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魔道体系学の祖  作者: 五反田鐡ノ進
第1章 幼少期の思い出
19/83

18.ミトロファンの魔術具

 

 学校生活2日目、黄の日。今日は魔力測定の日である。魔力測定は魔術具でただ魔力量を測定するだけである。計測器は、かの有名な大賢者ミトロファンが作った魔術具だそうだ。困ったことに今日はファーレが体調不良でアリストを欠席する。「主につき従えない私めをお許しください。」とか言ってた。たいした主ではないからそんなに気負わなくてもいいのに。5歳児とは思えない。


 あ、今ふと気づいた。前世では1年が12か月だが、こちらは1年が16か月だ。それにこちらでは1ヶ月が24日だし、1日が24時間じゃない。いろいろなスパン違うから、そりゃ比較できないわ。


 そんなことを考えながら校門を通るとまたやつがいた。


「昨日はよくも俺の面を汚してくれたな!」


 はい、無視でーす。速足で逃げ去る。なんか2日連続で校門で待ち伏せって僕のこと好きかよ。ホモはお呼びでない。後ろの方で「また逃げるのか卑怯者!」とかなんとか言っている。小物だなぁ。そんなことを思いながらそそくさと教室に入る。エシェルトリアがくだんの魔術具を用意していた。



「先生、おはようございます。」

「あら、アルチュールくん、おはよう。早いわね。」

「ちょっと早く起きすぎてしまって・・・。先生は何をされているのですか?」

「これはね、大賢者ミトロファンの魔術具でメタンというのよ。今日のじっけ、あ、測定で使うものよ。」


 炭化水素みたいな名前の器具だなぁ。ミトロファンのネーミングセンスって・・・。んんん?今、実験って言いかけなかったか?何の実験だよ。


「これで何が測れるのですか?」

「魔力量よ。ちなみに潜在魔力量まで測れるのよ。」

「なるほど。魔力量と潜在魔力量の違いはどのようにわかるのですか?」

「興味津々ね!すてきだわ!よし、答えられるだけ答えてあげる。」


 先生はまた好奇の目で僕を見る。このままだと助手にされるもではなかろうか。


「まず、ここにメーターがある。魔力を通すとこのメーターに魔力が可視化される仕組みになっているの。魔力は水のようなもの水として可視化され、出てきた分だけ水が上がる。その上がった分が出てきた魔力よ。ただ、魔力はすべて出してしまうと倒れてしまうから気持ち悪くなる前に止める。そうすると、全魔力量がわからないから、あとはこの計算式を使って全魔力量を計算するのよ。次にミトロファンによる『身体的成長と魔力量の成長の相関関係について』に書いてある計算式を元に成人後、どの程度まで魔力量が伸びるか計算するのよ。これが潜在魔力量よ。どうわかったかしら?」


 仕組みは説明されてないのでわからないが、説明の内容自体はわかった。ふーむ、この魔術具を解体してみたい。


「大変よくわかりました、先生。ちなみにこの魔術具を解体することは可能ですか?」

「えっ、ちょ、何を言っているの?これは各国に一つしかない重要宝具よ!解体したら首が飛ぶわ!」


 ぐぬぬ、無理か。せっかくだから解体して改良したかった。


「では、魔力の質については計測できる器具はほかにありますか?」

「ん?どういうことかしら?」

「あっ、ないならいいです。」

「ちょっと待ちなさい!その話はもしかすると今後の魔術具を発展させる考えかもしれないわ!詳しく・・・。」


 生徒が大量にやってきて席に座り始めた。授業が始まりそうなのでエシェルトリアを無視して席につく。


「魔術の進歩・・・。」


 エシェルトリアがぼそりとつぶやいた。彼女の鋭い眼光から完全に僕を標的とみなしていることが分かった。

アリストの先生は特権階級です。学校内ではどの貴族よりも偉くなります。学園内でも王族や大公など君主級の方が偉いですが。

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