3.その新人を導くは副団長
鬱蒼と生い茂る森の一角にその冒険者たちはいた。
剣を携えた者、杖を掲げる者、弓を構える者。
その中で一際異彩を放っているのが赤色のマントを身につけた女性魔導師だった。
彼女は赤色の杖を持ちマントの下の革の胸当ても赤色と言う、赤を強調した如何にも強そうな雰囲気を醸しだしていた。
否、強そうなではなく、紛れもなく強いのだ。
冒険者として最高ランクなのはS級だが、S級冒険者の数は世界で片手で数えるほどしかいない。
なので、S級冒険者を除けばA級冒険者が強者だと言うのは間違いない。
そして赤色の魔導師はそのA級冒険者なのだ。
「はーい、ちゅーもーく。
君たちは晴れてD級冒険者になった訳ですが、まだやっと冒険者のスタート地点に立ったにすぎません。
なので、皆さんには我がクラン『月下』の恒例行事の新人研修に参加してもらったわけです」
S級冒険者が超一流、A級冒険者が一流だとすると、B級C級が上級者・中堅となり、D級が一人前、E級が初心者と言う扱いになる。
初心者であるE級冒険者は殆んど町中の雑務の依頼しか受けれず、そこで冒険者の基礎を学ぶ。
そして本格的な魔物討伐等の依頼はD級からとなり、この時点でやっと一人前と言えるのだ。
ここに居る3人の新人はE級から昇格してD級になったばかりの者達だ。
クラン『月下』はそんなD級になりたてのクランの新人が魔物との戦闘で死なないよう指導員が付いて戦闘訓練を行うのが恒例となっている。
「D級になったからと言ってヒャッハーって魔物に突撃して死んだら目も当てられないので、この新人研修でしっかり魔物との戦闘基礎を学んでいただきます。
はい、質問のある方」
「あのー、ヒャッハーって何ですか?」
恐る恐る手を上げて弓道士の女の子が聞いてきた。
赤色の魔導師は無駄に胸を張って得意げに答える。
「いい質問です。ヒャッハーって言うのは異世界言語で「調子に乗った」「テンションが高い」と言った状態の事を指します。
特にこの迷いの森でヒャッハーしていると死にますから注意してください」
「ねぇ、そうなの?」
弓道士の女の子は隣の異世界出身の剣戦士の男に小声で尋ねる。
「う、う~ん、まぁ、間違っちゃいない・・・かな?」
「ふーん、そうなんだ。ヒャッハーね、注意しなきゃ」
まぁ、間違いではないが正しいとも言い切れない。
そんな間違った異世界言語を覚えつつ新人研修は始まる。
女神アリスが管理する天と地を支える世界に異世界・テラサードから異世界人を招いてから3年が経過した。
女神アリスが異世界の文明・文化・技術を天と地を支える世界に取り入れる為異世界人を招き入れた訳だが、お互い衝突しつつも天と地を支える世界の住人・天地人達は異世界人を迎え入れていた。
この新人研修に参加している剣戦士――ザックも異世界人の一人だ。
「よし、移動時にはみんなに迷惑をかけたからな。今日の戦闘はみんなの役に立ってみせるぜ」
「まぁ、あれは異世界人だから仕方がないよ。そのかわり剣の腕の方は期待しているよ」
「ああ、任せておけ!」
ザックは剣を片手で構え反対の手で魔術師の男の子に向かってサムズアップする。
異世界人の召喚には特殊な方法が使われているため、天地人との生活基準にズレが生じているのだ。
異世界人は異世界から魂魄を離脱して天と地を支える世界で新たに生成した肉体に宿ることでこの世界に降り立っている。
なので、異世界にも肉体はあるし、天と地を支える世界にも肉体がある事になる。
当然異世界にも生活があるし、長時間肉体を放置することは死にもつながるのでマメに向こうとこちらを行ったり来たりしなければならないのだ。
異世界に戻ることを離魂睡眠と言い、天と地を支える世界に戻ってくるときは帰魂覚醒と言う。
