(2)異変の始まり
いや、これ書いて思ったけど短っ!
午後9時。入り口で立ち止まったものの、集合時刻通りに来ることができた。私にしては珍しい。
「お、魔理沙!ちゃんと来たじゃないの!じゃあ早速行くわよ!って言いたいけどねぇ…」
「それどころじゃないからな…」
「一回状況を整理してみましょう。今日急に寒くなった事から、今日春が来ない異変が起きたのは確実でしょうね。」
「あぁ。その後8時45分に紅霧異変が起きた。多分月がすり変わる異変もその時に起きたんだろう。」
「要するに全部で3つの異変が同時に起きているのね。」
「これらを踏まえると次に確実に…」
「えぇ。花が咲き乱れるわけね。」
「今は夜だから紅霧異変は誤魔化せてるけど夜が明けたら幻想郷の住民は大混乱に陥るのは確実だぜ。一度起こした異変をもう一度起こす犯人なんて居ないからな。」
「そこに花が咲き乱れたらまた妖精達が騒ぎ出して収拾が付かなくなりそうね…」
「そういう事だ。要するにタイムリミットは…」
「「夜明け!」」
明確なタイムリミットはないものの、夜が明けたら全体的に肝が太い幻想郷の住人でも混乱してしまうだろう。そうなれば私達だけではなく別の住人たちも動き出してしまう。異変慣れしていない住人達が解決しようとするとさらに混乱を招く事にも繋がりかねない。今回は似たケースが1つもないので一筋縄ではいかないのは確実だ。そうなる前に確実に解決しておきたいので、どんなに解決が遅れても絶対的限界は午前5時。残り8時間だ。少し早めに動き出したため猶予は長めだが、それでも今回の場合は少ない。かなり余裕がないのだ。そんな焦る思いを証明するかのように霊夢と魔理沙はものすごいスピードで博麗神社を飛び出した。行き先は決まっている。
紅魔館だ。
そんな霊夢と魔理沙の思いとは裏腹に既に動き出してしまっている住人が数名いるのだが、この事に気付くのはもう少し後の事になる。
残り8時間。
※夜明けは東方永夜抄になぞらえて午前5時としています
※今回のシリーズは○.5弾などは抜いていますご了承下さい