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風
時に優しく
時に冷たく、
私はいつも風変り
誰かのために吹きすさぶ
自分の意志で決められない
誰かのためにいつも吹く
言い訳
いつからだろう
家に帰っても何もいわなくなったのは。
いつからだろう
家に帰っても僕を迎えてくれる人がいなくなったのは
いつからだろう
僕がこんな人間になってしまったのは
答えはいつもの結論にたどり着く
仕事に明け暮れる両親のせい
一人息子をだだっ広い一軒家に放置している両親のせい
不満をいう勇気のない僕のせい……
年上
あの人はいつも誰かを求めている
――いつか失った人――
だからその人の代わりを
求める
見つかりはしないのに
手の届かない人を
求め、
一人で傷つく
僕は笑うしかできない
その人の傷に気づかないふりをして