異端のメイド
黒い服装の何者かが森をかけていく。それを追うように赤いマントを纏った6~7人の集団が森を抜けていく。
「はぁ、はぁ、はぁ、っ!」
黒い服装の人物が何かをした、その瞬間その人物の姿が蜃気楼のように消える。
「っ、チッ!」
「隊長!!」
隊長と呼ばれた男の喉元には黒いナイフが迫っていた。
「シッ!」
隊長は喉元に迫るナイフを弾くのではなく身を反らして剣で打ち払った。
「くそっ!!やられた!」
「隊長!お怪我は?!」
「なんともない、それより撤退するぞ第三部隊に調査に当たらせろ。」
「「「はっ!!」」」
あのナイフ完全に殺すためではなく時間稼ぎに投げていた、、、
「何者なんだあいつは・・・」
隊長の呟きが聞こえることはなかった。
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一方その頃、岩影に隠れる一人の人物、、、
「ふぅ、いなくなりましたね」
そう言って黒いマフラーを取る、そこには
長い黒い髪をたらし伸びをするとても美しい女性がいた、
「まずはこの森を抜けなければなりませんか」
そう言いながら岩影からでた瞬間、その岩影が崩れ地面が陥没し彼女はそのまま、、、
「キャァァァァ!!!」
奈落に落ちていった
、
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彼女は岩肌に身体をぶつけながら走馬灯のように自分の過去のことを振り返っていた、
彼女が産まれたのはどこにでもいるような下級貴族の次女として産まれた。特に変なことも起きずに幼少期を過ごした。だが彼女が十五才になったときそれはおきた、彼女に特殊能力が開花したのだ、ただそれだけなら良かったが彼女の特殊能力は異例の能力だったのだ。それは、
魔眼
彼女魔眼はどんなものでも消すことの出来るものだった。そう、例えば彼女がさっきやった自分の認識を消したみたく。自分で消したものは自分の意思でまた具現化出来る、それはまさに絶対の能力であった。それゆえに彼女は家族からハブられた。まるで化け物を見るような目でみられ教会からも異端の汚名を受け彼女のいる場所はどこにもなくなった。だがこの能力生かしメイドとして時には護衛として生きてきた、王国の王も別に裁きを下したりはせずただ傍観していた。しかし今回王国の王はその傍観をやめ彼女を賞金首として指名手配し、自国の騎士団を使い彼女を抹殺しようとした。彼女の力を恐れた末の強行だった。
「バシャャャャンン!!!」
水しぶきをあげながら彼女は落ちた、どうやら滝があったらしい。
・・・このまま死ぬのかな・・・
彼女は意識が途切れる間際にそう、感じていた。