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死神と呼ばれた″元″男  作者: トンカツ
46/51

第四十六話

 

 祝福、と。


 私の力をそう呼ぶモノ達がいたことを知っている。


 その力がどういったもので、何故そう呼ばれているのかも何となく察していた。


 嫌な笑みを浮かべこちらに寄ってくる汚いモノ達。顔も名前も知らないモノを、しかし笑顔で受け入れるほかはなく。


 それでも幸せだった。母が、父が。そんな私であっても愛してくれると分かったから。


 この力を使うことを、彼らは望まなかった。両手いっぱいの金の砂を持って帰ったときの表情を今でも覚えている。


 それでも。それでも何かしたかった。


 恩返し、と呼ぶことを最近知った。


 そう


 恩返しを




 したかった───







 ◇◆◇







「降ってきたか」


 しばらくの話し合いの後、組合を出ると夕方の空とは打って変わり、酷い土砂降りだった。

 舌打ちを1つしたアイーシャは鬱陶しそうに傘を開き、歩き出す。ばしゃりと跳ねた水たまりがくるぶしを濡らし、彼女はますます不機嫌そうに鼻を鳴らす。


 やがて都市部へ入り、いくつかの通りを越え、一軒の宿に辿り着く。白塗りの看板には烏場と書かれてあった。

 人通りはそれほど多くない道に面していながらバンの巡回路でもある。良い宿を選んだな、と少し感心した。


 宿へ入ると受付にいた男性がオッ、と声を上げてこちらへ目を向けた。


「見ない顔だね。こんな雨の中ご苦労さん。宿泊かい?」


「いや、人に会いに来ただけだ。マサシってやつなんだが‥‥‥」


「あーー。う~ん、悪いね。客の情報は出さないのがこの街の原則でね。何か保証できるものがあれば───」


「アイーシャさん?」


 声の方向へ目を向ける。

 飲み物を取りに来たのか。ゆったりとした服装に身を包んだマサシが驚いたような表情でアイーシャを見つめる。


「一体どうしたんだ?こんなところに?」


「あー」


 チラリと受付へ目を向ける。知り合いならば異論はない、と彼は肩を竦めてみせた。


「アイツに会いに来た」


「アイツって‥‥‥ティナか?」


 コクリと頷く。そっか、と小さく言葉を零したマサシは思案するように顔を伏せ、


「うん。いや、実を言うとこっちからお願いしたくてさ。あれからずっと塞ぎこんでるみたいで‥‥‥」


 マサシの視線が僅かに上へ動く。苦笑を浮かべながら彼は頬を掻いた。


「俺も、声はかけたけどどうにも、な。てかアイーシャさんが来るなんてビックリしたよ」


 あっ、と彼は慌てて言葉を付け足す。


「いや、別にアイーシャさんが冷たい人間とかそう意味じゃなくて。その───」


「どうでも良いからとっとと案内しろ」


「うっ。ご、ごめん。

 えっと、じゃあ取りあえず上に」


 階段を上り、部屋の前につく。簡素な扉が開かれたその奥で少女が1人、毛布にくるまったまま寝転がっていた。


「‥‥‥」


 マサシが止める間もなくアイーシャは部屋へ入る。

 後ろ手で扉を閉め(マサシは外にいたまま)無遠慮に彼女はティナの傍に寄ると、どかりと胡坐をかいた。


「お前のそれを治すのは現状不可能。

 それが俺達の出した結論だ」


 口を開くが否や、アイーシャは冷たく言い放つ。ティナの肩が僅かに揺れた。


「祝福にせよ呪いにせよ、未解明な部分が多い。というより個々の差が大きすぎて解明に手がつけられないのが現状か。

 ミルシィの回復魔術はあるが、大した効果は見込めない。実際、こっちにも呪い持ちがいるが効果はなかったしな」


「‥‥‥依頼していな───ません」


「そうだな。お前からの依頼は別だ。

 だからまぁ、これは俺の勝手だ」


 さて、と言って話を切り替えるように軽く指で膝を叩く。


「で、お前は結局どうしたいんだ?」


「‥‥‥」


「呪いは───祝福は剥がせねぇ。お前はその力に向き合っていくしかない」


「‥‥‥」


「これは俺の勝手な予測だが───お前、その力で殺しただろ?人を」


「ッ!?」


 毛布を払いのけ、驚愕の瞳でアイーシャを見つめる。ニヤリと口元を吊り上げたアイーシャの表情を見て、しまったというように唇を噛んだ。


