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魔道体系学の祖  作者: 五反田鐡ノ進
第1章 幼少期の思い出
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15.入学式・後編

 

 静寂の中、緊張しながら拡声器もどきに向かって声を絞り出す。よし、やるしかないか!


「コルヌイエリン白の日。私たちはこの良き日にこのアリストへ入学します。

 創造の神メレクに倣って私たちは様々なものを創造します。

 根源たる神、シャダイエルカイに倣って基礎をこの3年固め続けます。

 力と法の神、ギボールに倣って法を順守します。

 美と文化の神、エロハに倣って文化を新しく形成します。

 勝利と武勇の神、アドナイに倣って鍛錬に励みます。

 至高と成熟の神、エロヒムに倣って成熟した大人になれるよう努めます。

 愛と公正の神、エルに倣って様々な学友との交流を深めます。

 栄光の神、ツァバオトに倣ってこの手に栄光をつかめるよう他国に負けぬ不断の努力をします。

 秘密と叡智の神、ヨッドに倣ってすべての学びを貪欲に学び続けます。

 そして、最後に契約の神、エヘイエーに倣って神々との契約を守ります。

 それぞれの神に誓いを立て、今年度の入学者主席の言葉とさせていただきます。」


 長い。何とか言い終えた。なぜ神の名前をここで羅列せねばならないのだ。一言一句逃さずに暗記するのはとっても大変だった。と思い学長の顔を見ると、口を開けてポカーンとしていた。横にいる拡声器もどきを持つ教員も同様の顔をしている。あれ?やらかしちゃった?失敗したのかと思いながら、カチコチと席に戻る。すると、ファーレが耳打ちしてきた。


「あのですね、すべての神を読み上げなくてよかったのですよ・・・。普通は1柱好きな神を選ぶのです。」

「あぁ、そうだったのか。だからみんなポカンとしているのか。」

「私も唖然としましたよ。普通はすべての神のことをこの年で覚えられませんから。しかも、このような場でそれができるのは流石です。」


 あー、なるほどね。やらかしちまった。そうか、まだここにいる子たちは4~5歳か。ファーレが異常に頭がいいだけか。ファーレ基準で考えていたが、ふつう4~5歳で読み書き計算ができるのはすごいことなのか。そうかそうか。しょんぼりしながら入学式を終えた。


 帰り道でお父様とお母様にべた褒めされた。どうやら優秀な自慢の息子が周りの人にすごーく褒められたらしい。やらかしても褒められることならばよかった。でも、悪目立ち街道まっしぐらだなぁ。


「アル。なぜ其方はそんなに覚えがいいのだ。私は最近、座学についていくのが必至なのだ。兄に其方の記憶力を分けておくれ。」

「分けられるものならば分けますよ。」


 ちょっと笑いながら言った。ユースは座学で苦労しているらしい。言っても算術でいえば小数・分数の分野らしい。余裕でしょう?中等部でこれってことは高等部まで余裕で行けそうだなぁ。そういえば、ユースのそんな言葉にディリオスがまた後ろでにんまりしている。


 家族と従者と一緒にゆったりとおしゃべりをして家に帰った。


全部の神様の名前を力技ですが出してしまいました。エロヒム、エル、エロハが女神です。先頭がエのやつが女神と覚えればよいので簡単です。

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