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魔道体系学の祖  作者: 五反田鐡ノ進
第1章 幼少期の思い出
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26.特訓初日

 

 休みの日になった。初日からお父様はお休みだったので庭でユースと鍛錬をする。これからは純粋に剣術だけを練習してもしょうがない。どちらかというと泥臭くも怪我なく勝つことが望ましい。まずは、まったく敵わないユースに剣術以外の術で勝とうと思う。ユースにも許可はもらった。午後から鍛錬なので、午前中にあれこれと策を練っておいた。


「今日はどのように私に勝とうというのだ?」

「教えてしまったら意味ありませんよ。」

「ふむ、では始めようか。」


 ユースが長剣を構える。対して僕は何も構えない。今回の秘策はちょっとした魔法を使う。魔法の本を読んでしばらくの間練っていたことだ。本で読んだ感じだと、魔法は精神エネルギーと魔力を使うらしい。また、魔力を多大に使うから普通の人に魔法は使えないとのこと。僕が初めて魔法を使ったのはあの事件の時だ。その時は使った途端に気を失った。おそらく魔力を多大に使い、精神的に使いすぎたからだろう。かなり大きな雷だったらしい。なので、消費魔力、精神力を削減して魔法を使えば、相手も殺さず、自分も倒れずちょうど良い。


 ダッとユースが走りこんでくる。まず、振り下ろしてくるので避ける。横薙ぎされても避ける。ひたすら避ける。ユースは少しイラつきながらこちらに切りかかってくる。前はすぐに取り押さえられていたのに今日はまったく捕まらない。今回は足に魔力を流し、避ける際に小爆発を起こすようなイメージでその魔力を足に使う。そのため、俊敏性が上がり確実に避けられる。小爆発移動にも慣れてきたので攻勢に転じることにした。


 左手の小指と人差し指を立てておく。ユースが剣を振り下ろし、それを避けた瞬間にユースの方に詰め寄る。


「なっ!早い!」


 小爆発の威力を少し上げると少しスピードが上がる。一瞬でユースの懐に入り、左手に雷を流す。簡易スタンガンだ。その手をユースの手にバチバチと当てる。手から剣が落ちる。


「痛っ!」


 何が起こったのかわからぬからかまだユースは次の行動に移れていない。その隙に腿や背にもスタンガンを当てて倒す。倒れたユースは筋肉が硬直して立てない。スタンガンは元々気絶されることができない。出力を間違えると死んでしまうし、弱いと数秒~数分硬直する程度なのだ。ただ、ユースは硬直しているからか放心状態だ。



 ☆



「いやぁ、負けてしまった・・・。やはり魔法を使われたら勝てないのだなぁ。」

「純粋には敵わないからズルをしたような気分です。」

「まぁ、アル自身が危険の際に対処ができることになってよかった。」


 負けて悔しそうなのに、それを隠して自分が成長したことを喜んでくれる。ユースはこういう時の対応が素敵だ。僕も見習いたいと思う。


「しかし、なぜこんなに速かったのだ?」

「足に魔力を貯めて、それを小爆発に使ったのです。」

「あぁ、それも魔法か。」

「え?魔力を使っているだけですよ?」

「普通は魔力を使っただけでなにか効果が出ることはないのだよ。」

「そうなのですか。精神的負荷は何もなかったのですが・・・。」

「まぁ、私にはそこら辺のことはまったくわからん。私にはない才能を磨いて自衛力を上げてくれ。」


 そう言いながらユースは僕の頭をくしゃくしゃに撫でた。



ユースはこの後めちゃくちゃ鍛錬しました。

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