⑹対決!幽々子&紫VS咲夜
幽々子編
幻想郷らしいゲームにニコニコ顔の幽々子。その顔は突然崩れる事になる。
「…!?フランの能力…まさかexボスの能力もコピー出来る様になったと言うの!?そんなの無敵じゃない…!」そう。今までは幻想郷の住人で余裕で対処できる範囲内だった。しかしこれは違う。このままだと明らかに幻想郷の脅威となる。最悪博麗の大結界を破られてしまう恐れも…そうすれば幻想郷の存在を知らない人間達が幻想郷の存在に気付くなど当たり前である。そうなれば今度こそ完全に[GAMEOVER]、幻想郷は存在出来なくなってしまう。事の重大さに気付き、とうとう動き始める幽々子。そしてこの膠着状態だった盤面が大きく動くのである。
「このままだと妖夢達が危ない…もう私が行くしかないわ。でもその前に…さっきからイタズラしかしてないアイツは…!」
そして猛スピードで飛び立って行った幽々子。犯人とは全く違う方向へと。
無人の白玉楼に残るのは幽霊達のみ。そして幽霊達は一斉に同じ事を考える。ここまで幽々子が怒った姿を見た者は居るだろうか?そもそも怒った姿を見た者すらいないと言われている。
そんな幽々子が怒った事自体が信じられない。一体何故…
夜明け迄残り6時間45分
白玉楼から飛び出した幽々子。「早く紫の元へ…!」お目当ては紫のようだ。「紫は何故アイツを放置した…直接境界で外の世界へ返せば済んだものを…!どうせアイツの事だから今回も楽しんでる筈…だけど!今回は規模が違うじゃないの!楽しんでなんかいられないわよ!」
八雲紫は境界の世界に居るから会えない…と幻想郷の住人達には思われているが、一部の例外がある。実は八雲紫の境界。少しだけ残ってしまうのだ。境界を弄った後には必ず残り滓がある。人間には見えないが、幻想郷の住人の中でかなりの実力者なら見る事ができる。そしてその残り滓はかなりの力を入れると境界の残り滓を強制的にこじ開ける事が出来る事が出来るので伊吹萃香ならばいとも簡単に侵入が出来る。本人はやらないようだが。しかし、幽々子の場合は実力者であっても力が無いのでこじ開けられる筈は無いのだが…それなのに結界の残り滓に辿り着くとそのままこじ開けようとする。
「グッ…………ゆ……か…りぃーー!!!」
本来なら開かない筈の残り滓が徐々に開き…
「いい加減に…しろっ!」ガッ
空間が歪んだ。
説教も済んだ事だしさっさと寝よーなんて考ええながらパジャマに着替えようとしていた紫は突然空間が歪んだのに気付き、ついめんどくさそうな顔をしてしまった。
「えぇ…萃香来たの…?この時間だからきっと酔っ払ってるし…面倒くさいわね…」
そして裂け目が開いた時に目を見開いてしまった。
「幽々子…?」
考える暇も無く突入して来た幽々子に驚く暇も無く…
「ふざけるなぁー!!!」ヘブシッ
殴り付けられた。
後ろに吹き飛ばされつつ考える。どうしていきなり来たのか?何故残り滓を開けられたのか?考えた末に発したのは、
「どうして貴方がここに居るの?」
その言葉に返ってきたのは返答では無く私に対する抗議だった。
「ふざけないでよ!なんであんたはあんな怪物を放置しているのよ!元々はあんたが幻想入りさせた奴じゃ無い!境界ですぐに戻せると考えてるの!?あいつは今extraボスさえもコピー出来るようになった!貴方の能力はもう効かない!手遅れかもしれないのよ!それなのに何故…」グスッ
そこまで言い切ると幽々子は泣き叫んだ。
「何故貴方は大賢者なのに幻想郷を見殺しにしようとしているのよ!」
