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魔道体系学の祖  作者: 五反田鐡ノ進
第2章 奴隷時代の憂鬱
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53.魔族の資質

 

 食事をして研究して供給しての悠々自適生活に慣れてきた頃、ジェーヴォが飯を食っている僕のところにやってきた。久しぶりにジェーヴォに会った気がする。


「やぁ、坊ちゃん。ご飯は食べますかな?」

「テンス、用意してくれ!食べるぞ!そういえば、アル!この前人族と喧嘩をしているのを見たぞ!あの雷のバチバチしたやつはどうやってやるのだ?儂はあれを見て数日間真似しようとしたができなかったぞ!」

「あぁ、あれは魔法だよ。魔族には使えないと言われているが、一応後で教えてあげようか?」

「よし!頼んだ!」


 魔族には使えないと言われてもひるまないこのまっすぐさはすごいなぁ。人族にも見習ってほしいものだ。固定観念」にとらわれてできないと言ってしまったが、実際に見たわけではないのでジェーヴォにはできるかもしれない。


 ご飯を食べ終えて中庭に出る。噴水広場と呼ばれる場所で教えることにした。まずは、どの程度魔力を使えるか試してみたい。


「ジェーヴォ、まずはどの程度魔力を使えるか見せてくれないか?」

「わかった!」


 魔力をうねうねと体から生み出していく。その速度はまだ遅いが、出てくる量は人族では考えられない量だ。魔力は濃度が濃いほど目に見える。よく見えるあたりジェーヴォは質の高い魔力を練りだせているのだろう。ちなみに僕の魔力の質もとても高い。量は人の中では多いほうで、質は魔族よりも良いかもしれない。赤ちゃんの頃から訓練していた賜物だろう。


「すごいじゃないか!魔族はみなこんなに魔力の質が濃いのか?」

「質?何のことかわからないぞ?わかりやすく教えてくれ!」


 ほほう、魔族でも質のことはわかっていないのか。先行研究がない当たり、この分野は研究価値が高そうだ。知っている限りのことをジェーヴォに話すと目をキラキラさせながら聞いてくれた。あぁ、勉強するのも案外嫌いじゃなさそうだな。スタンガンのことも教えてはみたが、イメージが湧かないのかできなかった。できるようになるまで練習してみるとのことだ。


「ジェーヴォは勉強嫌いではないのだなぁ。」

「高貴なる魔族は学も大事なのだ!中身の伴わない魔族は魔物と変わらない!」


 ほう、人族のあいつらにも聞かせてやりたい言葉だ。上から目線でものを言っているように聞こえるが、僕もちゃんと自己研鑽はし続けている。ほんとは一日中研究したいが、体術や魔術の授業がないので手探りでそういったことを学んでいる。あ、これからはジェーヴォに協力してもらえば捗りそうだ。


「なぁ、ジェーヴォ。いつも1人で戦闘訓練しているのだが、今度から相手をしてくれないか?」

「狩りの日以外ならかまわぬぞ!なんなら狩りについてくるか?」

「それはぜひとも行ってみたい!」


 食材のために狩りに行っているのは知っていたが、まさかジェーヴォまで参加しているとは。誘われたのはラッキーだ。実戦経験が積めるのはありがたい。


 ジェーヴォと次の約束をして自室に戻った。


書いていないだけでアル様も努力はしています。

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