「まぁほとんど確信だったけどな」


 似たような奴を知っているから。そんな言葉を胸の中で呟きつつ、アイーシャは目を細める。


「力と向き合うってのは、故意にせよ事故にせよ、その業も背負わなければならない。弱さは言い訳にならない。

 まぁ言われなくても分かっていただろ?」


 少女はかしこい。それは数少ない場面からでも読み取れた。

 力の意味と、制御しきれないこそすれ使い方を知った。

 この力は毒であると。理解するにはそう時間はかからなかった。


「それを踏まえた上でもう一度聞く。

 お前はどうしたい?」


「‥‥‥」


 少女は唇を嚙み締めたまま何も喋らない。

 しばらくの間が空き、再びアイーシャが口を開こうとした瞬間だった。

 震える唇が僅かに開かれ、


「私は───「どうしたいかなんて決まってる」」


 扉が開かれる。

 予想外の乱入者に目を白黒させるティナを、彼は優しく抱きしめた。


「生きたい。そうだろ?ティナ」


「マサシ、さん‥‥‥」


「生きて、楽しい場所で遊んで、美味しいものを食べて、綺麗な景色を見て、新しい友達を作って喋って、面白い冗談で笑って、時には怒ったり泣いたり、でも結局いい思い出だったねって言って‥‥‥」


「‥‥‥」


 抱きしめる手に思わず力が入る。ティナもまた震える手でマサシの身体を抱きしめた。


「生きて、生きて‥‥‥幸せになるんだ。幸せに。

 そうでないとこの子は───ティナは‥‥‥幸せにならなくちゃ‥‥‥」


「‥‥‥だがどうする?その力がある限り狙われ続ける。或いは、また誰かを殺すことになるぞ」


「させない」


 アイーシャの言葉に被せるようにマサシが言い放つ。


「現状は、ってさっきアイーシャさんは言った。

 今は確かに無いかもしれない。でも見つかるかもしれない」


 抱きしめていた手を放し、彼はアイーシャへ向き直る。涙を拭った手のまま、彼は自分の胸を強く叩いた。


「必ず見つける。俺が、必ず。例え何年かかろうと。誰かに狙われ続けようと」


「‥‥‥」


 綺麗ごとだ。口では何とでも言えよう。何より、彼にはまだまだそれを成し遂げるだけの力がない。

 だが、アイーシャは。彼女はそんな彼を見て小さく笑みをこぼした。


「ハッ───だったら俺から言うことは何もねぇよ」


 立ち上がり、2人を見下ろす。紅い瞳にマサシは僅かにたじろぐもしっかりとアイーシャを見返した。


精々足掻けよ(・・・・・・)


 部屋を出て、|うん〈・・〉と伸びをしたアイーシャは長い息を吐くと、


「そう殺気を向けるな」


「───ふむ」


 影から1つの影が立ち昇る。

 先程までの殺気はもうない。だがその瞳には強い疑惑の色があった。


(ぬし)の方こそ、どうするんだ?」


「どうってのは?」


「───」


 分かっているだろう、と睨まれアイーシャは肩を竦める。


「正直考えていない。手間を考えれば、どっちも同じだからな」


 だから、と彼女は続ける。


「なるようになれ、だ。あどりぶ?だったか。

 まぁ気に病むようなら今行動に移しても良いんだぜ?」


「‥‥‥ふん」


 腰に下げてある棒を軽く叩く。

 アベスタは何も言うことなく、静かに鼻を鳴らして影の中へ溶けていった。







 ──────────







 翌日。

 昨日の大雨は止むことなく、外はいまだ曇天のまま。

 迷宮に天気は関係ないとはいえ、気分はよろしくない。何時もならば組合の中で本を読むか、適当な店で物色しているところだが、今日は少し様子が違っていた。


「ハイ。大体これぐらいの煮込み時間でお肉を入れると良い感じになりますよ」


「りょうかい」


「あ、ユゥヤンはこれだとちょっと大きいですね。少し切りましょうか」


「はい」


「う~ん、良い香りですね。ちょっと味見しましょうか」


「はい!」


「あ、やっぱりそこは良い返事ですね。どれ私も‥‥‥おぉ!良い味ですね」


 昨日に引き続き、ミルシィはティナに料理を教えていた。曰く筋が良い、とのことらしく。今手を付けているのは4品目だ。


「うっぷ」


 アイーシャの向かい側で青い顔をしているマサシに内心合掌しつつ、小さく苦笑する。


(やれやれ‥‥‥)


