第十九話
鉄を打つ
口元を覆う布の隙間から僅かに吐息が漏れる。
鉄を打つ
カッと開かれた眼は、しかしそこに意志は宿っておらず、ひたすらにその様が変わっていく様子を映し出していた。
そうだ意志はない。
既に夢果て、集う同志もおらず。語る友も失い。
鉄を打つ
宙に散る火花に何を見たか。移ろいゆく物の奥深さに何を思うたか。
答える声はあらず。問う気力すらもはやない。
鉄を打つ
無心に。ただ無心に。
窯に宿る炎が顔を撫でる。噴き出した汗が地に落ち、黒く染め上げる。
鉄を打つ
重く、力強い音が響く。腕に走る痺れが、浮き出る血管が身体の限界を伝えようと脈動する。
それでも一打に力を籠める。そこに意志は───
鉄を打つ
意志はない‥‥‥あるはずが、ない
息を吐く
そして
鉄を打つ
◇◆◇
「さ、てと」
尋ねるも尋ねるも知らないと返された名前ではあったが、やはり数名知る者はいた。
そいつらを軽く脅し───もとい説得して得た場所であったが、
「本当に合ってるんだよな?」
この街の一際辺境に建てられた灰色の建物。
辺りに人の気配はなく、さびれた空気が一層建物のわびしさを引き立てていた。
とりえあえず入ってみるかと戸に手をかける。その見た目とは裏腹に戸はすんなりと開き、彼女を出迎えた。
「おぉ」
視界に広がるのは壁に立て掛けられた数々の武具。成程、ここは武具店だったのかと思いつつ店の中を歩く。
「ふむ」
感心したように彼女が頷く。飾りは無く無骨な様子ではあるが、丁寧に鍛えられたものであることが窺えるものばかりであった。
試しにと手に取った剣を振るう。ぶれることなく素直に想像通りの剣筋をなぞるのを見て、彼女は感嘆の息を吐いた。
「腕は確か、といったところか」
これだけの武器を打てる者が何故こんな地に拠点を構えているのか。興味を惹かれるところではあるが、それを抑え更に店の中を進む。
片手剣、両手剣、槍、棍棒、槌、弓、盾。代表的な武具だけではない、中には前世の記憶にもない武器もあった。
それだけの武具を揃えつつ、見る者に散在した印象を与えないのはここの店主の性格故か。さてこれはどう使うのだろうか、そんなことを考えつつ歩みを進めること暫く。
ふと、目に留まるものがあった。
「石?」
武具に埋もれるように置かれた籠。その中にある、いっぱいに詰め込まれた石。不思議な紋章が彫られており、僅かに魔力を感じるものであった。
さてどういったものか。手に取り不思議そうに眺めていたその時だった。
「それに触るな!」
突如上がる怒号。胡乱気に声がした方を向くと、そこには目を血走らせた鉱人族の男が立っていた。
鉱人族特有の短く、それに似つかわしくない筋骨隆々とした身体。ぼさぼさと逆立つ赤銅の髪に適当に伸ばされた赤銅の髭。質素な肌着のみをまとったその男は、まさに荒々しいという表現を体現する姿であった。
「さっさと手を離さぬか戯け!」
気迫迫る表情で声を荒げる男に、アイーシャは僅かに目を細める。
僅かに足に力を籠めつつ、彼女は気楽な様子で尋ねた。
「なんだ?そんなに大事なものなのか?」
「違うッ!ただの‥‥‥ただの出来損ないだ!」
「じゃあ良いじゃねぇか」
「黙れ小娘ッ!これ以上は許さんぞ!」
男が僅かに身構える。
ここで戦うのは得策ではないなと、彼女は手にしていた石を籠に戻した。
「そんなに怒んなって。で、こいつはなんなんだ?」
「フゥ‥‥‥フゥ‥‥‥貴様には関係ないことだ」
