少女
その少女は産まれてから一度も外の景色を見たことがなかった。物心ついたときから少女は手と足に枷、首には首輪がつけられていてた。そう、少女は産まれてからずっと篭の鳥なのだ。外に出れるわけでもなく、誰かとお喋りなどができるわけでもなくただ実験を繰り返される毎日であった。少女は日に日にキレイ女らしく美しくなっていった。それは街中で男女とわず十人中全員が振り向くほどに美しかった。少女からは女性の魅力も感じれていた、人間ならその場で犯されてしまうほどに。だが少女は吸血鬼である、そのようなことされるかわりに鞭や鉄の棒で殴られていた。このように・・・
「ゴッッ」
「グッッ」
とある部屋で少女は殴られていた
「まったく化け物なのにあれくらいでへこたれるとはねぇ」
「ご、ごめんなさっ、、いっ!」
バシィィィン!!肉をうち据える鈍い音が響く。
「ま、別にいいですけどねぇ、どうせお前は今日が最後ですからねぇ」
「えっ?」
少女は訳のわからないまま実験台に乗せられていた。
「さてと、ひゃ~いつみてもすごい魔力量ですねぇ~。おまけに魔力回路までここまでだとほんと化け物ですねぇ、あ、化け物か」
男は笑いながら透明なパネルみたいなものを操作している。
「さて、魔力制御装置は万全、核の覇王石も問題ない、と充電率も問題・・・・」
準備がととのったのだろうか、男はこちらを向いてこう言った。
「さぁ、吸わせて貰いましょうかお前の全てを」
そう言った瞬間少女の胸の中心にとても鋭い痛みを感じた。
「あがぁぁぁぁ!!ぐぅぅぎいぃぃい!!」
獣のような悲鳴をあげながら少女は台の上でのたうちまわる。
「うるさいですねぇ静かにしてもらえませんかねぇ?」
男はそう言うと少女に手をかざして何かを唱えた。すると少女から悲鳴がやみ大人しくなった。否大人しくなったのではない、魔法で封じられたのだ動けない少女が痛みをまぎらわす唯一の方法を。現に、少女は悲鳴をあげているのに口から出るのは空気が通る音だけだ。
、
、
、
何時間過ぎただろう少女はもう壊れかけていた。ここで男の言っていた言葉か頭によぎる。
・・・お前は今日が最後・・・
その時少女は悟った今日自分は死ぬのだと
苦痛から逃げるように目を閉じかけたその時警報音が鳴り響いた。
「バカな!魔力制御が暴走?!魔力を吸いあげる量が!!」
機械の中心から何かひびの入る音が聞こえてきた。
「なっ!!覇王石が!!」
そして石が割れた・・・
それは呆気ないほどのちりかただった。
そして少女と男、研究所の窓全てから溢れださんとしている光と共に研究所は爆発した。