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魔道体系学の祖  作者: 五反田鐡ノ進
第2章 奴隷時代の憂鬱
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47.コルトスター

 

「儂はコルトスターだ。これからお主の主人となる。」


 次元魔導なるものでコルトスターの城にやってきた。ケムダーという魔族の国にあるらしいが、一瞬で移動したので正確にはわからない。今はコルトスターの書斎に連れてこられて説明を受けているところだ。


「儂は基本的に魔力を供給する以外にお主に何も望まぬ。だから、余計な真似はしてくれるなよ。」


 なぜか釘を刺された。奴隷印があれば絶対服従のはずなのに。とりあえず、このコルトスターがいい奴そうなのはわかった。


「それから、先ほど約束したことだが、すべて守る故に安心せよ。下等生物を飼う程度にしか儂は考えておらんからな。」


 なるほど、下等生物か。だから、待遇がいいのかな?まぁ、家畜同然の扱いだけどね。


「細かい世話は焼かぬ。他の人族に詳しくは聞け。細かいルールはない。守るべき約束事は1つだ。魔力を供給せよ。それだけだ。何か質問はあるか?」

「たくさんあるのですが、全て質問しても良いですか?」

「3つに絞れ。儂しか聞けないことにしろ。」

「わかりました。まず1つ目、その尻尾はなんですか?」


 どうしても聞きたかったのだ。尻尾が揺れているのを見ると元々あるものだとわかるし、魔族だから尻尾があるのだろうけど聞きたかったのだ。


「ハッハッハッ、儂にそんなことを聞いてきたのはお主が初めてだ。お主は魔族を恐れないのだなぁ。」

「はい。見た目は人族と見分けがつきませんから。」


 そう言った途端、立ち上がって狼に変身した。びっくりである。


「儂はウェアウルフという種族でな。人族に見た目を似せているのはお主らへの配慮だ。」


 ほほう、これは良い主人に巡り会えた。ぜひともモフモフしてみたい。そんなことしたらさすがに殺されるかもしれないが。もふもふ・・・。


「なるほど、わかりました。次に、魔力を供給するとのことでしたが、何にどのように供給すればよいのでしょうか?」

「それは後程供給場所に連れていく故、いずれ分かる。」

「なぜ供給するのでしょうか?」

「それは3つ目の質問か?」

「いえいえ、これは延長上の話ですので含まれません。」


 質問したいことがたくさんあるので、減らされたら困る。ちょっと強引に聞いてみた。


「それは・・・答えない。それ以上聞くな。」


 何か思い出したくないことでもあるのだろうか。狼顔が苦しそうになった。


「わかりました。では、最後の質問です。目的を達成したら私は解放されるのでしょうか?」

「そうだな。解放するであろう。」

「わかりました。ありがとうございます。」


 思った以上に好待遇である。人生まだまだ捨てたもんじゃないな、と希望が湧いてきた。これならば今後みんなに会いに戻れるかもしれない!


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