「いやぁ気になるねぇ。ただ手にしただけで怒鳴られた身としては、な」
「黙れッ!貴様に話すことなどない!」
肩をいからせ背を向ける男を見て、彼女はやれやれと肩をすくめる。
どうやら成果はなさそうだと見切りをつけ帰ろうとするが、どうにも石が気になる。面倒くさそうに頭を掻くと、
「なぁ。まぁ返答は期待してねぇが」
奥の方へと消えていく男の背を見ながら、彼女は問う。
「こいつはなんの出来損ないなんだ?」
男の足がピタリと止まった。
「‥‥‥」
おや、と思った彼女は畳みかけるように言葉を紡いだ。
「触るなっていう割にはどうにも置き場が可笑しい。武器に埋もれるように置かれてはいるが、絶対に見つからない場所ってわけじゃあない」
現に俺に見つかっているしな、と彼女は肩をすくめて見せる。男は小さく呻いた。
「忘れておっただけだ‥‥‥」
「の割には随分と必死な声だったが?」
「貴様には───ッ!」
「なぁ」
男の声を遮り、彼女は挑発的な視線を彼に向ける。猛禽類を思わせるその鋭い視線に、男は僅かにたじろぐ。
「良いじゃねぇか。たかが小娘。話しても大して影響はないだろう?」
「‥‥‥」
「その出来損ないってのを捨てずに置いておいたワケ。まるで、そうだな‥‥‥|誰かに見つかって欲しい《・・・・・・・・・・・》とばかりに置いといたワケをよ」
「‥‥‥‥‥‥」
薄く笑う彼女を殺意すら籠った視線で睨みつける。それでも僅かに動揺する様子すら見せない彼女に、彼はいよいよ観念したように息を吐いた。
「たかが小娘、か‥‥‥」
「おう」
成程、見かけは確かに可憐な少女そのものである。
だがしかし、その中身はまるで別物。対峙することで彼女が内包する圧力を感じ、男は低く喉を鳴らした。
「『刻印石』と呼ばれる石があることは知っているか?」
「いや‥‥‥」
この世界について色々と調べているとはいえ、全てを知ることは出来ない。その名もまた、彼女の記憶にあるものではなかった。
「『脈拍石』にすら匹敵する伝説の石。あれは万物を不変に変えるもの。刻印石は万物を流転させるもの」
「‥‥‥まさか、これが?」
「そうだと、信じていた」
だが!と彼は力強く壁を叩く。
「違った!いかなる素材!いかなる薬を使おうと応えるものはなかった!まがい物であった!なんの!なんの価値もない石だった!」
荒く息を吐く。さて、その事実に至るまでにどれほど時間をかけたのか。
アイーシャは知る由もない。しかし、それでもわかるものはある。
「無駄だった。無意味だった。伝説はただの伝説だった。それを理解し、俺は‥‥‥」
「だが希望は捨てられなかった」
その言葉に男はうつむきかけた顔を上げる。
「わかるぜ、その無念。俺も、そんな男を知っている」
「‥‥‥ハッ」
嘘とは思えぬ少女の言葉。まさかこんな小娘に慰められるとはな、と彼は乾いた笑い声をあげた。
「まぁそれだけだ。これ以上話すことなどない‥‥‥」
「成程ね」
疲れ切った男の声を聞きつつ、彼女はふと思ったことを尋ねた。
「ところでよ、なんでこいつがその刻印石だと思ったんだ?」
「ん?あぁ、そうだな」
ゆっくりと歩み寄った男は籠の中から石を1つ取り出す。そしてブツブツと何かを唱えた瞬間、
ピシリ
乾いた音が鳴り、石が2つに割れる。すると割れた面から独特な紋様が現れたのであった。
「これだ。伝説上でも刻印石に関する特徴は描かれていない。しかしこれこそが刻印石の証であると思っていた」
「ほー」