離魂睡眠時は頭に天使の輪が付いたように光の輪が回転し、眠ったような状態になる。
つまり肉体の中に魂魄が無い状態なので無防備なのだ。
ザックが迷惑をかけたと言うのは、この迷いの森に来るまでの野宿等で何度か離魂睡眠を行い残された肉体を守ってもらっていた事を指している。
もっとも離婚睡眠直後以外は女神アリスの保護が働いて肉体にどんな影響も与えなくなる。が、肉体の移動はその限りではないので魔物の群れに放り込まれて帰魂覚醒した直後魔物に殺されるなんてこともある。
なので離魂睡眠で残された肉体を完璧に守るのであれば、Alice神教教会の帰還室で離魂睡眠を行い肉体を一時的に女神アリスの下へ返すことが出来る。
その為安全性を求める異世界人はAlice神教教会に足を運んでいる。
「じゃあ、隊列はザック君が先頭に、リード君とサラフィちゃんはその後ろね。あたしは殿を務めるから今回はバックアタックの警戒は必要ないからね。
本来であれば後ろを警戒しつつ前に進むんだけどね。今日は前を警戒しながら進むように。後ろの警戒はこの次の課題ね」
「うっす、俺は前を警戒しつつ現れた魔物の引き付けをすればいいんですね」
「僕はザックが引き付ける魔物を先制攻撃、又は火力で魔物に大ダメージを与える役割」
「私はザック君が守りやすいように弓で援護、もしくはザック君が引き付けられない魔物の牽制ですね」
「そうそう、みんな自分の職業に合わせた役割を理解しているね。
よし、それじゃあしゅっぱーつ!」
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「うおおおおおおおおおおっ!?」
ザックは目の前のベルセルクベアの攻撃を剣で捌きながら必死に躱す。
狂ったように両の爪を振り回すベルセルクベアは、間近で対峙しているザックには恐怖でしかない。
「スパイラルアロー・三連!」
ザックとベルセルクベアの攻防の後ろでは襲い掛かろうとしていたキリングスネークに3本の矢が突き刺さり地面に縫い付けられる。
後衛のサラフィが弓戦技の貫通力のある矢でキリングスネークの動きを封じていた。
そして立て続けにスパイラルアローを放ち矢衾状態にする。
「ザック! 準備が出来た、離れて!」
リードが呪文を唱え終わりザックに合図を送る。
合図を受けたザックは剣戦技・スクエアを放ちそのままバックステップで距離を取る。
「リードやれ!」
「サンダーブラスト!」
ベルセルクベアの目の前に光の粒子が集い雷光球を生み出す。
雷属性魔法の空間一点発動型圧縮式魔法だ。
バヂィィ!
そして次の瞬間、雷光球は一気に弾けて無数の雷が迸る。
ベルセルクベアは雷に焼かれてそのまま崩れ落ちた。
ザックは危うく雷に巻き込まれそうだったが寸でのところで躱し、そのまま後方のキリングスネークの所へと向かう。
「ザック君、まだよ!」
ベルセルクベアの脇を抜けようとしたところ、まだ息のあった狂い熊が起き上がりザックに向かって襲い掛かる。
赤色の魔導師の声でベルセルクベアに気が付いたザックだったが、既に意識はキリングスネークに向いていたので反応が遅れてしまった。
しかも自分に刺さっていた矢を噛み千切りながら強引に脱出したキリングスネークもザックに向かって牙を剥いていた。
「ホーミングボルト!」
あわや2匹の魔物の餌食になろうとしたところ、赤色の魔導師が放った無属性魔法の無数の自動追尾弾がベルセルクベアとキリングスネークを撃墜した。
「あわわわ」
ザックは目の前の光景に思わず尻餅をついてしまう。
今度こそベルセルクベアは動きを止め、キリングスネークも頭をぶち抜かれ戦闘は終了した。
