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魔道体系学の祖  作者: 五反田鐡ノ進
第2章 奴隷時代の憂鬱
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51.魔力の供給

 

 部屋でごろごろしていたら鐘が鳴った。部屋の外に出て見ると他の人も部屋から出ているのが分かった。総勢30名程度であろうか、そのすべてが子どもであった。一番年上はおそらくフリストとアデルだろう。しばらくそこで待っていると連れていくために魔族がやってきた。


「全員いるか?まぁ、いないならいないでいいか。早く行くぞ。」


 この魔族も尻尾が生えているのでウェアウルフなのだろう。背が高く、筋肉質で戦闘員っぽい。何と戦闘するのかはわからないが。前の魔族を観察したり、周りの子たちを観察していたしながら歩いていたら、大きな氷の壁がある部屋についた。氷の壁にはメタンに似た魔術具が置いてあり、その横にはコルトスターがいる。


「では、列に並んで魔力を供給せよ。」


 コルトスターがそういうと身体が勝手に動き、他の子たちと列を作った。おそらく主人命令によるものだろう。前の子たちが魔力供給しているのを見ていた。すると、少しもしないうちにふらふらし始め、供給をやめさせられる。ふらふらし始めたらコルトスターが声をかけ止めるというものだった。


 何人かが供給した後、自分の番になった。吸い取り口?と思われるところに手を当てるとゆっくり魔力が吸われて行った。しかし、この程度ではまったく魔力枯渇になったりしない。んんん?これみんな魔力少なすぎじゃないか?ある程度まで供給したところで勝手に魔力を吸い取られなくなったぞ。


「なんだ?お主も止まってしまうのか?」

「はい。他の子は止まらないのですか?」

「あぁ、そうだ。止まったのは儂以外でお主だけだ。」


 なんとコルトスターも供給していたようだ。しかし、この魔術具はなんであろうか。メタンに近いが、似て非なるもののようだ。後ろ側には氷壁を解かす仕組みがあるようで炎が排出されている。しかし、対した炎ではないので氷壁はまったく溶けているようには見えない。うーん、これ意味あるのかな?とりあえず、この魔術具をぜひとも解体してみたいなぁ。


「ご主人様、後でこの件についてお話をさせていただいてもよろしいでしょうか?」

「何かわかったのか?ならここで言えばよかろう。」

「他の者の魔力供給を見て確証を得たいのです。よろしいですか?」

「よかろう。」


 僕はここに留まって他の人の供給を見ていた。年が上であればあるほど供給の時間は長くなるが、個人差はあるようだ。そういえば、前に読んだ本に「上級貴族になるためには一定量の魔力量がなければなることができない。」と書いてあった気がするなぁ。個体差は貴族の階級によるのかもしれない。もしくは遺伝子的な何かだろうか?成長につれて魔力量が増えるから、年が上である方が供給が長くなるのはわかる。観察していたらフリストに睨まれた。あー、これは後で何か言われるな。


 とりあえず、何人かを見ていたら確証を得ることはできた。全員の供給が終わり僕はコルトスターに呼ばれた。


人間関係に振り回されることがアルにとって最も煩わしいことです。

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