俺が俺であいつが俺で、、、
黒板の前生徒が注目するのは,俺だ。なんで俺が黒板の前に立ってるんだ?
俺の名前は夏樹日向。「なつきひゅう」
ごく普通の高校生――だった。
はず
朝、いつものように目を覚ました瞬間、俺は違和感に包まれた。
「……ん?」
鏡を見る。そこには、見慣れない大人の男の顔。しかもスーツ姿。背も180cmは、あるだろうか?
「……誰だよこれ」
動揺しながら部屋を出ると、リビングには見知らぬ写真、職員証、そして名前に目が入る、
『近藤健斗』
「近藤……? どっかで聞いたような……」
――その名前に、俺は戦慄した。
それは、俺の担任教師の名前だったからだ。
第1章:教師になった俺が、クラスメイトの俺と再会する日
「うそだろ……なんで俺が“担任の先生”になってんだよ……!」
職員室に入ると、若い先生たちが「健斗先生、おはようございます」と挨拶してくる。
ぎこちない挨拶をかわし
そして俺は、自分のクラスである――2年B組の教室に向かった。
廊下の窓に映る自分の姿は、20代前半くらいのイケメン教師。聞き取りやすい声に陽気そうな顔
前までの自分と正反対だ。
心の中では大パニックだが、とにかく黒板に「近藤 健斗」と板書する。
すると、生徒たちがわらわらと教室に入ってきて――
その中に、かつての“俺”がいた。
「……っ!」
俺(夏樹日向)は、窓際二番目の席に座ってる。
寝癖つけたまま、完全にダルそうな顔。
「マジかよ……俺、完全に生徒になってる俺の前で、教師やるの……?そもそもあれは、俺なの??」
かつての担任がしていたように無難に朝の朝礼を終え自分の机に戻った。
だが、机の上には見慣れないスマホのようなものがあった。なるほどこれが異世界お約束の特殊機器か
もうあんまり驚かなくなった。
開けてみると
古臭いフォントで
この世界は“二度目のやり直し”だ。
あなたが教師として生きることにより、未来を変えよ。
「なるほどな、つまり、俺が教師になって、俺自身を導けってことかよ……!」
だが同時にある疑問が頭に浮かんでくる。
なぜならそう“俺”はもう死んでいるのだから。