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魔道体系学の祖  作者: 五反田鐡ノ進
第1章 幼少期の思い出
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37.グリンターポリンター

 

 皆がヴォリに乗れるようになったのでグリンターポリンターを狩りに行くことにした。グリンターポリンターは名前が長いのでみんな「グリポリ」と呼んでいる。グリポリは草原に集団で生息している。まずは草原までヴォリで飛んでいく。


「いたぞ。案外でかいのだなぁ・・・。」


 ついぼやいてしまったが、大きさは大型犬くらいある。見た目ウサギだが、その爪は鋭く尖っており色とりどりである。なかなかに怖いぞ。こちらに気付いた途端、集団で襲い掛かってきた。めちゃくちゃ跳んでいる。ジャンプしながら移動してくるのだが、グリポリの大きさの3倍は跳躍している。


「わわわわわわ!!!」

「フランシスカ、落ち着け!オルフェはフランシスカと右のやつらを、ユースとセレスは真ん中のやつらを!私が左のやつらをやる!」

「「「了解!」」」


 僕がみんなに指示を出す。なぜ、強い人ではなく僕が単体なのかというと、魔法やら魔道やら魔術具を試すためである。巻き沿いを食らってほしくないので、出発前みんなに説明しておいたのだ。


 左側にいたグリポリは全部で5体である。めちゃくちゃに跳ねている。まだ距離はあるので落ち着いて対処しよう。まずは罠を張る。魔術具を使った罠である。魔力伝導率の良い糸を網状にしたものを広範囲に広げて雷の魔力を目一杯こめる。これで簡易しびれ罠の完成だ。


 次に右手に武器を取り付ける。いつも右手をお留守にしていたので専用の武器を作っておいた。中程度の長さの刃を取り付ける。これで近接戦闘を右手で行える。


 左手の武器はハンドガンである。イメージは魔法を打ち出す魔法銃である。魔力伝導率の良い鉱物で作ってもらった逸品である。さすがに自分で作れはしないので武器屋に特注で作ってもらった。金持ちな上級貴族の息子だからこそ成せた技である。


 グリポリが近づいてきた。2匹が罠にかかりぴーぴー鳴いている。皮は魔力をはじくが足先は魔力で覆われていないため、びりびりしびれている。他の3体は先行していた2体がびりびりしたのを見て網を避けていた。


「罠は成功だ。次は銃の番だ!」


 銃を構えて火の火球を打ち出す。素早く射出された火炎弾は次第に大きくなりグリポリに命中する。グリポリが燃えてしまった。火球は魔力によって作り出されているが、燃えるという現象は火そのものの性質なのでグリポリの皮でも弾くことはできない。


「皮が!火の魔法はダメか!」


 弾のイメージを変える。水をイメージする。高圧な水は壁に穴をあけることができるくらいの威力を持つ。おそらく高圧にすれば体に穴が開くだろう。噴射してみると、予想通り小さな穴を開けることができた。当たり所が悪かったのか一撃でグリポリが沈む。ただし問題があった。高圧水流はずっと噴出しているため、燃費が悪い。魔力も精神力もなかなか使ってしまった。


「あと一匹は右手で!」


 近づいてきたグリポリは右手で切り捨てる。切り捨てる際に魔導を使って剣を強化しておいた。切れ味を鋭くする魔導技だ。グリポリの頭がばっさりと落とされる。5体全部倒し終えた。


「ふぅ、終わった。とりあえずは成功かな。」


 自分が戦い終えたので周りを見渡すとまだみんな戦っていた。セレスは斧が当たらず、ユースは致命傷を与えられぬうちに違うやつを相手しなければならなくててんてこ舞いだ。オルフェはすでに2匹倒していたが、フランシスカをかばいながらなのであと2匹残っている。フランシスカは、意外や意外、ハルバートを使っていた。身の丈に合わぬものを頑張って振り回している。


 疲れたので加勢には行かない。皆がちゃんと倒せるまで待つことにした。しばらくすると、オルフェとフランシスカのペアが終わった。


「手伝わないのかい?」

「いい実戦練習を取ってしまったらセレスなんか怒りそうだろう?」


 フランシスカは笑っていいのか困っていたが、オルフェは笑っていた。そのうちにユースが最後の1匹を斬り倒した。二人がこちらに寄ってくる。


「くぅぅぅ、アル!なんであんたが私より倒しているのよ!」

「私も4体倒したぞ。」

「オルフェにすら負けるなんて!もう少し狩りましょう!あとは全部私が狩るわ!」

「セレス、そんなにいらないよ。それに君のフォローで私はへとへとだ。」


 負けん気のセレスはまだまだ余裕なようだ。ユースがうまくフォローしていたのだろう。ユースはへとへとクッタクタな顔をしていた。フランシスカは1体も倒せなかったようである。


 グリポリの死体から素材を回収し、それ以外は土に埋めて埋葬する。十分な材料が集まったので今日は帰ることにした。



改めて言いますが、5歳と10歳しかいないグループです。

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