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魔道体系学の祖  作者: 五反田鐡ノ進
第2章 奴隷時代の憂鬱
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54.魔族の狩り

 

 そのまた数日後、魔族の狩りに参加させてもらうことになった。そういえば、ジェーヴォと数日間稽古してわかったのだが、魔族は強すぎるということだ。身体スペックが違いすぎて魔導アシストしてもギリギリ追いつかない。魔力量はまだなんとかなるが、この身体スペックが覆せない。あの手この手を使ったが、一回もジェーヴォには敵わなかった。これでついて行って足手まといにならないだろうか・・・。


「ジェーヴォ、そいつのことをよく見ておくのだぞ。」

「任せてください!」


 コルトスターも参加するらしい。ジェーヴォが僕の世話役らしい。ジェーヴォは憧れのコルトスターに話しかけられてうれしそうだ。


「さて、皆の者、儂に続け!」


 総勢十数名のウェアウルフが森の中に入って行く。狩りの時には人型にはならないらしい。そりゃそうか。森の中を狼の一団が行く。木の上を飛び移りながら移動する。行軍が早いが、魔導アシストでなんとか最後尾でギリギリついて行く。ジェーヴォは心配してくれているのかちらちらこちらを確認している。


「二手に分かれろ。」


 コルトスターの合図で左右に散開していった。ジェーヴォとともに僕は左側の一団に加わる。コルトスターも左側だ。しばらく行くと槍を持った二足歩行の猪たちに遭遇した。オークかな?なんとなくゲース・ザダンカイを思い出す。目標を見つけてさっと木陰に隠れる。これから狩りが始まるのかと思うと緊張してきた。


「オークは手足をそいでしまえば何もできない。手足を狙うのだぞ。」


 コソコソっとジェーヴォが教えてくれた。一斉に飛びかかり仕留めるようだ。やはりあいつらはオークか。オークって食えるんだなぁ。今まで生姜焼きみたいなのをテンスに作ってもらったが、使った肉はオーク肉だったのだろうなぁ。そういえばあれは少し生臭かった。


 コルトスターの合図で一斉に飛びかかる。対象は10匹ほど。こちらは僕含め6人だ。飛び込んだ瞬間にコルトスターが2体の四肢を引き裂いた。とてつもなく早くて目で追いきれなかった。他のメンバーもすぐに四肢を引き裂いていた。ジェーヴォもだ。


 僕は目の前のオークをスタンガンで気絶させようとした。しかし、皮が厚くまったく通らない。周りのメンバーは狩り終わったのか僕を見守っている。僕は短い片手剣を借りてきたのでそれを抜く。それと同時にオークが槍を僕に向かって突き立ててきた。槍を剣でいなして懐に入る。右手にチャージさせておいた風の魔力をオークの腹に向かって解き放つ。イメージは空気砲だ。オークが奥の木まで吹っ飛び、木にぶち当たる。木に当たった衝撃で動きが鈍くなった。足に小爆発を起こして一気に距離を詰める。その間に風の魔力を圧縮するイメージで右手に真空の剣を生み出す。その勢いでオークの四肢を一気に斬り落とした。真空の剣は切れ味抜群でスパッと斬れた。


「ほぅ、なかなかやるではないか。お主は魔導が使えるのか?」

「おそらく真空剣は精神力を使っているので魔法ですね。足には魔導を使っています。」

「なんと!?両方使っているのか・・・。お主は中々奇怪な存在だな。」


 ウェアウルフに奇怪とか言われるのは少し心外だ。その横でジェーヴォが目をキラキラさせていた。


「それも、それも今度教えてくれ!何なら儂の先生になってくれ!」


 そうジェーヴォが言ったらみんな笑っていた。人間に師事するのは変なことであるらしい。交換条件で魔導を教えてほしいものだ。


「代わりと言ってはなんですが、私はご主人様に魔導を教えてほしいですね。」

「ふむ、暇があればジェーヴォ共々教えてやろう。」


 あっさり許可をくれた。見下している割には気前がいいのだなぁ。狩りを終え、帰りはコルトスターの次元魔導で収穫物とともに帰る。なんだか奴隷になってからふつうは味わえないことを味わえているかも!


ウェアウルフは魔族の中でも最上位クラスに強い魔物です。

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