 今朝のティナの様子を思い出す。組合まで足を運んだ彼女は、昨日までの様子は何だったのかというぐらい元気な声で、


「今日も料理を教えてください!」


「もちのろんです!」


 と止める間もなく返事をした馬鹿はティナを連れて市場へ。帰ってきたときには両手一杯に食材を抱えていた。


 出来上がった料理を持ってきたミルシィがところで、と口を開く。

 タウヤンと呼ばれる、鶏肉をククナッツと牛乳で煮込んだ料理である。少し甘めに作られたそれは本来は米が入っているものだが、今回のものには入っていなかった。


「結局移動はいつにします?」


「明後日だ。北へ行こうと思っている」


「北‥‥‥というとワサバリでしょうか?それともトゥルトゥラ王国?」


 どちらも迎合派にあたる国であり、中でもトゥルトゥラは独自の格闘術を持っており、国民が修めることを義務付けられている国だ。

 興味深い選択肢ではあるが、彼女は首を振り、


「イスパニアだ」


「───ッ!?」


 何のために、と聞かないのは流石の付き合いか。一瞬の思考の後、そうですかと頷いた。


「ではサーマさんは」


「既に了承済みだ。連絡はこれで行う」


「これは‥‥‥」


 取り出されたのは2つの宝石、のようなもの。四角い赤と青のそれらはガワに特殊な装飾が施され、角には持ち運びしやすいように長い鎖がつなげられていた。


「共鳴のタルクだ。合流を促す際にコイツを使うと、双方が光る仕組みでな」


 赤い宝石の角に付けられている金具を回し、装飾の部分を特定の手順でなぞる。最後に軽く弾くと、赤い宝石が輝きだし、遅れて青い宝石も輝きだした。


「おぉ。これは便利ですね」


「だろう?」


 得意げに口の端を持ち上げるアイーシャに対し、ミルシィは感心しながらもやや冷ややかに、


「で、何ギルしたんですか?」


「‥‥‥」


 ズズズとすする音が響く。向かい側では青い顔をしながらも完食しきったマサシがティナをほめちぎり、嬉しくなったティナがおかわりを勧めてくるという微笑ましい光景が広がっていた。


「と、いうわけだ。お前たちはどうする?」


 マサシの方へ向き直ったアイーシャが尋ねる。

 安堵の表情を浮かべたマサシもまたアイーシャへ顔を向ける。


「あぁ、そうだな。うん、俺達も合わせるよ」


「ハッ!着いてくるつもりか?」


「うっ‥‥‥それも考えたけど。けど、やっぱりこれ以上迷惑はかけられない」


 ティナの頭を優しく撫でる。彼女は嬉しそうに目を細めた。


「でも、今の、この機会は利用させてもらう。アイーシャさんたちの側にいれば、アイツらも手は出しづらいだろうし」


 くつくつとアイーシャは笑った。


「あぁ、それでいい」


 それから穏やかな時間が過ぎていく。戻ってきたグレイとサーマも合わせ食卓を囲み。京は隅の方で、しかし食事に罪はないと静かに匙を運んでいた。


(何かあればと期待していたが)


 気になることは多々ある。最近では都市の中で起きる問題も増え、兄のブラノも忙しそうに駆けていた。

 ウェーツベンからの依頼も特筆するものはなく、主に迷宮外で採取出来る素材の調達がほとんどであった。


(残念だ)


 時期が悪かった、と彼女は内心ため息を吐く。

 この都市の人からすればたまったものではないだろうが。








 ──────────








「たいむりみっと、か‥‥‥まぁ仕方あるまい。

 では、始めるとしよう。




 ───『英雄の物語』を」







 ──────────







「ふぅ~疲れたぜ~。

 あれ?ティナは?」


「アイツならさっき宿に戻ったぞ。サーマが付き添っている」


「ありゃ、だったらもうちょい早く帰って来れば良かったな」


 グレイとともに組合へ戻ってきたマサシは頬を掻きながら近くの席に腰を下ろす。しばらくの後、彼は小さく、


「ありがとな。楽しそうだ」


「‥‥‥」


 返答はない。パラリと本が1枚めくれる音が響く。


「あーー。そう、いや。明日だっけ?

 寂しくなるな~」


 本当に、と彼は薄く微笑んだ。


「アイーシャさんたちがいなきゃ、ティナを救い出すなんて無理だった。それどころか下手をすれば2人とも‥‥‥

 感謝している。心の底から」


「ハッ」


 パタンと本を閉じ、アイーシャはマサシの方へ顔を向けた。


「いきなり剣を突き付けてきた奴の言葉とは思えんな」


「うぐっ。いや、あれはその‥‥‥若気の至りと言うかなんというか‥‥‥」


 しどろもどろに言葉を重ねるマサシに、アイーシャはくつくつと笑う。


「良かったな。命拾い(・・・)して」


「ア、アハハハハ‥‥‥」


 で、と彼女は続ける。


「今でも奴隷は許さないか?」


「───ッ」


 視線はマサシへ向けたまま。

 揺らぎのないその瞳からは彼女の真意を探ることは出来ない。

 果たしてこの答えで良いのか。彼女を怒らせるようなことになるだろうか。

 内心で深呼吸をしながらも、彼はやはりこう答えた。


「あぁ」


「‥‥‥」


「この国にしばらくいて、確かに俺が考えていたものと違うことが分かった」


 帝国は良い国だ。

 奴隷にも確かな権利があり、気に入らないと鞭を打たれることはそうない。


「それでも、俺はそれ(奴隷)は認めたくない。

 もっと違う形があってもいい。人を物とみなすなんて、やっぱり可笑しい。

 それが俺の結論だ」


 言い切ったあとマサシはゴクリと喉を鳴らす。

 いざとなれば全力で逃げられるように(逃げ切れるとは思えないが)