アイーシャも、どれと言って石を手に取り、男が止める間もなく割ってみる。
否、割ってみるというよりそれはただの破壊であった。パキュッと音を立てて石は粉へと変わった。
「あ」
「きさ───ッ!」
「いや、すまんすまん」
絶句する男を他所に特に反省の色を見せることなく、頭を掻きながら彼女は手を開く。
そのとき、ふと手のひらに感じる奇妙な感触に小首を傾げた。
「おい、爺」
「チッ!やっぱり止めておけば‥‥‥何だ!?というか俺は爺じゃねぇ!」
「んなことはどうでも良いんだよ。それより、なんだこりゃ?」
「あ?」
差し出された手のひらを眺める。
そこにあったのは粉になった石。そこに埋もれるようにして僅かに光る、極めて小さな紅の石。
「‥‥‥は?」
「綺麗だが、随分と小せぇな。こいつはなんて石だ?」
「いや‥‥‥いやいやいやいや!」
「ん?」
突如取り乱したように声を上げる男に、彼女は胡乱気な視線を向ける。
そんなことはどうでも良いと言わんばかりに、彼は気迫迫る勢いで彼女に詰め寄った。
「何だ?貴様!何をした!?」
「何って‥‥‥砕いただけだが?」
「馬鹿な、砕いた?砕いたら‥‥‥いやいやいやいや!?」
いよいよアイーシャの視線の温度が下がっていくが男は気にしない。飛びつくように籠の中の石を手に取り、渾身の力を籠めて床に叩き付ける。
「‥‥‥」
「‥‥‥」
「‥‥‥」
「‥‥‥粉だな」
「‥‥‥」
「‥‥‥」
再び石を取り出し、押し付けるようにしてアイーシャへ渡す。
「もう一度だ!もう一度砕いて見せろ!」
「‥‥‥まぁ構わんが」
もはや狂人にも等しい表情を見せる男の言葉に渋々従いつつ、先と同じ手段で石を砕く。
すると、
「!?」
「お」
再び現れた紅の石。それも先のより少しばかり大きいようだ。
「で、こいつは一体───」
「ヌゥウウウウ!!」
アイーシャの疑問に答える声は無い。男は石を取り出すと、今度は憤怒の表情でそれを握りつぶした。
「‥‥‥」
「‥‥‥」
「ヌゥウウウウ!!」
ぐしゃッ
「‥‥‥」
「‥‥‥」
「ヌゥウウウウウ!!」
ぐしゃッ
「‥‥‥」
「‥‥‥」
「ヌゥウウウウウウウウウ!!!」
ぐしゃっ
「‥‥‥」
「‥‥‥」
「ヌ「いい加減にしろ」ゴォアァァァァ!!!」
放たれた拳が見事に男の頬に突き刺さり、回転しながら床へと叩き付けられる。
痛みに呻く男の前に立ち、彼女は苛立ちを隠さぬ様子で尋ねた。
「なんなんだ、こいつは?」
「‥‥‥知らぬ」
「あ?」
「見たこともないものだ。だが‥‥‥」
僅かに理性の戻った瞳を、彼女が手にする石に向ける。
間違いない。あれはただの石ではない。中で渦巻く魔力の奔流。これまで見てきたどんな魔石よりも荒々しく力強い奔流を見せるその石は、彼の直感を確信へと至らせるのには十分過ぎるものであった。
「信じられぬ。いや、しかし」
貰うぞ、と彼は小さくつぶやくとアイーシャの手のひらから紅の石を一粒取る。
そしてそれを近くの剣へとかざすと、
「炎を纏え」
変化は劇的であった。
真紅の輝きが辺りを埋め尽くし、同時に炎が光の中で吹き荒れる。続けざまにどう、と鈍い音。眩さに細まった視界の中で男が力なく崩れ落ちる姿が映った。
「は?」
アイーシャ は こんらんした
──────────
「で、あれはどういうことなんだ?」
暫くし、意識を取り戻した男が呻きながら立ち上がる。
尋ねたのは先の出来事。まるで理解不能な出来事であったが、解ったこと、というよりも見覚えのあることが一つだけあった。
