011 イタ公
「イヤッハー! こちらモンスター取締局だぜ。いますぐに要件を言わないとてめえの頭をぶちぬいてやるぜイタ公!」
相も変わらず、白人警官のジョセフは気性が荒いのだ。たとえ相手が名前も知らない一般人であろうとも敬語は絶対に使わずに接する。それは何故か。理由など見当たらない。そもそも敬語を使うのは本人の意志に反するだけだ。何故かは不明だが敬語を使うとイライラが収まらない。アメリカの安全を守ろうとする人間とは思えない爆弾発言のオンパレードだが、実はそれはジョセフだけじゃない。隣でくちゃくちゃと音を立ててドーナツを食べている黒人警官のカレンも似たりよったりの性格だ。ドーナツにマヨネーズとシロップをかけて、コーラで胃の中に流し込むアメリカ人など彼ぐらいだ。筋肉質で一撃必殺系のジョセフとは対照的に、カレンは以外にも俊敏に動いて手数で攻めるタイプだ。ジョセフは訛りの強い英語で話すイタ公と思しき人物と取り込み中だ。どう考えても間違い電話か迷惑電話の類にも関わらず、ジョセフは声を荒げながらも堂々した様子で一歩も引いていない。受話器からは訛りの強いFワードやらMワードやらが散々飛び出してくるが、ジョセフは本場仕込みのアクセントで対応していた。
「マザー○ァッカー!」
ジョセフは怒り狂った様子で受話器を地面に叩きつけて電話を破壊していた。これがモンスター取締局の日常である。デスクワークの際はクレイマーという名のモンスターに用心しなきゃいけないのだ。