「幻想郷は…私達の大切な…居場所じゃ無いの…それなのに…それなのに…」ウゥッ
「幽々子…」
普段なら寝る時間だったので集中力が無く、気付かなかったが、確かにフランの能力がコピーされている。そして私の能力が効かないのも事実のようだ。確かにこれは幽々子の言う通りただの〈無害なヤツ〉では無く〈怪物〉だ。
今更だが今までの行為を悔やむ紫。そしてとある決意を胸に固める。
「悪かったわね…幽々子…」
「今更どうにもならないわよ…アイツは…」
「いや、どうにかしましょう。今までの大異変も幻想郷のみんなで乗り切ったじゃない。今回もみんなで乗り切りましょう。幻想郷の大戦争よ!」
「えぇ…そうね…紫。一緒に頑張って幻想郷を救いましょう。」そう言い切ると幽々子は涙を振り払い、紫が見た中で1番綺麗な顔をして笑った。つい暫く見惚れてしまったが、幽々子に疑わしい目をされたので慌てて首を振り、
「さ、あそこの境界を紅魔館門前まで繋いでおいたわ。さっさと気絶霊夢取り戻すわよ!」
夜明け迄残り6時間半
紅魔館に到着した瞬間美鈴が襲い掛かってくる。この時点で2人は事実を完璧に理解する。
「あーこれレミリア精神操作受けちゃってるわー」
「ねー。しかもこのタイプだと操作主倒さないと解除できないわー」
「まぁでもせめて気絶はさせておかないとフランに接触出来ないわね…」
「さ、行きますか。」
とか言いつつちゃっかり美鈴を倒している2人。
美鈴からすれば本当に恐ろしい。
ー 今の会話10秒程度ですよ?勝てる訳ないじゃ無いですか(´・ω・`) ー
紅美鈴を瞬殺して霊夢がやられた図書館まで来た2人。霊夢はパチュリーの不意打ちに気付かなかったが、2人はあっさり気配を看破し、こちらも瞬殺。
(後にこの話を聞いた霊夢は弾幕バトルの時に紫は本当に本気を出していたのだろうか?と疑ってしまったらしいが、それはまだ先の話。)
こうして咲夜がいる筈の廊下まで辿り着いたのだが…
「いないわね。」
「あぁ、それなら咲夜を異変調査に向かわせたみたいです。妖夢が霊を通して伝えてくれました。」
「あら、そうなのね。じゃぁ遠慮なくレミリアの元へ……………。来るわよ!下がって!」
「幻符『殺人ドール』」
「クッ…何故咲夜がここにいるの!援護お願い!」
「分かったわ!」
「幻葬『夜霧の幻影殺人鬼』!」
「桜符『完全なる墨染の桜-開花-』!」
「援護ありがとう!咲夜が今出したスペルは本当なら咲夜から連続してナイフが直線的に飛んでくるスペルな筈!しかし今はナイフの軌道が曲線で全方向攻撃になっていた!やっぱり強化されてるわ!一筋縄じゃいかない!」
「じゃこっちも防戦一方じゃダメね!了解!」
「空虚『インフレーションスクウェア』!」
「境界『永夜四重結界』!」
「華霊『ディープルーティドバタフライ』!」
「クッ…まだ負けられない!
傷魂『ソウルスカルプチュア』!」
「終わらせてやるわよ!藍!
外力『無限の超高速飛行体』!」
「死蝶『華胥の永眠』!」
「グッ…お嬢様…逃げ…て…………」パタッ
「なんか…今のを聞くと自分が悪者みたいに思えてくるわね…2対1の戦闘だったし。」
「気絶する直前まで完璧な従者…咲夜ってやっぱり凄い…」
「さ、レミリアの気配、咲夜より大きくは無いようね。咲夜だけ強化されていたのかしら…まぁいいわ、さっさとフランに何か知っているか聞いて霊夢を助け出さないとね!」
幽々子こんな格好良かったっけ?別に良いじゃん。だって推しキャラだし。♪(v^_^)v