「ザック君、油断話禁物よ。ちゃんと止めを刺してからじゃないと今みたいに後ろから襲われることになるわよ」
「う、うっす。以後気を付けます」
「リード君も威力の高い魔法を使いたいのは分かるけど、あの場合ザック君が傍にいるんだから範囲魔法は控える事ね。
同じ空間一点発動型魔法でも圧縮式のアクアプレッシャーかグランドプレスの方がいいわ」
「は、はい。すいません」
「サラフィちゃんは上手くザック君を援護出来てたわね。ただもう少し位置取りを覚えた方がいいわ。
同じ場所からだと敵も射線を覚えるから躱されやすくなるのよ」
「はい! 位置取りですね。分かりました」
赤色の魔導師の指摘に3人はそれぞれ反省をし、次に生かそうと心に刻む。
「うん、じゃあ次は剥ぎ取りね。あたしが周りを警戒するから3人でちゃんと剥ぎ取りしてね。もうこれは慣れしかないから」
「うぇ~、俺これ苦手だな~」
「ううう、こんな時は自分の非力が憎い・・・」
「うひぃぃ、またお肉ぐちゃぐちゃするんですか~」
皮を剥いだり肉を切り分けたりと、年頃の少年少女には少々きついものがある。
とは言え冒険者にとっては魔物の素材はクエスト以外での収入なので、是が非でも覚えておかなければならないのだ。
「あの~、ところでここまでベルセルクベアやレッドタランチュラ、ロックワームとかあり得ない程強い魔物と戦っているんですけど、この森って俺達の適正ランク超えてません?」
ベルセルクベアはさることながら、糸の代わりに炎を吹き出す巨大な大蜘蛛、岩の様に硬い肌を持つ巨大な芋虫などザックたちにとってはとてもじゃないが太刀打ちできない程の魔物たちだ。
実際、止めを刺しているのは全て赤色の魔導師の魔法だ。
最初はザックたちに戦わせ、ピンチに陥った時に赤色の魔導師の援護が入るのだ。
「ん? それはそうよ。この迷いの森は適正ランクはBだもの。出てくる魔物は最低でC級、殆んどがB級ばかりよ」
「ちょっ! 俺達D級になったばかりですよ!? 何でこんな無茶な場所で新人研修なんか!」
思わずと言うか、当然とばかりにザックは抗議する。
赤色の魔導師の言葉に剥ぎ取りをしていた2人も驚愕していた。
てっきり適正レベルの狩場での研修だと思っていたのだ。
「え? だって今のうちにB級の魔物に慣れておけばD級の魔物なんてへっちゃらでしょ?
大丈夫よ、ピンチになったらちゃんと助けるから。と言うかピンチを経験した方が今後の為になるし」
その言葉に3人は言葉を失う。
彼女はクラン『月下』でサブマスターを務めるほどの人物だ。
そんなサブマスターが行う新人研修に参加できたのにとても喜んでいたのだが、あまりのスパルタぶりに今さらながら後悔してしまう。
元々新人研修は他のクランメンバーが行う予定だったのが、急な用事で都合がつかなくなり急遽サブマスターが執り行う事になったのだ。
その事実が尚更己の不運に嘆いてしまっていた。
(まさか、これほどまでのスパルタだったとは・・・)
(クランの先輩たちがサブマスターの新人研修だって言った時の生暖かい表情の意味が分かりましたよ)
(ううう、上手く逃げ出したスティード達が羨ましい・・・)
その後魔物からの剥ぎ取りも終わり、再び森の中を移動する。
2度ほど熊やら狼やらを退けた後、先頭を索敵しながら歩くザックは2匹ほどの魔物の敬拝を感じた。
後ろに警戒を促し剣を構えると、前方から角の生えた2m程の鬼が現れる。
一本角のオーガと二本角のオーガだ。
まずは先制攻撃とリードが呪文を唱えるが、それよりも早く赤色の魔導師の魔法がオーガ達を襲う。
「ストーンブラスト!!!」
初級に分類される魔法であるが、無数の絶え間なく降り注ぐ石の散弾に2匹のオーガはあっという間にミンチになってしまう。
