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魔道体系学の祖  作者: 五反田鐡ノ進
第1章 幼少期の思い出
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28.お父様の強さ

 

 午前中にヴォリに乗れるようにはならなかったのでお父様に抱き上げられながら秘密の稽古場に向かった。初めて知ったのだが、僕らはイェソドの首都であるターケルに住んでいるらしい。まぁ、マジェステがいるのだから首都なのはうすうす気づいてはいた。ターケルの北門から飛んで15分弱、開けた大地にたどり着いた。


「ここが稽古場ですか?ここでは他の人にバレてしまいませんか?」

「いや、さすがにここではない。この先の森の中に洞窟があるのだ。ゴアティエ一族しか入れない秘密の洞窟なのだ。」


 秘密の洞窟という響きに胸が高鳴る。どのくらい広いのだろうか?いろいろ期待に胸をふくらましながら着いて行くと岩壁にたどり着いた。


「ここに魔力を通すと道が開けて秘密の稽古場に繋がる。」


 そう言ってお父様は近くの岩に手を触れた。しかし、何も起こらない。お父様は何も説明せず、岩壁に向かって歩く。そして、岩壁の中に入っていってしまった。どうやら魔力を通したものだけに道が見えるようだ。とにかく、先ほどの岩に自分も魔力を通してみる。すると、すぅーっと岩壁に穴が開いた。中にはお父様が待っている。


「さぁ、中で稽古をしよう。」


 それだけ言ってお父様は奥に歩いて行った。道がいつ消えるかわからないので急いでお父様の後を追う。しばらく歩くと大きな広場に出た。天井は高く、広さも申し分ない。思った以上に広かった。


「さぁ、まずは実力を見せてくれ。ユースを倒したのだろう?ユースの何倍も私は強いから本気でかかってきなさい。」

「では、行きます。」


 体に魔力を巡らせる。お父様が剣を抜いた。基本的なところはユースと似ている。しかし、攻め入る隙が微塵もない。対峙しただけで勝てないと思ってしまうほどすごい空気を纏っている。行きます、とか言っておきながらまったく何もできない。


「来ないなら私から行くぞ。」


 さっと走って切り込んでくる。小爆発移動でもギリギリ避けられる程度だった。お父様、速すぎる。剣筋が見えない。大きく避けないと次の攻撃に当たってしまいゲームオーバーだ。お父様より逃げる力はあったので距離を離しておく。しかし、それが失敗だった。離れた瞬間に火の玉が飛んできた。


「えっ?魔法?使えないんじゃ・・・。」


 驚く暇も与えてくれない。火の玉と共にお父様がダッシュで近づいてくる。火の玉は弧を描き攻めてくるので軌道が分かれば避けられた。しかし、そちらに気がいってしまい、お父様が目の前にいた。


 やばい・・・死んだ。


 まだ何もされたいないのに膝をついてしまった。逃げるだけで何もできず、挙句の果てに威圧されて膝をつくのでは笑いものだ。正直、お父様が強すぎる。


「ふむ、実戦慣れが必要だな。圧倒的強者を前にどう戦うかを学ばねばならない。まだまだ体が硬直しているからな。」

「正直、もっと何かできると思っていました。」

「まぁ、仕方あるまい。この国で3番目に強いのだからな。」


 そんなに強いのか。目を丸くしてしまった。


「1番強いのがラーム侯爵だ。その次に、コルルベイン公爵、そして私が3番だ。ちなみにザダンカイは4番目だ。」

「コルルベイン公爵はどちらの陣営の方ですか?」

「敵方だ。残念ながらな。ラーム公爵は現在のグラントロワだ。アルの仲間に孫娘さんがいるだろう?」

「あぁ、いますね。1位が味方とは嬉しいですね。」

「そうとも限らないのだ。ラーム公爵ほどの剛毅な方でも病には敵わないようなのだ。」


 どうやら思った以上に戦力不足らしい。お父様以上に強い人や、お父様並みに強いザダンカイに今襲われたらひとたまりもないだろう。これは限界を超えて頑張らなければ・・・。


ザダンカイは案外強いです。ポンポコ狸みたいな体型ですがイェソド一番の槍の名手です。

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