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魔道体系学の祖  作者: 五反田鐡ノ進
第1章 幼少期の思い出
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14.入学式・中編

 

 ザダンカイ侯爵のせいでなんだか嫌な雰囲気が漂っていたが、さすがイケメン、ユースがうまく空気を緩和してくれた。そんなこんなでアリストへとたどり着く。通っていた某大学ぐらいの広さはありそうだ。結構きれいである。初等部、中等部、高等部があり、みんなこの場所で過ごしているそうだ。


「広いですね。」

「いろいろ探検してみたいな。研究室とか研究室とか。」


 ファーレとそんな話をしていると入学式をする広間についた。あきれ顔のファーレとともに広間に入る。家族とはここから別行動である。


「あ、こちらですよ。」

「んー、ちょっと探検したらダメかな?」

「主席が何を言っているんですか!?ダメですよ!」


 研究できるところがすぐそこにあるのに・・・。仕方なーく入学者受付のところまで行く。受付の先生らしき人に声をかける。


「お名前をうかがってもよろしいかしら。」

「アルチュール・ゴアティエとファーレ・トゥリオンです。」

「あぁ!まぁ!ユグドラル様のご子息様ですね!ここの教員をしていますエシェルトリア・フランシルといいます。お父様に以前お世話になっておりました。以後お見知りおきを。」

「よろしくお願い申し上げます。」


 どうやら父と知り合いのようだ。好奇の目を向けられている。この目を僕は知っている。研究者が研究対象を見つけた時の目だ。この先生、ちょっと好きになれそう。ただ、自分にそう言った視線が向くのはあまり気持ちの良いものではないなぁ。


 受付を終えると席に案内される。客席が横にあり、子どもたちを見られるよう真ん中を向いている。生徒たちは両サイドの親たちに見られながら真ん中に座る。日本式の入学式とは違う席配置になんだか気持ち悪さというか違和感を感じる。お立ち台には拡声器のような器具があり、それを手にもって「静かになさい。」と注意している先生が見えた。


「アルチュ-ル様、そろそろはじまりますよ。学長の言葉が終わったら主席の言葉です。」

「もうすぐか・・・。」


 胃が痛くなってきた。子どもたちが全員そろったところですぐに学長が壇上に上がり静寂が訪れる。


「コルヌイエリン白の日。この良き日に契約の神エヘイエーに三つのことを誓おう。一、ここにいる入学者の安全を守ること。二、学術を深めるために様々な英知を入学者に与えること。三、この国の未来の礎となる若者たちを育てること。この三つは恒久に失われることなきがアリストの基本原理である。」


 どうやら話が終わったらしい。くせで拍手をしそうになるが、この世界では話が終わったら拍手をしないらしい。神との契約だけで終わる学長の話って素敵だなぁ。


「次、アルチュールの出番ですよ。」


 こっそりとファーレが伝えてくれた。どうやら司会も何もなくタイミングを見計らって行かなければならないらしい。ちょっと不親切ではないだろうか。カチコチになりながら壇上の学長の前に立つ。そばにいた教員が拡声器もどきを口に当ててくれる。いよいよ自分の番だ。



長くなりましたので分割します。長いといってもほかの方の作品に比べると短いですが。

今回は3つに分けたので3話同時投稿にします。

ちなみに、あいさつの初めには今日の日付を入れるのが習わしです。

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