雷の属性のが一番好きらしい。


氷の属性は魔族の神、ガムキコトが司っています。人族の神は色を司ると考えられていますが、魔族の神は司らないそうです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