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魔道体系学の祖  作者: 五反田鐡ノ進
第1章 幼少期の思い出
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39.愛の証

 

 大地には魔力がある。この魔力により植物は成長することができるらしい。前世の常識とは異なるが、まぁ、世界が違うので仕方ない。魔力を吸う方法は殊の外簡単だ。単純に大地に手を当てて吸うイメージをするだけだ。事前に家の庭で実験しておいたのだ。花を枯らしたので庭師とお母様に怒られたが。


 魔力を吸い取る際にこちらのキャパを超えたら困る。なので吸う前に魔力をたくさん使っておく。具体的には罠張りに魔力を使うのだが、成長期なもんで罠を張り終えても魔力があり余っていた。あれ?大地から魔力を吸うことができるってことは人に魔力を付与することはできないのだろうか?ゲームでいうバフというやつだ。吸うことができるなら付与もできるはず。


「みんなちょっとこっちに集まってくれ。」

「どうしたんだ?罠は張り終わったのかい?」

「そうなんだ。だが、魔力が余ってしまって・・・。だからみんなに魔力を分けようと思うんだ。」


 そう言った瞬間、オルフェはぽかんとし、フランシスカは真っ赤になり、セレスはめちゃくちゃ怒っていた。


「あ、あ、あんたはなんてこというのよ!」

「どうした?セレスがフランシスカみたいになっているぞ?」

「あんたがそんなこと言うからよ!あんたがそんなに破廉恥な奴だなんて思わなかったわ!」


 破廉恥?まったくわからない。魔力を相手に付与するのは破廉恥なのか?


「アル、魔力を相手に渡すのは恋人同士のすることだ。私は同性で恋人でもないからつらい。」


 なるほど、愛の証なのかな?そう言われればみんなの反応も仕方ないのか。


「それにほかの人の魔力を受け入れるのはなかなか不快なものなんだ。」

「そうだったのか。知らんかった。みんなすまない。」


 セレスはジトーっとこちらをにらんでくる。フランシスカは悶絶している。


「なら魔法でみんなを強化するのはどうだ?」

「強化ならいいわ!」


 セレスは強さに貪欲である。オルフェもうなづいている。フランシスカはどこか残念そうだ。許可がもらえたのでみんなに強化を施す。正式には魔導と魔法をミックスしたものだが。魔導で身体強化、それを魔法で付与するのだ。イメージとしてはプロテインの粉末をみんなの上に塗す(まぶす)感じである。なぜプロテインなのかというとポッと浮かんだ増強剤がプロテインだったのだ。まぁ、増強剤ではないのだろうけど。


「これはすごい。力が湧いてくるようだ。にもかかわらず不快感はない。」

「すごいわね。どうやってやったのか私にも後で教えなさい!」

「学術で満点取れたらね。」


 ぐぬぬとセレスが唸っている。おかげさまでだいぶ魔力が減った。これならいけそうだ


「さぁ、さくっとベムラーを刈ってしまおう。」


不快である魔力の譲渡は相手を信頼して愛していないとできないと言われています。アルもそれを両親に聞いたことがあるはずなのですが、興味がないからか忘れてしまったようです。

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