表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
85/85

あとがき

 この物語を読んでくださった皆様へ、多大なる感謝を申し上げます。上手く書けない所ばかりで、私の力不足で混乱させてしまう箇所も多くあったと存じますが、ご容赦いただけるとありがたいです。


 書きたかった事を私の口から申し上げる事も無粋であると思うので、登場人物はこう動いて欲しかったんだよと言う、私なりの設定を書き残そうと思います。


 物語をどう受け取るかは読んでくれた人だけに与えられるものですので、私がこう読んで欲しいと思うものではありません。


 ・主人公 グラン


 彼はひねくれ者ですがまっすぐです。そしてそれはいい方にも悪い方にも繋がります。


 こうすると決めた事に関して容赦ない手段を躊躇なく行います。行動原理が子供のままで止まっています。やられたらやり返すなんてものが通用するのは子供のわがままです。


 ですが同時に守りたいものと守らなければならないものを判断できます。迷ったり悩んだりしても決断するのが彼でした。兎に角行動していくことをやめない、決断していく主人公にしたかったので、こうした性格にしました。


 ・もう一人の主人公 アレックス


 アレックスは元々壊された人間でした。感情が豊かにいてもずっと満たされる事はありません、迷宮での奇行は情緒が制御できないが故です。


 物語の裏で、ラスボスとしてゆっくり育っていくのがアレックスでした。物語の表では、逆に友情や愛情を知り心を育てました。


 でも結局は彼にとって人、特に卑しい思惑に駆られた人はすべて不要な物だったので、どれだけグラン達が頑張った所でラスボスとして君臨するのは決まってました。


 彼の生まれ変わりはゲイルによってアルと名付けられました。彼が救われる道は実のところグランが見つけた方法しかなく、他の方法はすべてグランかアレックスのどちらかが死ぬしかありません。


 ちなみにグランが死ねば世界は迷宮に塗り替えられ生物は魔物に置き換えられます。そこに誰の意思も思想もなく、生物の世は完全に終わりを迎えます。魔物も生物を模倣した生態をしているとは言え、迷宮が生み出した存在なので死んでも繰り返し生まれてきます。


 アレックスの弱点は神経衰弱です。あのまま戦いを続けて時間を稼いだとしたら、アレックスの方が自我を崩壊させて自然消滅します。他にも人々が迷宮を放棄すれば迷宮の王は意味をなさないので消えて元通りになります。


 という訳でラスボスではあっても強くはない、本当はただの迷宮好きなのが彼でした。友情を知る事が出来たのは彼にとって唯一の救いでした。


 ・ヒロイン アンナ


 正直迷宮に入る事の出来ない彼女は上手く物語に絡ませる事が出来ませんでした。ただ後ろで彼らの事を支えて、時には叱咤し、時には励ます役割が必要でした。


 始めから最後まで一貫していた思いはグランの事を愛していた事です。恋愛感情というより家族愛みたいなものでしたが、彼女はグランを理解して支持していました。


 安易かも知れませんが、グランとアンナの子供が生まれ変わったアルと友達になるのが一番いいと思っています。グランはもう二度とアレックスと会う事は出来ないので、友人にはなれませんから。


 でもグランもアンナも生まれ変わったアルを自分の子供のように可愛がっているという設定です。


 ・迷宮の竜 アザレア


 迷宮が人知を超えた存在であり、人にとって施しを与えるという説得力の為にアザレアは生まれました。後はアステリオスとアレックスが宝箱から生まれたという事の理由付けもあります。


 竜もといドラゴンは、迷宮の魔物で一番上位に位置している存在です。アレックスが半竜化していたのも、迷宮で一番強い存在に迷宮が変えていたからです。


 アザレアはグランとアレックスの友情の証です。彼らが出会い絆を育まなければアザレアは生まれませんでした。


 ・流浪の妖刀使い ツバキ


 ツバキは境遇がアレックスと似たキャラです。迷宮が生み出した妖刀によって人生を大きく変えられて、皮肉にもそれによって力を与えられた人間です。


 大きな違いは彼女には守ってくれる大人がいた事です。そのお陰で禍月は力を失い、ツバキが逆に力を取り込む形になりました。


 彼女の設定としては、アレックスの別の可能性です。アステリオスに歪められていなければ、アレックスは人に恵みと宝物をもたらす存在になれました。ツバキにとっての朧月のようにです。


 ・狂った王 アステリオス


 最後に彼の設定だけ書きたいと思います。


 彼がやった事は間違いなく彼の責任ですが、その実アステリオスはあまり積極的に動く事はしませんでした。


 作中でも書いた通り、彼は滅多に人の前に姿を現しません。それは王城内部の人間にもです。根本的に人間を憎んでいて、滅ぼす事を決めていたからです。


 ですが同時に施しを与える存在でもありました。彼の役割はトリックスターです。


 迷宮に囚われるがあまり、自分の思想も迷宮に染まっていきました。ラスボスだったら自分の作戦が成功しない方法を残す意味はありませんよね、結局アステリオスは場を乱すだけ乱しましたが、人と迷宮の関係を正した存在でもあります。


 アステリオスはアレックスを使った計画を立てていましたが、周りの人間の悪意が雪だるま式に固まっていった結果コントロールを失いました。彼は人間の悪意と欲望を舐めていました。好き勝手やったけれど、何一つ願いが叶いませんでした。




 これらのキャラクターの設定はあくまで私が物語を動かす上で考えていたものです。印象と違う所が多々あると思いますが、それが正しいです。


 物語は読んでくれる人がいて初めて成り立ちます。この物語を完結させてもらえたのは、ひとえに読者様のお陰であります。


 拙い文章で失礼しましたが、少しでも楽しんでいただけたのなら何よりです。もう一度心から感謝致します。本当にありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