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魔道体系学の祖  作者: 五反田鐡ノ進
第2章 奴隷時代の憂鬱
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58.アンデットの王・リッチー

 

 城の中を歩いていると強そうな骨に出くわした。ジェネラルと似ているからそれなりの敵なのだろう。


「ワレワレノシロヲケガスモノヨ!サバキガクダ・・・。」


 最後まで言わせずに浄化する。聞いていたらキリがない。悪役はヒーローが変身している時に攻撃してしまえばいいのにと思うタイプですから。


「お前、ひどいなぁ。」

「いえいえ、それほどでも!」


 レヴェリーが困った表情になった。まぁ、悪役っぽいのは認めよう。しかし、正義を執行しに来ているわけでもないのでそのくらい許してくれよう。しばらくは敵と遭遇し、何か言っているところ攻撃し、敵と遭遇し・・・を繰り返していた。しばらく行った頃、玉座にたどり着いた。そこにはすでにコルトスターや他の仲間がいた。


「ぐぬぅ、小癪な!我が軍勢を破ってきたか!」


 あ、リッチーは片言ではないのね。こんな寄ってたかって攻撃したらかわいそうだなぁ、と思いつつも攻撃するために魔力を貯める。案外、魔力が枯渇せずに済んだなぁ。


「避けろ!」


 レヴェリーがとっさに僕を押した。攻撃が飛んできたらしい。ちらっと攻撃が飛んできた方向を見てみると、地面に腐ったねばねばがくっついている。


「うげぇぇ、当たらなくてよかった・・・。」

「当たっていたらお前もアンデットになっていたろう。」


 リッチーもアンデットの王だけあって、コルトスターを相手にしながら他の敵に攻撃する器用さを持ち合わせているようだ。今までの雑魚アンデットとは明らかに違った。ねばねばをあたりにちらしながらコルトスターに闇属性の魔導を撃っている。コルトスターは避けながら風の魔導を撃ち返している。リッチーはバリアでも張っているのか、魔導がリッチーまで届かない。ねばねばを避けながら攻防を観察する。


「バリアも無敵ではない。皆の者、魔導で攻撃せよ!」


 コルトスターが一斉に叫ぶと他の仲間たちが火やら風やら雷やらの魔導を撃ちこんでいた。僕は避けるので精いっぱいで光の魔法を撃ちこめない。


「狼風情が舐めるなよ!我はアンデットの王ぞ!」

「死人風情が何を吠えるか!」


 よくわからない言い合いをしている。お互いに言い合いながらも攻撃の手を緩めない。しかし、リッチーは5人も相手しながら良く元気だなぁ。戦況が好転しないので何か考えなければ。あれ?みんな光の魔導とか使えないのかな?確認しようにもみんな忙しいので聞けない。まぁ、放たないということは使えないのだろう。ということはあのリッチーを滅せるのは僕だけか!これは早く打開策を見つけなければ。


「仕方あるまい、我が奥の手を魅せてくれようぞ!」


 打開策を見つける前にリッチーが動いた。もぞもぞとローブの下から薄汚れた球を出した。それを天にかざすと球が割れて中から何かが出てきた。


「まずい、不完全だが魔神を召喚しおった!」


 魔神とな?まったくわからないが、名前からしてやばそうだ。魔神は女の姿をしているが肌は青く、2本の大きな角が生えており、魔族なのが一目でわかる。妖艶なその姿が動くたびに汗がじんわりと流れる。あいつはやばい。だんだんと悪寒を感じるようになり魔神のやばさが分かってきた。


「わらわを呼んだのはそなたか?」

「はい。我が信仰せし神、リリスよ。この目の前にいる我が敵をうち滅ぼしてくだされ。」

「不完全に召喚しおって・・・。あとで供物をしかと捧げよ。」

「ハッ!」


 コルトスターの顔が青ざめているのがわかった。


魔族にもそれぞれの国に神がいます。アィーアツブムの神は不安定を司る女神リリスです。

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