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珍獣バルバロイ それが僕と彼女のファーストコンタクト

作者: ムイ


 「ふぁぁああ〜」


今の時刻は深夜の2時、終電より始発のが早いくらいの時間だ。


くそっ、今夜も残業で夜遅くなってしまった。


眠たくて、眠たくて、ズルズルと滑り落ちてくるまぶたを何とか開きながら帰路につく。


早くおふとんで寝たい…


あぁぁ、やっと僕の家の屋根が見えてきた。


「ただいま、マイおふとん」


やっとのことで僕は玄関までたどり着いた。


「嘘だろ...」


僕の家の玄関は長細くて大きい長方形の配達物?によって占領されていた。


しかもドアを塞ぐ形でだ...


「うあぁぁあ…」


まるでゾンビになったかのような気持ちになったが僕は冷静だ。


こんな荷物を頼んだ覚えが僕にないし、適当にどかしておくだけでもいいのだろう。だが、冷静に考えてみれば郵便局に連絡して回収してもらうにしても、野ざらしにしておくのはあまり褒められたことではないだろう...カラスとかに荒らされても困るし...


そう、考えたところで僕はとりあえず家の中に入れることにした。


「おっ、重い」


一体何が入ってるんだ、これは....


そう問いたくなるほどに、荷物は重かった。


やっとのことで荷物を持ち上げた僕は、抱きかかえるようにして肩に荷物をよりっかからせた僕は、ドアを開けると同時に倒れ込むようにして荷物を家の中に入れた。


ねむい...


そのまま流れるように僕は布団まで歩いていった。


そして僕は、布団で眠りについた。


そう、そのはずだったのだが…


僕は今、僕史上最高の恐怖体験に襲われている。


朝、土曜だというのに平日と同じ時間帯にアラームをかけていた僕は、6時に目が覚めるという愚かな行いをすることとなった。


すでに太陽も登り始めた時間帯から二度寝ができるほど僕の神経は図太くなかった。


まずは顔を洗おう、そう考えた僕は寝室をでて、廊下に出たところで僕は、珍生物と遭遇することになった。


長い、長い足の生えたダンボール箱がひっくり返って、ジタバタと暴れていたのだ...それも、僕の家の玄関ででだ。


恐怖のあまり目が話せなくなった僕は一つの事実に気づいた。


そう、ダンボールから飛び出た足はスラッとしていて、肌にはシミひとつ無い美脚だったことに...


5分くらいした頃だろうか...


眠気が覚めて、血が頭に回り始めた僕は怪談よりもっと現実的で、別ベクトルの恐怖の可能性に気がつてしまった。


それは、足が生えたダンボール箱なのではなく、人間が段ボール箱に梱包されている可能性だ...


「大丈夫、ですか!! 大丈夫ですか!!」


一度、恐怖にパニクった人間の頭は単純化するらしく、僕は同じことしか言えなくなってしまっていた。


しかしながら、どうだろうか、今もなお暴れているコンポー人間さん?は 僕がとても可愛そうに近づくに連れてより切羽詰ったような、必死の暴れ方に変わっていくのだった。


ひ、ひどい話だ、全く。


人が心配しているのに...


まるで自分の気持を踏みにじられたような感じがして、少しむかついた僕はちょっと雑にコンポーさんの上に馬乗りになって、押さえつけた。


「ちょっ 落ち着いてくだい!! 今、開けますから」


突然のことでカッターすら持っていない僕は、馬乗りになりながら足が出ている側とは反対のおそらく頭があるであろう場所に手を伸ばし、手でちぎるようにして開封した。


(かっ かわいい)


開封した僕が目にしたのは、目を必死につぶりながら力んでいる女の子だった。


女の子はハーブと柑橘系の香水を混ぜたような香りをまとっていた。


まじまじとその美しい顔に見惚れているとあることに気がついた。


彼女は口に布のようなものを噛まされていているのだった。


僕は惹かれるようにして布の結び目をほどいた。


その時だった、布が外されたことに気がついてくれた女の子はパチクリと目を開けてくれた。


その少しタレ目気味な、でもつぶらで無邪気さを感じさせるような瞳僕の目が交差してぶつかった。


「やぁっ、いい朝だね」


「○▲X っ!! ※☆・ミゥ⚠!!」


話しかけてすぐ、僕は吹き飛ぶことになった。


...物理的にね。...


