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魔道体系学の祖  作者: 五反田鐡ノ進
第1章 幼少期の思い出
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11. 4年後

 事件の後、なんやかんやあって4年が経った。魔法が使えたり、ミトロファンと類似点が多かったり、歩くのもしゃべるのも時期的に早かったりしたが、まぁ問題なく時間は過ぎていった。少々悪目立ちしたが、特筆して何か事件などがあったわけではなかった。


 一応の成果として文字を習得したり、家にある本を読んでたくさん勉強したり、片手で振れる剣で鍛錬したりと能力開発はしてきた。そのおかげか、まだ社交界へ連れられる年でもないのに貴族の間で神童と有名になっているそうだ。まぁ、学校にもまだ行っていないのに文字が読め、算術もバリバリであればそうなるかね・・・。


 僕はそろそろ5歳になる。夏の生まれらしい。驚いたのが、春夏秋冬併せて月が16ヶ月あるらしい。まして、4年に一度、閏月があるというのだからややこしい。しかも、一月毎の名前が決まっており、それを覚えるのには苦労した。


 また、曜日は七曜ではなく八曜であるらしい。月火水木金土日ではなく、黒黄青緑金赤銀白と色で分けるらしい。神様が関係しているとかなんとか。そんなわけで、誕生日はベルドゥジュール(6月?)の第3週目の銀の日であるらしい。まぁそんな話はいいか。


 今日は兄のユースに剣術の稽古をつけてもらう日だ。ユースは9歳になった。アリストという学校に通い、中等教育を受けているらしい。剣術の部では成績が1位だそうだ。学術の方も悪くない方だそうだ。


「アル、遅いぞ!せっかくの休みに剣術の稽古をするんだ。兄より早く来るべきではないか?」

「すみません、お兄様。つい書を読み耽ってしまいまして。」

「アルは剣術より学術を好むのだなぁ。」


 時間には遅れていないが、ブラコンのユースは約束の時間よりだいぶ早くきていたようだ。隣で従者のディリオスが笑っている。照れ隠しなのか、ユースはディリオスが笑っているのを咎める。この二人は本当に仲が良いなぁ。


「よし、じゃあやるぞ!」

「はいっ!」


 ユースは両手で持つ長い木剣を、僕は片手で持てる短い木剣を構えた。


 ユースが地面を蹴りまっすぐ僕の方へ進んで来る。最初はこの速さについて行けず、一撃で伸されてしまっていた。ぎりぎり左に避ける。剣を受けてしまっては片手しかない僕では力負けする。左に避けた後、しゃがんで下段へ蹴りを入れる。ユースは後ろへ回避し、体勢をすぐに整えて僕に再度斬りかかる。体勢を立て直している最中への攻撃だった。後ろにバク転をして避ける。


「甘いっ!」


 大きな回避行動により隙ができてしまった。バク転の着地と同時にユースは首元に剣先を突きつける。その瞬間、僕の負けが決まった。


「やっぱり兄さんには敵わないや。」

「ただ剣のみで戦えば私の方が強いのは当たり前だろう。年齢と体格が違う。ただし、魔法を使われてしまえばおそらくひとたまりもないだろう。」


 謙遜する当たりさすがイケメンユース兄様だ。まぁ確かに魔法を使えば勝てるが、制御が効かないので下手すると殺しかねない。


 その後何度か稽古をつけてもらった。しかし、全敗である。まだまだ兄は超えられないようだ。よくよく考えてみるとまだ4歳なのだから仕方ないか。あれ、4歳にしてはおかしいのか?もうここまで自分が変だとわからない。汗を流すために自室に戻ることにした。

赤ちゃん期をずっとやってもしょうがないので秘技・時間飛ばしを使いました。アルは精神年齢は大人なのに身体が子どもだから、前世よりも思考が退行しています。

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