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魔道体系学の祖  作者: 五反田鐡ノ進
第2章 奴隷時代の憂鬱
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52.愚痴

アルの中で個々の人たちの友好度が、魔族>人族になっています。

 

「何かわかったのか?」


 コルトスターに呼び出されて早々問い詰められた。そんなに切羽詰まっているのだろうか。まぁ、魔術具自体があまり効果なさそうだし。


「それを話す前に、あれは何をやっているのでしょうか?それによっては話すことが変わってきます。」

「うーむ、どうしても話さねばならないか?」

「どうしても嫌なようでしたらもう少し私を見て、信頼を置けると判断してもらえれば話して頂ければと思います。」

「そうだな、それがよいか。」


 うーむ、おそらく個人的なことであまり知られたくないことなのだろう。一歩一歩それは解きほぐしていくしかない。あの魔術具の改良の話はまた今度だ。


「では、今話しても問題なさそうなことだけ話しますね。まず、あの魔術具は魔族向けに作られています。それ故に人族の魔力量では足りないから搾り取られてしまうのです。それが人族がフラフラしている原因です。」

「なんと!そうであったのか。儂基準で考えておった。」

「ご主人様もおっしゃっていたように人族はひどく脆弱です。魔力量も魔族に比較するとまったくないに等しいのです。」

「そうであったのか・・・。では、お主はなぜ止まらないのだ?」

「私は他の人族より多く魔力を持ち合わせております。魔族ほどではないですが。」


 今回のことで自分が化け物じみた魔力量を持っていることに改めて気付いた。


「また、年が上がるにつれて魔力は上がっていきます。あのような小さな子どもたちではすぐに魔力が枯渇するのも無理はないでしょう。」

「お主が規格外なのだなぁ。儂は人族にも違いがあるとは知らなんだ。しかし、裏目に出るとは・・・。」


 何が裏目に出たのだろうか?これ以上聞くのはやめておいたほうがいいのだろうか?うーん、まだ信頼関係は気づけていないから聞かないでおこう。


「それと私以外の人族は魔族のことを憎んでいるようでしたが、その件については知っていましたか?」

「うむ、知ってはいたが興味はなかった。それがなんだというのだ?」

「私は、料理人を魔族の方から出していると聞きました。にもかかわらず、養っているのは当たり前だからとその料理人やご主人様に感謝すらしていないようです。おかしくないですか?」


 ちょっと甘ちゃんなやつらだったのでつい愚痴ってしまった。お貴族様だから仕方ないとかそういうのはなんだか嫌いだ。


「仕方なかろう。人族が魔族を憎むのは常のことだろう。むしろ、お主がそう怒っている理由がわからん。」

「生きているのですから、魔族も人族も同じです。根本的なものは一緒で知性を持っているのに分かり合えないなんて愚の骨頂です。」

「ハッハッハ!そなたは恐れ知らずだな!儂が魔族至上主義者であったら即刻殺されていたぞ!本当に魔族を恐れていないのだなぁ。」


 コルトスターは遠い目をした。誰かのことを思い出しているようだ。僕は出過ぎたことを言ってしまったらしい。しかし、なんとなくコルトスターなら言っても許してくれそうな気がしたのだ。この人は実は人族に甘いのではないかと思ったからだ。


 その後少しだけ話して僕は自室に戻った。



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