「お前が倒れた理由。魔力の枯渇によるものだろ?どういうことだ?」
何かしらの事象を引き起こすために用いられる力、魔力。
それは本来であれば枯渇することのないものであった。
「魔力が枯渇する前に体は防衛本能のために魔力の流れを一時的に弱め、出を悪くするだったか?んで、例外が()一瞬で膨大な魔力を使うこと」
「‥‥‥」
「あの石か?あれは結局何なんだ?」
「‥‥‥見つけた」
「何?」
「フ、フハハハハハ!フハハハハハ!成程成程!そうか!そういう事だったか!」
アイーシャを完全に無視し、男は狂ったように笑いだす。
「圧力!魔力!ただの魔力だけでは足りぬ!根源を練りこんだ魔力!これか!これが正解ヌォオオオオオ!?」
顔を上気させ一気にまくし立てる彼に、ついに痺れを切らしたアイーシャが男の頭部を鷲掴みにする。
尋常じゃない力を加えられた頭蓋からは軋むような異音が響く。あまりの激痛に男は目を剥きながら必死にアイーシャの腕を叩いた。
「黙れ。そして話せ」
「解った!悪かった!すまん!話す!」
──────────
「落ち着いたか?」
「あぁ。すまない、取り乱してしまった」
今度こそ大丈夫だというように、彼は深々と頭を下げる。アイーシャはやや呆れつつも、まぁ良いと軽く手を振った。
「じゃあ改めて話してもらおうか」
「うむ、そうだな」
コホンと咳ばらいを1つし、居住まいを正す。
「語る前に確認しておくべきことがある。貴様()いや、お主。名は何と?」
「アイーシャだ」
「うむ、そうか。アイーシャか。しかと覚えておく。
さて、自己紹介が遅れたな。俺の名前はシュドゥラ。よろしく頼む」
そう言った彼はさてと腕を組みなおし、ついとアイーシャが手にする紅の石へ視線を寄越した。
「ではアイーシャ。聞くが、それをどうやって生み出したか理解はしているか?」
「どうやって?」
そう言われても、と彼女は首を傾げる。やったことと言えば力づくで握りつぶしただけだ。特別思い当たる節はなかった。
「うむ。まぁつまりは全くの偶然ということだな。いや、成程」
フムフムと何かを納得するように深く頷く。
「はてさて、これははたして単なる偶然か。或いは天命か‥‥‥」
「ん?」
「いや、すまん。そうだな、どうやって話していくか‥‥‥」
小さな呟きは彼女の耳に届くことなく消えていく。
暫く考え込んだ様子の彼だったが、やがてポツポツと語りだした。
「すでに察しているとは思うが‥‥‥お主が持つその石。それは間違いなく刻印石である」
「ほう」
予想通りではあるが、やはり疑問は残る。そもそも刻印石は伝説上の存在。こう易々と見つかるとは思えないが。
「その石の出現には条件があった。それは根源に通じる魔力」
「あ?」
聞いたことの無い言葉に彼女は首を傾げる。
「俺自身、詳しく知っているわけではない。知り合いの魔術師がこぼしていた言葉にあったものだ。
だが、今ならなんとなく解る。お主の魔力は通常の魔力とは根本的な部分でまるで違う。魔力という定義の中では等しいのだろう。だが、何と言うべきか‥‥‥魔力の“在り方”がまるで違うのだよ」
「在り方ねぇ」
そうは言われてもピンとこない。彼は苦笑しつつ、ともかく、と言葉を続けた。
「お主の力があれば刻印石を生み出すことが出来るというわけだ。どうだ?1個ごとに100万ギル出すぞ?」
「ほー」
アイーシャは興味なさげに息を漏らす。そんな態度が目に入っていないのか、シュドゥラは黒い笑みを浮かべていた。
