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魔道体系学の祖  作者: 五反田鐡ノ進
第1章 幼少期の思い出
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5.子馬鹿

 

 乳母と共に母のカミーユがやってきた。


「アルが魔力を扱っているというのは本当?」

「はい。先ほど、全身に魔力を巡らした上でベルデで経過観察していたら、行き渡らせていた魔力を霧散させました。」

「信じがたいけれど、アルの健康に問題ないのならば良いわ。この年でそんなことができるのは有望なんでしょう?将来は大賢者ミトロファン様にでもなるのかしら。」

「ええ。そのくらいの資質を持ち合わせています。アリストでも魔力を行き渡らせるのは中等部の講義で取り扱うものです。健康ではありますが、取り扱いに失敗すると死に至ります。」


 危うく死んでいたらしい。そりゃ飛び出して母親に知らせるわな。しかし、悪目立ちしてしまったが、母はむしろ喜んでいるようだ。棄てられることがないのであればよかった。あれ、でもなぜこんなにも家族に棄てられるのが怖いのだろうか。前世は棄てられても研究さえできればと思っていたのに。死んで何か変わったのかもしれない。というか、第二の人生が不安だらけだったから、安心できる存在が心の中で大きくなっているのかもしれない。


「あら、それはまずいわね。どうしたらよいのかしら。」

「赤子の段階ではどうすることもできません。しかし、コクマーの学術機関スティペンディウムに見てもらえば何かわかるかもしれません。」

「さすがに国境を越えられるほど今は時間がないわ。ユグドラル様がお仕事でなかったら行けるのですけれど。今は契約式の準備で忙しいでしょう。加えて、政変後だから今は国外へ行くのは治安の面でも少し不安だわ。」


 何やら情報量が多いのとわからない単語だらけで話についていけない。赤ん坊でなければ一つ一つの単語の意味を聞いてみたいものだ。


「もしかすると、私たちの話を分かってくれてたりしないかしら。そうすれば、危険なことはしないと思うのよ。」

「しかし、さすがに分かるわけは・・・。」


 いやー、これが分かっちゃうんだなぁ。問題は分かっていると示す術がこちらにないということだ。とりあえず、「あ~」とうなってみた。


「あれ、喋ったわ。初めてアルが話したわ!」


 母はうれしそうに僕を抱きしめた。あぁ、そういえば、赤ん坊の癖に一言も発さなかったな。泣きもしないし。


「まさか本当に私たちの言葉が分かるのかしら。」

「あ~」

「これは分かっているって証ね!素晴らしいわ!うちの子は頭がいいのね!!」


 すごく興奮している。どうやら父と同様に親馬鹿なようだ。客観視しつつうれしい気持ちになる。


「アルチュール様が本当にわかったのならば良いのですが・・・。」


 乳母は心配なようである。その心配も当たり前か。死の危険があるのにのんきな母親を見ていたらそういう反応になるだろう。


「あら、ラトハルラは私の息子が信じられないの?」

「そんなわけではございませんが・・・。」


 母はふくれっ面で乳母を見る。まだ若いので、かわいらしいふくれっ面だ。あれ、僕も家族大好きな親馬鹿ならぬ子馬鹿なのだろうか。とりあえず、魔力の操作に関してはバレないように訓練しようと心に誓った。


父の名前がユグドラルです。

アリストは学校だと思ってください。

コクマーは知恵の国で学術に関しては右に出る国はいないそうです。

また、ベルデは魔力の流れを目視できる魔術具です。

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