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魔道体系学の祖  作者: 五反田鐡ノ進
第1章 幼少期の思い出
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19.そう、何度でもやらかす

 

 席に着くと授業が始まった。エシェルトリアが何をするかを説明する。さっきしていた僕にした説明をわかりやすくして、端折ったバージョンだけど。


「では、順番にやりましょう。あ、ただカーデン先生によるとアルチュールくんは何を引き起こすかわからないから最後ね。」


 危険人物としてマークされているらしい。まぁ、測定するだけだからね、大丈夫でしょ。それに、いつもはフォローしてくれるファーレが今日はいない。だから、やらかすわけにはいかない。とりあえず、他の人の測定を観察する。


「さぁ、ここに手を乗せて。」


 言われた通りに生徒が手を置くとメーターに水が溜まっていく。魔力を吸われた生徒はすぐに気持ち悪くなり、次の生徒へと交代する。交代する間にエシェルトリアが溜まった水をバケツのようなところに移していた。これを何度も繰り返していたら、いつの間にか自分の番がやってきた。


「さて、アルチュールくん。ここに手を置いてくれるかしら?」


 言われた通りに手を置く。置いた瞬間に魔力が吸い出されていくのがわかった。あー、これは血を抜かれていく感覚に似ているなぁ。そういえば、魔力は水のようなものと言われてたけど、僕は水のイメージ以外に風のイメージとかで使うことできたよなぁ。あれ、この感じなら火のイメージとか雷のイメージ、光合成のイメージとか核融合のイメージとなんか色々イメージすれば魔力生成も捗るんじゃなかろうか。核融合のイメージとか莫大な量の魔力を生み出せそう。


「気持ち悪くなったら言ってちょうだいね?まだかしら?」

「まだまだ大丈夫ですね。」


 すごい勢いで抜かれているのはわかる。が、吸われれば吸われるほど中から魔力が出てくるような感覚である。メーターを見ていると他の人よりも溜まるスピードが速いような気がする。そういえば、魔力の量だけでなく、質も測れる器具がほしいなぁ。家で電気をつける際に、電気をつけるのに時間をかかる人と素早くつけられる人がいるのに気付いた。そこから、電気がつく時間に差があるのは魔力量ではなくて質が違うんじゃないかという仮説を立ててみたのだ。あれ、もしかしてこの世界の魔力や魔術の研究ってあんまり進んでないのかなぁ。


「ま、まだ気持ち悪くならないかしら」

「そうですね、まだです。」


 血を吸われる感覚から纏っていた風を剥ぎ取られる感覚に変わる。安全のため、いつも風の魔力を纏っているのだ。メーターが一気に上昇する。これやりすぎかな?とか思った途端、魔術具のメタンがぷすぷす言い始めた。


「あっ!あぁぁぁ!」


 ボスンとだけ音がしてメタンから白い煙があらわれる。同時に魔力が引き出される感覚はなくなった。やらかした・・・。これは壊してしまったかな。やりすぎと気づいた時にはもう遅かった。あれ、魔力が水のイメージなら風のイメージの魔力は吸い取られないんじゃないのか?そんなことを考えていたら、驚きのあまりエシェルトリアが卒倒した。


タイトル通りにやらかしました。案外、アルはのんきです。

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