「ぐ ぱ ぁっ 、ごほ っ ごほっ、なっ 何をするんだい君は...」


「平クミュ〜〜○○○」


???


彼女は混乱しているのか、わけの分からないことを言っていた。


僕はほっぺのあたりに手を当て、必っっ死になって布を解くようなジェスチャーをした。


「○☓☓…?…」


僕の渾身のジェスチャーが通じたのか、はたまた偶然か、彼女は手を止め、考えてくれている様子だった。


「トゥール・レイ」


ふと、こっちを見た彼女が話しかけてくる。


「トゥール・レイッ!!」


今度はこっちを顎でくぃっ としながら、強い言い方で言っていた。


僕にも言えということだろうか...


「トゥッ トゥール・レイ..?」


復唱してみる。


「違う‼! もっとはきはきと‼」


「 うぇっ 」


はっきりと、彼女の声が...言葉が理解できた。


こんなことってあるのだろうか...


「あら?...今のでも話せるじゃない...」


「今のはいったい....」


「そんなこと、どうでもいいわ。 あんた誰よ、私に何をしたの?」


彼女は問うてきたが、何をされたのか聞きたいのはこっちの方である。


...それはともかく


「一度に聞かないでくれ... 僕の名前は太一、安藤 太一だ。」


「タ〜イチ? 聞いたこと無い変わった名前ね? ...で、ここは何処なのかしら?」


「余計なお世話だ‼ ここは日本だよ、日本の神奈川県 ‼」


「カーガワ?」


「か〜な〜が〜わ ッ‼」


「カーナガーワ地方ね、わかったわ。」


「はぁ、もういいよ...」


朝っぱらから疲れた。


なんでこんな目に...


「ねぇ...地名はわかったわ、でも私の記憶の中にそんな場所のことは無いのよ...どうしたらいいと思う?」


「知らないよ...でも、じゃあどうして梱包なんてされていたの?」


彼女は少し不安げでこんな時に聞くことじゃないかもしれないが、彼女が落ち着いた今、最大の興味をぶつけてみることにした...


「わからないわ...わからないのよ... パーティーの仲間に裏切られて、奴隷商人に売られて、薬を打たれて、それからの記憶がないのよ...意識が戻ったときにはこの箱の中だったのよ。それにこの箱が動いた感じはしなかったのよ?...」


「それはっ..... 」


昔のことを思い出したのか彼女は唇を噛み締めながら悔しがっていて、目には涙も滲んでいる。


「ぼっ、僕も、僕にできることなら手伝うよ。家だって使ってもいい、だから、だから...」


泣き止んでくれよ...‼


彼女の話は荒唐無稽で、僕の常識からは考えられない。


...だからなんだ、そんなの彼女の顔を見たらわかる、きっと嘘なんてついていない。


だから信じてみることにした。


...もちろん少しだけ、そう少しだけ下心もあった。


その、、、彼女の見た目がぼくの好みにドストライクでしかも、THE エルフって感じの女の子だったからつい...


「いいの...?」


「あぁ...もちろんさ‼」


「ありがとう‼」


「...ところで、今更なんだけど、君の名前は?」


「クリス、クリス・アルバートソン」


「くっ、くりすさんか...これからよろしく!!」


「うん、お世話になります ターイチ」


こうして、僕とくりすさんの共同生活がスタートしたんだ...

読んでいただき有難うございました。


エルフさんにあいたいよう


...作者の心が癒やされる日は来るのでしょうか?


次回、連載版にて、豪語ご期待くだいさい....!!


ほいじゃ、また

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