不穏な影
次章に向けたプロローグの様なものです。(=゜ω゜)ノ
凄く短いです。
冬亜と晶が平和な日常の一幕を過ごしている頃、櫂耀高校近くで静かに佇む人影があった…。
“ソレ”は、全身を覆う長さの黒い外套に身を包み、頭まで深く被ったフードで顔を確認することは出来なかった。
加えて、その顔にはやけにリアルな髑髏の仮面を着けており、仮面の隙間から僅かに光る青い瞳は、何処までも深い闇の底を見つめているかのように無感情に学校の景色を映していた。
身長は一般的な日本人成人男性程有り、背中にはかなりの重量のありそうな大きな鎌を背負っていた。
普通ならば、不審者として通報されてもおかしくない格好をしていた”ソレ”は、不思議なことに誰も気付かなかった。
「ここに…が…いるのか…」
誰にも聞こえない位、小さい声で”ソレ”はボソリと呟いた。
その声は先程までの感情の無い様子とは打って変わって、人間的な感情を含んだものだった。
おそらく、過去に”ソレ”が抱いた感情に近しい人物を思い出したのだろう。髑髏の仮面を通しても僅かに喜びの感情が現れていた。
「おやっ…?……!?」
それと、同時に”ソレ”は別の懐かしい気配を察知した。
その気配の正体を思い出すために”ソレ”は少し間その場で立ち尽くすような状態になった。そして、その気配を自らの記憶を頼りに思い出した”ソレ”は今度は驚いた様な雰囲気を髑髏の仮面越しに現した。
晶や冬亜たちの住む町に現れた"ソレ"は、これから彼ら彼女らに大きな選択を迫ることになる…。
同時に“ソレ”と晶たちが出会う時、新たな怪談の幕が開くことになるだろう。
例えそれが誰もが望んでいない結末になるかもしれないとしても…。
夏の公式ホラーと和モノ夏企画に参加しようと思うので、次章の更新は少し遅くなると思います。
申し訳ありません。