"仲間"その後 Nebel side
Bar pomegranateの40話終わりで
本編41話の時間軸になります。
「じゃあ。…アキにぃ行かへんなら、置いてくけど?」
そう言って後ろを振り向かずに
Bar pomegranateのドアを開けて出てきた
ユウと相方。
「…以外に涼しいなぁ。」と、あたしがポツリと呟くと
「そーやな。深夜やから、気温低いし。」とアキにぃが返事をした。
「それにしても、あれやなー。 ユウ、意外に優しい所あるんやな?」と突然アキにぃが振り返った。
「はあぁ!? あの一連の流れで、どーしてそう思うん?」
"おれ"やったら、そうかも知れんけど、"あたし"は優しいとは、言わんと思うけど。
「客にも、従業員にも黙って、店辞めることやって出来たやん。わざわざ、憎まれ役かって出んでも解決したやろ。」
と、言うとアキにぃはまた歩き始めた。
「そうやけど、それやったら"面白くない"やん。」そう。こうした方が"面白い"
「"面白いから"って、相変わらずやな。
それにしても、pomegranateとは、座長さんも考えたもんやな。」とアキにぃが関心した。
「ザクロの実の花言葉が【結合】なんやって。『それぞれの個性が【結合】して、お客様を笑顔にする』とか、そんな感じの、えぇかっこしぃな理由なんやって。」
どこまでがあの人の思い通りなんやろうな?色々と。
「ユウ、水飲むか?」
と先を歩いているアキにぃが、
ミネラルウォーターの入ったペットボトルを手渡した。
そのペットボトルを受け取り、ミネラルウォーターを口に含むと
「うん。…痛っ!!やっぱりめっちゃ沁みるわ。」そらそうや。
10分前に本気のパンチ口元にくらってるし。
「やっぱり、めっちゃ沁みるよなー。」とアキにぃはニヤニヤと、笑っている。
「ほんまに、トシユキさんが、アキにぃに殴りかかるとは、思わんかったし。」
とため息をつくと
「『流石に、ウチの座長兼看板俳優の顔、殴られるの見てる訳はいかへんからな。』ってアレ、めっちゃイキってたやん。」とアキにぃがあたしの真似をした。
アカン。コイツ、めっちゃバカにしてるやん。
「まぁ。殴られたのは誤算やけど、
ほんまに、あたしが考えた筋書きどーりに、皆動いてくれて、良かったわ。」と、信号待ちで隣に居るアキにぃに、話しかけた。
「確かに、ほぼユウの筋書き通りやからな。見てて笑いそうやったもん。」
と、ニヤニヤしながらアキにぃは、信号待ちをしている。
これも、アカンか。これ、この先ずーっとイジられるヤツやん。
「んで、アキにぃ。新幹線何時発の乗るんやったっけ?」とスマホをイジりながらアキにぃに聞いた
「6時の大阪行きの新幹線。今26時やから、後4時間暇って事になるな。
ってなわけで、呑みに行こか? この辺のいい店知ってるやろ?」
ほんまにコイツは何言ってんねん。
「アホか!?こっちは、仕事終わってめっちゃ疲れてんねん。それに、今呑んでもうたら、新幹線乗れんくなるわ。
呑みに行くんやったら、ひとりで行って来たらいいやん。あたしは、漫喫行って仮眠するから。ご勝手にどーぞ。」
とあたしは、漫喫へ足を進めた。
このあとNebelが
どうなるかは、Bar pomegranate本編でお楽しみに!