剥ぎ取りすら許されない惨状に3人は思わず固まってしまった。
「さぁ、次行くわよ」
有無を言わさない赤色の魔導師の言葉に3人は黙って付いて行く。
その胸中では噂は本当だったと確信していた。
サブマスターである赤色の魔導師は子供のころ兄がオーガに殺されたことで酷く憎んでいると。
オーガを見つけたら即殲滅という憎悪っぷりだ。
おまけに赤色の魔導師に恋人にと言い寄ってくる騎士が居たのだが、彼女は丁寧に断ったにもか拘わらずA級冒険者を鼻にかけていると思い込んだ騎士が「オーガみたいな女なんかこっちも御免だよ」と逆ギレを起こし、彼女の逆鱗に触れ半殺しどころか全殺し寸前までいった事があったので噂に拍車を掛けていた。
因みに、騎士はオーガみたいに狂暴な女と言ったつもりだったが、そんなことは分かるわけが無くオーガみたいに醜い女と周りにも解釈されたので騎士の擁護に回った者はいない。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
3人の新人たちは流石にB級の魔物を倒せるまで強くなる事は無かったが、何度か相手取ったお蔭で慌てることは無く冷静に対処する術を学んでいた。
そんな中、ザックは右手の方から今までとは比べ物にならない強大な魔物の気配を感じる。
同時に赤色の魔導師の方でも感じ取ったらしく、3人にその場に留まる指示を出し3人の前へと出る。
魔物の方は然したる警戒もなく悠然と彼女らの前へとあらわれた。
現れた魔物は5mはあろうかと言うほどの巨大なトカゲだ。
但し足は6本、頭から背中、尻尾に掛けて金色のたてがみが生えていた。
「うそ・・・! キングバジリスク!? 何でこんな浅部に居るのよ!?」
キングバジリスクは石化の視線、麻痺毒のブレス、混乱の血の三重苦の異常効果を持つ厄介な魔物だ。
当然A級の魔物でもある。
本来であればA級の魔物はこの迷いの森の深部にしか生息しない。
幾らスパルタを用いている赤色の魔導師でも流石に新人を連れて深部まではいかない。と言うより行けない。
指導員が複数いれば違うかもしれないが、流石に1人では新人を庇いながらA級の巣である深部は危険すぎた。
もっとも目的が新人研修だから庇いながら深部まで言っても意味が無いのだが。
「もう、この森を選んだのは失敗だったかなぁー。3人に大怪我でもさせたらピノに大目玉を食らっちゃうよ」
だったらこんな森で新人研修をするなよと突っ込みを入れたくなった3人だが、当然そこはスルー。
サブマスターにそんなことを言ったらどんな目に遭うか・・・ただでさえ今は新人研修の真っ最中なのだ。
「まぁ、さっさと片付けちゃいますか。
――ストーンレジスト
――ポイズンレジスト
――コンフュレジスト」
赤色の魔導師は付与属性魔法の石化耐性、毒耐性、混乱耐性を自分と3人に掛ける。
その間キングバジリスクは余裕綽々で近づいて来てカメレオンの様な長い舌で赤色の魔導師に攻撃を仕掛けた。
「マテリアルシールド」
赤色の魔導師の前に現れた光の盾により、キングバジリスクの舌はあっさり防がれる。
「お返しよ。
――ウィップストライク」
お返しとばかりに左手に無属性魔法の理力の鞭を生み出しキングバジリスクに目がけて撃ち出す。
キングバジリスクは6本の足を素早く動かし難なく躱すが、その移動先を狙って赤色の魔導師の魔法が突き刺さる。
「ストーンウォール」
キングバジリスクの足下から巨大な円錐状の石が現れ体を貫きながら宙に押し上げる。
ストーンウォールは本来目の前に石の壁を生み出し攻撃を防ぐ魔法だ。
だが彼女は石の形状を変え出現先を数メートル先にして、攻撃魔法へと応用したのだ。
