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魔道体系学の祖  作者: 五反田鐡ノ進
第1章 幼少期の思い出
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40.魔木ベムラー

 

 ベムラーを討伐するために皆が並ぶ。ベムラー付近の魔力を吸い取らなければならないのでこれからベムラーの元まで行かなければならない。さすがに先ほどの雰囲気は消え去り、緊張感が漂う。


「ダッシュして木の下に行くからみんなは枝をよろしく。」


 静かに皆がうなづく。よーいどんでみんな一斉に走り木の根元まで行く。何をするかわかってはいないだろうが、ベムラーは危険を察知したようである。予想以上に枝の攻撃が激しい。僕は木の下までたどり着き魔力を吸い始める。するとベムラーの幹までもが激しく揺れ始めた。僕は大地の魔力を吸い続ける。


 大地の魔力を吸うのは意外につらかった。不快感があるのだ。人間同士でも不快なのだから考えて見れば大地から魔力を抜くのは大変不快なことなのだ。不快だがそれに負けないよう吸い続ける。


「きゃあ!」

「大丈夫か!?」

「私がフォローする!」


 フランシスカが枝の攻撃を受けてしまったらしく吹き飛ばされる。さすがに猛攻を受けきれなかったようである。すぐにオルフェがフォローにまわる。しかし、フォローにまわると僕を守るのはセレスだけである。セレスを見てみると、オルフェの抜けた分まで引き受けており、とても苦しそうだ。


「セレス、大丈夫か?」

「い、今、話し、かけ、るな!!」

「す、すまん。」


 息切れながら怒っている。申し訳ないことをしてしまった。自分は自分の役目を全うしよう。大地の魔力を抜くと地面が黒く染まっていく。今やっと半分いったくらいであろうか。人の心配をしている暇はなかった。だいぶ辛い。ちょっとするとフランシスカと一緒にオルフェが戻ってきた。


「お、遅い!」

「セレスなら大丈夫かと思ってね!」


 話す言葉に余裕を忘れないのはさすがだが、オルフェもだいぶ疲れている。もう実は30分は魔力を吸っている。こんなに持久戦になるとは思わなかった。


「ま、まだなの?そろそろ限界よ!」

「セレスが弱気なんて珍しいね。」

「ち、違うわ!!フランシスカよ!」


 フランシスカは攻撃を受けてかほかの二人よりボロボロである。ハルバートを握って気力だけで枝をきっている。すると、突然枝の先からこぶし大の種がたくさん飛んできた。今までになかった攻撃である。しかも魔力を使っているようだ。


「くっ!」

「きゃあ!」


 オルフェとフランシスカが吹き飛ばされてこちらまで来た。セレスは種を受けながらも枝を斬っている。オルフェとフランシスカが飛ばされてきた方からこちらに枝が伸びてくる。


「まずい!どうするか・・・。あ、この魔力を使ってみよう!」

「待て!そんな不確実な・・・。」


 最後まで言わせずに魔法を発動させてしまった。地面から岩が隆起し、枝を防ぐ壁になる。加えて尖った岩がいくつも勢いよく隆起して枝を粉砕していく。魔力を使いながら魔力を吸う。最初からこうしていればよかったかな?


「なんとかうまくいったな。」

「ちょ、ちょっと危ないじゃない!私まで狙う気だったんじゃないでしょうね?」

「そ、そんなわけないよ。」


 そんなことを言われているうちに魔力を吸い終わった。魔木はしばらく攻撃していたが、すぐに枝が再生しなくなっていた。それを見た僕は安心してかその場に倒れこんでしまった。


セレスは気合いがすごいので決して倒れません。

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