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魔道体系学の祖  作者: 五反田鐡ノ進
第2章 奴隷時代の憂鬱
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69.怪鳥スピラプース

 

「何か解決策はー?」

「あるけど消し飛んじゃって素材が取れなくなる―!」


 離れた位置にいるジェーヴォと叫びながらコンタクトをとる。そう、倒す方法はあるのだ。ザダンカイ戦の時に使った極太レーザーとか、その他開発した殲滅用魔法などなどあるにはある。しかし、おそらく塵も残らないので、材料を取りに来た自分たちにとっては使ってはならない手段なのだ。


 スピラプースは相も変わらず跳ねては岩壁を削り、跳ねては岩壁を削りを繰り返している。こっちは疲れてきているのに、向こうはなんのそのである。攻撃しないと何も変わらないので、申し訳程度に木砲で雷を撃ち出して攻撃する。しかし、まったく効かない。物理も魔法も効かないってどういうことだ?そんなの図鑑に書いてなかったぞ・・・。


「そろそろ疲れてきたー!」

「儂もだー!」


 さすがのジェーヴォも疲れてきたようだ。いったん逃げるか?その方がよいかもしれない。あいにく、スピラプースからは逃げられそうだ。


「いったん逃げよーう!」

「わかったー!」


 各々、洞窟の出口に向かってジグザグ進んでいく。まっすぐ進んだらあの鳥がぶつかってくるだろう。洞窟の出口が見えたところでスピラプースが突然止まった。洞窟に差し込む太陽光に触れたくないようで、ギリギリのところでギャーギャー喚いている。どうやら太陽光が苦手なようだ。洞窟の入り口でスピラブースを見ながら少し息を整える。


「もしかしたら攻略方法わかったかも。」

「本当か!?儂には見当もつかん。」


 光が苦手というのがヒントである。この世界にはゲームのように属性がある。種類は人族の神々が司る10属性と魔族の神々が司る10属性の計20種類だ。魔族の神が司る属性はほぼその神にしか使えないのだが、人族の神が司る属性は魔物ですら使える。光の属性は人族の主神、メレクの司る属性だ。神話によると、エロヒムという闇の属性を司る神はメレクに弱いらしく、その関係から闇の属性が光の属性に弱いらしいのだ。闇の属性は太陽光が苦手というわかりやすい特徴を持っている。神話は眉唾物だが、案外属性の弱点うんぬんは正しいと前に実証したことがある。他にも属性の関係はあるのだが、ここではやめておこう。


 とにかくスピラプースは光属性に弱いらしい。闇属性の魔導で硬化できるものがあると魔導書に書いてあった気がする。それを使っているからすべての攻撃が効かなかったのかもしれない。しかし、魔法が効かなかったのはなんでだ・・・?まぁ、今はそんなことよりこいつを倒そう。


「太陽の光を『鏡』で反射させて当てればいいかなぁ。」

「何を言っているかわからないがやってみてくれ。」


 未だにスピラプースは日陰でギャーギャー喚いている。中々の不快な叫びである。光を奴に当てるには反射させて曲げなければならない。左手を『鏡』になるようにイメージする。すると、手に当たった光が反射してスピラプースに当たる。先ほどよりけたたましく叫び始める。光の筋をスピラプースが避ける。


「これが当たった瞬間にスピラプースを攻撃してくれ!」

「わかった!」


 光の筋を当てた瞬間にジェーヴォが爪で引き裂いた。引き裂かれたところから鮮血が吹き出しスピラプースが苦しみ暴れる。あぁ、闇の魔導か何か使っていたのか。魔物も使えるのだなぁ。そうとわかって光を当てたところをジェーヴォが切り裂くという作業を繰り返した。やがてスピラプースは倒れて動かなくなった。ジェーヴォは返り血でドロドロだ。


「はぁ、倒すのに時間がかかったな。」

「日没までに倒せてよかった。光がなかったら倒せなかったかもしれない。」


 光属性の魔法と太陽光は少し違う。僕が太陽光を作り出すのは相当大変なので自然のエネルギーを借りなければ倒せなかったかもしれない。まだまだ知らないことだらけだなぁ。調べてから来たのにまったくうまく立ち回れなかった。もっと攻め手を増やさなければなぁ。



 スピラプースを解体して素材をいろいろ取った後に帰路についた。素材を倉庫に置いてから自室に戻って寝転がるとすぐに寝てしまった。


魔物と魔族の違いは理性があるかないかです。

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