勿論このような応用は普通の魔術師や魔導師には出来ない。
それを簡単にやってのけるからこそのA級冒険者であり、クラン『月下』のサブマスターなのだ。
腹を貫かれたキングバジリスクはこの時点でようやく彼女が自分に食われる獲物ではなく敵であると認識した。
怒りを込めて石化の視線を赤色の魔導師に差し向ける。
だが多少の違和感があったが赤色の魔導師には何の効果も及ぼさなかった。
必殺の石化の視線が聞かなかったキングバジリスクは慌てて麻痺毒のブレスを吐くが、なんと赤色の魔導師は平然とそのブレスで平然としているではないか。
「――ファイヤージャベリン
――アクアランス
――ウインドランス
――ストーンジャベリン
――サンダージャベリン
――アイシクルランス」
赤色の魔導師は輪唱呪文で複数の呪文を同時に唱え、6本の属性の槍を解き放つ。
それぞれの6属性の槍はキングバジリスクの6本の足を狙い撃ち動きを封じた。
「そうだね。いい機会だから3人に魔法の極致を見せてあげるわよ」
赤色の魔導師は呪文を唱え止めを刺そうとする。
キングバジリスクはせめて自分に近づいてくれさえすれば血を浴びせ混乱させることが出来るのにと思っていたが、結局それは叶わぬ願いだった。
「――リアクターブラスト!!」
赤色の魔導師の放つ無属性魔法による巨大なエネルギー弾があっさりキングバジリスクを飲み込んで消し去ってしまった。
着弾地点には巨大なクレーターが出来上がっている。
そしてこの魔法の凄いところはこれほどの威力にも拘らず周りに被害がほとんど出ない事だ。
「・・・あ、しまった。素材剥ぎ取れなくなっちゃった」
調子に乗って上級の魔法を放ってしまったせいで、素材どころか骨すらも残らない結果になってしまったのを今更ながら悔いていた。
そんな彼女を余所に新人3人は興奮していた。
「すっげぇ・・・流石『鮮血の魔女』『歩く砲台』『殺戮の魔導師』のデュオさんだぜ・・・」
「・・・『鮮血の魔女』は聞いたことあるけど、ザックあんた何気に二つ名勝手に増やしてない?」
「それよりも6つもの輪唱呪文を平然と使いこなしているなんて・・・そっちの方が凄いよ!」
魔術師であるリードは凄く興奮していた。無理もない。
輪唱呪文はかつて魔王を倒した冒険者の1人フェンリルが編み出した三大秘奥のうちの1つとされている。
複数の呪文を交互に同時に唱え1つの呪文として認識させる高等技術なのだ。
2つの呪文を輪唱呪文で唱えるのならそれほど難しい事ではない。
だが6つもの呪文を同時に唱えるとなるとかなりの技術を用いる。流石はA級冒険者と言ったところだろう。
そのA級冒険者である彼女には二つ名が付いていた。
彼女の二つ名は『鮮血の魔女』。
何故彼女が『鮮血』と呼ばれるのかは、血の色の装備をしている、相手の返り血でその体が赤に染まるなどの噂があるが、いずれ語るべき時が来るだろうが今はまだ語られない。
またこの時の出来事に興奮したザックが付けた余計な二つ名が広まってしまい、彼女の怒りに触れてしまうのはそう遠くない話だったりする。
「まぁやっちゃったものは仕方ないか。
さて! 新人研修の続きと行くわよ!」
「え? A級の魔物なんて出てきたのにまだ続けんのかよ!?」
「ちょ!? デュオさん!? マヂですか?」
「デュオさん、流石に引き返した方がいいんじゃ・・・」
続行の宣告するデュオに明らかに動揺する3人。
「何言ってるの? 中途半端は良くないよ。
それに浅部にA級が出たんだからついでに調査もしていくわよ」
あり得ない調査の追加宣言に3人はデュオの新人研修に参加したのを激しく後悔していた。
野馳の3人は言う。絶対に彼女の『研修』には二度と参加しないと。
次回更新は12/28になります。