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魔道体系学の祖  作者: 五反田鐡ノ進
第1章 幼少期の思い出
48/83

44.2. お父様の最後

少し時は遡ります。

 

 私はユグドラル・ゴアティエ。今は家族会議をしていたら思わぬ敵襲を受けたところだ。


「くっ、奇襲か!早すぎる!みんな反対の窓から逃げろ!」


 10人ぐらいがこの部屋におり、こちらの戦力は私とカミーユとディリオス、カレルだけである。分が悪すぎる。カミーユと共にアルとユースには逃げてもらった。


「マジェステ殺しの重罪人どもをひっとらえろ!」

「コルルベイン!!!」


 やはりコルルベインは動いてきた。この用意の良さは敵ながら尊敬する。ラーム侯爵を殺し、ついには我々をも殺そうとマジェステ殺しの罪をかぶせてきた。すでにマジェステは亡き者にされているだろう。不謹慎にもそうであれば少々強引だが、アルを国外に逃がすことができると思った。


「何人か逃げた!外の者に連絡しひっ捕らえよ。抵抗するなら殺せ!」

「させるか!」


 剣を振りぬいて連絡係に斬りかかろうとするとコルルベインに邪魔された。


「私が相手をしよう。武闘大会では私が上だったが、今回はどうかな?」


 斬り結びながら言葉を投げかけてくる。さすがコルルベイン、剣撃が重く鋭い。激しい斬り合いに他の者は入ってこれないようである。激しい戦いに家具が散乱し、家が荒らされていく。


「ふはは、貴様と斬り結ぶのは楽しい!私の実力について来れるのはあと貴様だけだからなぁ!」

「追い詰められたムガルは恐ろしいぞ!今は私はムガルだ!」


 魔力を込めて剣の魔術具を作動させる。この剣はムガルの雷を纏うことができる魔剣だ。この国で唯一私が持っている。剣が雷を帯びていく。


「さすがだ!魔力を吸い取られながら斬り結ぶのは少々厳しいなぁ!」


 そう言いながらコルルベインは私から離れながら魔術具を作動させた。まずい!!


「みな逃げろ!」


 他のところで斬り結んでいる仲間に声をかけた。爆発が起き、天井に大穴が開いている。


「くっ、うちの家を壊すということは弁償してくれるのかな?」

「ふはは、貴様はここで死ぬのだ!そんなことは関係ない!」


 横をちらりと見るとカレルが巻き込まれて瀕死の様子だ。


「貴様の従者は死んでしまったなぁ!次はお前だ!」


 爆発の魔術具を再度使おうとするので斬りかかる。剣で受けられているが、魔力を吸っているので問題ない。爆発も止められた。


「ぐっ、魔力を吸い取りおって。」

「貴様だけは倒しておく!」


 とは口で言いながら、他の敵に向けて火球を放つ。何人かに命中して焦げている。


「さすがだ!何の躊躇もなく同僚を手にかけるとは!」

「どの口が言っているのだ!」


 斬り結びながら口でも言い合う。隙があれば火球を放ち他の敵を倒しておく。そうこうしているうちに敵はコルルベインだけになった。


「ディリオス、ユースとアルを頼む!」

「わかりました!」


 ディリオスがアルとユースを追いかけた。斬り合いが激化する。こちらは魔力をどんどん蓄える。必殺の一撃を放つにはまだである。


「あの一撃を放たれる前に貴様を倒さねばなぁ!」


 そう言ってコルルベインはまた離れて爆発をよこす。うまく逃げながら火球を放つ。さすがにコルルベインには回避されてしまう。


「ユグドラル対策の魔術具を見せてやろう!」

「こちらは魔力が溜まったぞ!破ってみろ!」


 相手から奪った魔力を斬撃に込めて打ち出す。雷を帯びており、その斬撃は莫大なエネルギーを持っている。コルルベインは新たな魔術具を取り出して発動させた。斬撃に何かがぶつかり大きな爆発を起こす。距離的にコルルベインだけが巻き込まれた。


「よし、コルルベインを倒したぞ!次だ!」


 次に向かおうとした瞬間、後ろから何者かに刺された。


「お祖父さまの(かたき)!」


 血がしたたり落ち、私は意識を失った。






次の章に向けて0.2話を投稿!

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