「クックック。刻印石の量産が進めばサーハーン踏破の目途も立つ。これでようやく奴等も───」
「待て」
「ん?どうした?」
鬼族を思わせる恐ろしい形相でシュドゥラを睨むアイーシャ。その恐ろしさにシュドゥラの声が僅かに上ずった。
「それがあれば絶界を越えられるのか?」
「確信はまだない。そもそもお主が見た通り、これはあまりにも魔力の消費が大きすぎる上に使えるのは一回だけ。
だが改良する時間さえあれば───」
「その時間を埋める方法があると言えば?」
「何?」
目の前の少女から感じる圧が少しづつ強まってくる。肌がひりつくような感覚を前にしながらも、彼は疑問の声をあげる。
「互換を使える者がいる」
「!?」
その魔術の存在はシュドゥラは知っていた。使い手は極わずかで、目にすることないと思っていたが‥‥‥
「真か!?」
「あぁ、本当だ。んで、ここから先が大事な話なんだが」
続く言葉は報酬に関することだろうと、シュドゥラは考える。互換を使う者がいるならば、作業は大幅に短縮できる。
どれぐらいで彼女は飲むだろうか。そんな考えは続く言葉で一気に吹き飛んだ。
「俺は絶界を越えるためにここに来た」
「‥‥‥何?」
「俺がもつ力を全て貸してやる。だから俺に力を貸せ、シュドゥラ」
果たして、目の前にいる少女は何と言っているのか。
理解が、追いつかない。
「ふざけるなよ‥‥‥」
思わず歯を食いしばる。口から出るのは唸りにも似た怒りの声。
「舐めるなよ!サーハーンを越えることは我等が悲願!貴様のような小娘が易々と口にすることなど───」
「安心しろよ」
怒号を発するシュドゥラを遮り、彼女は柔らかく微笑む。しかし、その笑みを見た瞬間
───背筋が凍り付いた。
「俺は必ずや越えてみせる。悲願ってほどじゃないが、ようやく手に入れた数少ない願いだからだ」
嘘を言っている顔ではない。だが死にゆく覚悟を決めた者の顔でもない。
希望。まだ見ぬ世界に焦がれを持つ者の顔。
(そうか)
だからなのか。この少女がどこか空恐ろしく思えるのは───
「シュドゥラ。お前に選択の余地を与えてやる。
俺に全てを託し、悲願を達成することに賭けるか。或いは悲願を捨てるか」
ゾッとするほど獰猛な笑みで彼女は問いかける。選ぶ余地などない選択肢を与え、彼女は彼を試す。
「何度でも言うぞ。俺は絶界を越える。後はお前次第だ」
「ク、ハッ───」
笑わせてくれる。かつて抱え、今なお燻り続けた願い。ようやく叶える手段を前にし、どうして捨てられようか。
「癪ではある。お主のような小娘に、悲願を託すことが」
しかし、しかしである。思えば誰かに己の願いを話すことは久しぶりであった。
或いは彼女だからこそ、話す気になれたのだろうか。
「託すぞ、俺の願いを。だからお主も、俺に全てを預けろ」
「当然」
両者は笑い、拳を突き合わせる。
半ばやけくそではあったが、
(人生全てをぶつけた、たった一度の博打だと思えばこれも悪くはない)
方法は解ったとはいえ、根源に通じる魔力を持つ者を彼女しか知らない現状、他に手はない。また一から探すのも手間である上に見つかるとは限らない。
(吉と出るか凶と出るか)
鉱人族に祀る神はいない。しかし、成程。人族などがこういった場面では願いたくなるのもわかるような気がした。
(まぁ俺には───)
「あ、完成の目途は2週間な。死ぬ気で仕上げるぞ」
(───神よ)
シュドゥラ、齢52歳にして神頼みを知る。