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魔道体系学の祖  作者: 五反田鐡ノ進
第1章 幼少期の思い出
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43.ゲース・ザダンカイ

 

「おやおやこれは。重罪人の子どもたちではないですか。とらえなければなりませんなぁ。」

「ゲース・ザダンカイ!!」

「呼び捨てとはいただけませんねぇ・・・。時間の無駄ですから抵抗せずに捕らえられなさい。」

「アル、私がひきつけるから先に行くんだ。」

「ハッハッハッハ!逃げられるわけがないだろう!」

「それはどうかな!」


 油断しているので魔法をぶっこむ。ベラムー討伐の時の尖った岩の魔法だ。何人か串刺しになっているがそんなことは今どうでもいい。


「お兄様はあっちに逃げてください!」

「ダメだ!!」


 最後まで言い切らせずにヴァリに乗って去る。生存確率を上げるなら分かれたほうがいい。しかもザダンカイは絶対に僕を追いかけてくる。ちらりと別方向にヴァリを飛ばすユースが見えた。


「小癪な!ガキどもが調子に乗るなよ!!あいつを先に殺せっ!!」


 いかにも小者なセリフを言いながら生き残った全員で追いかけてくる。ユースは逃げきれるだろうか?とりあえず、自分のことを頑張ろう。ヴァリで逃げていたら国境の壁にたどり着いた。国境壁の上空は魔法の壁により通れなくなっている。抜け道はいくらでもあるのだが、この付近にはない。


「観念したか!もう逃げられないぞ!」

「ザダンカイ!お前らこそもう終わりだ!」


 逃げられないので戦うことにした。大地から魔力をチャージする。気持ち悪くなるがこれで魔力の枯渇はないだろう。まずは、先ほどの鋭い岩を突き立てる。さすがに全員二度目は効かなかったが、避けるので必死で2撃目に気付いていなかった。ザダンカイ集団の後ろに大きな雷雲を作っておき、そこから雷をどんどん打ち出していく。


「シャダイエルカイの(いかずち)だ!私の怒りだ!思い知れ!!」


 そう叫んだ。心の叫びだった。騎士たちが黒焦げになっていく。不思議と精神的疲れを感じなかった。怒り心頭だからだろうか?ザダンカイは腕が焦げているがなんとか生きていた。ザダンカイ以外はすでに真っ黒焦げである。なんとも生命力の高いやつだ。


「ぐぅ、お前ごとき、お前ごときがぁぁぁ!!」


 槍を投げてきた。魔導アシストで足を小爆発させてなんとか避ける。死に際が一番怖いのは相手も同じなようだ。ザダンカイは周りの騎士から剣を取ってこちらに向かってくる。グラントフィシエだけあってさすがにしぶとい。無い右手をザダンカイに向け、最大限集中してザダンカイに的を絞る。この魔法なら確実に()れるはず。


「終わりだぁぁぁ!」


 右手から極太のレーザー光線のようなものを放つ。光の速さでザダンカイに飛んでいき、周りの森ごとその姿を跡形もなく消し去った。さすがに疲れてへたり込む。ユースは逃げられただろうか。いやいや、ユースの心配もそうだが、自分が逃げなければお父様やお母様に合わせる顔がない。


 ヴォリを出して国境門の抜け道に向かう。しばらくは何もなかったが、途中で何かが飛んできて撃ち落とされた。ヴォリに当たってしまい近くの森に急降下する。すぐに撃ち落とした犯人が近づいてくる。犯人は騎士の鎧をしていた。


「やっと見つけた。ミトロファン様の生まれ変わり!」


 騎士の格好をしてはいたが、まぎれもなく別の敵であった。ゴンッと何かで殴られて意識を失ってしまった。


まだまだ悪夢は続きます。

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