雲ノ糸
掲載日:2026/09/13
空から
ふわふわした糸が一本、垂れている
風に揺れていた
指で摘むと、柔らかくて
引っ張ると、どんどん糸が落ちてくる
両手いっぱいの糸を抱えて
おばあちゃんに尋ねると
「それは雲の糸だよ」と教えてくれた
おばあちゃんを手伝い
糸を少しづつ、わたあめ製造機に入れる
ぐるんぐるんと回りながら、
糸はふわふわの雲になっていく
それを、おばあちゃんは上手に棒に巻き付ける
大きく、でも雲にしては子どもの雲
棒ごと渡されて困っている私に
おばあちゃんは、ふーっと吹く仕草を見せる
たんぽぽの綿毛を吹くように
棒の先の雲を吹いたら
雲はふわふわ空へと飛んでいった
やがて風に乗って、大空へ
小さな雲は大きな雲の隣に並んだ
「おばあちゃんと私みたい」
おばあちゃんは嬉しそうに微笑んでいた
二人で、見えなくなるまで
二つの雲を見つめていた