 そんな彼の内心とは裏腹に、アイーシャはただ小さく肩を竦めると、


「そうか」


 それだけを言って本へ意識を戻す。

 肩すかしを食らったような気分だが、しばらく経っても何もない。

 安堵した彼はミルシィから差し出されたお茶を一息にあおると、


「ごちそうさん!じゃあ、また明日。

 ミルシィさんも、グレイさんも。2人とも色々とありがとうな!あとサーマさんとアベスタさんと、あと‥‥‥えーと、あのフードの人にもそう伝えてくれ!」


「いえいえ~」


「‥‥‥」


 最後に1度振り返る。恐らく2度と見ることの無い景色を焼き付けるように。


「じゃあな」


 小さく言葉を零し、扉に手をかけたその時だった。


 腹の底に響く、鈍い音。


「「「───ッ!?」」」


 2発、3発。

 轟音。恐らく、火薬かその類が使われたもの。

 真っ先に反応したアイーシャは扉を蹴破り、外へ出る。


「煙‥‥‥」


 遅れてマサシ、グレイ、ミルシィと外へ出る。視界の先では細く立ち昇る黒い煙の柱が見えた。


「街の方‥‥‥ティナ───ッ!」


 理解よりも早く身体が動く。

 一目散に駆け出したマサシの後方でアイーシャは目を細めた。


(‥‥‥いや、考えるのは後か)


「行くぞ」


 2人の反応を待たず、アイーシャもまた駆け出す。


「ちょちょ!アイーシャさん!待ってください~!」


「‥‥‥」




 住居区が遠いためか門の周りにはさほど人はおらず、すんなりと街の中へ入れたアイーシャはすぐさま顔を上げる。

 見える煙の柱は6本。


(住居区だけじゃない?あまり人がいない工業区からも煙があがっている。無作為、か?)


 あるいは───


「はぁはぁ‥‥‥あーーまーー一応聞きますケド。正直私達には関係ないのでとっとと避難した方が───」


「答えは分かってんだろ?目の前で祭りが始まってるんだ。参加しない手はねぇ」


「ですよね!えぇえぇ!分かっていましたとも!」


 頬を膨らませて怒っているぞと表現するミルシィは無視し、アイーシャはグレイの方へ顔を向ける。


「キョウと合流してマサシの方へ向かえ。良いな?」


「‥‥‥」


 グレイが何かを言うよりも早く、アイーシャがそう告げる。

 それが彼の本意ではないことを知りながらも。


 何故、と聞くことに意味はない。勘、と返されるのがオチだろう。

 しばしの黙考の後、彼は小さく息を吐いた。


「分かった」


 自分は良い。ならばお前はどうするのか。

 グレイがそう聞こうと口を開いた矢先、音が響き渡る。

 この街に来てから何度聞くことになっただろう。重く響く鐘の音だ。


「魔導駆輪‥‥‥」


 風を唸らせながら走るソレは人がいようと速度を落とすことはない。咄嗟に距離を取るミルシィとグレイとは対照的にこれだ、と思ったアイーシャは反射的に手を伸ばす。

 掴んだのは側面に取り付けられていた手すり。グン、と引っ張られたアイーシャの身体が宙に浮く。


「アイーシャさん!?」


 ミルシィが悲鳴のような声をあげる。

 しかし、その声は風の唸り声にかき消されアイーシャの元へは届かない。

 手すりを掴んだまま身体を捻り、極力風の影響を殺すようにピタリと張り付くように体勢を整える。


(狙いは陽動)


 本命は、王の首。


 魔導駆輪は本来止まるはずの駅を飛ばし、更に先へ向かう。

 これも何かの事故か。それとも意図的かははかりかねるが、アイーシャにとっては有難かった。


(さて、ここらへんか)


 頭の中で描いていた地図によると、この辺りが目的地に最も近い。

 飛び降りたアイーシャは勢いを殺すように転がり、そのまま立ち上がると駆け出す。


(そういや、見るのは2度目か)


 1度目は観光。それも遠目に見ただけであまり印象には残っていなかった。

 ソレの前に着いたアイーシャは軽く顔を上げる。見る者を圧倒するその威容を前にして、彼女は小さくため息をついた。


「さて、どっから入ろうかね」



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