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異世界に行ったら言葉の暖かさを知った

作者: りょん


 夢にまで見た異世界の扉だ

 

 胸が高鳴る


 さて、本当に異世界へ来れたのか……


 青白く発光するゲートをくぐり周りを見渡す



 太い柱に彫刻が施されている


 どうやらここは神殿のようだ


 昔、パルテノン神殿の画像を見た事がある


 似た雰囲気をかもし出している



 視界の数メートル先に少女がいる


 少し小さめの銀髪の女の子だ


 すごく大人しそうで可愛い


 しかし、こちらを見つめるが話しかけては来ない


 召還ゲートを開いたのはこの娘じゃないのだろうか


 ……なんだ?


 …………なんなんだ?


 沈黙の時間が流れる


 埒が明かないので


 意を決して話しかけて見ることにした


「は、はじめまして」


 声をかけると少女は眼を見開いて驚いた表情になる


 少女は少し口を開き……


「オ”オ”オ”オ”」


 唸り声を上げる


「は?え?」


 聞き間違いかな? 低い音が聞こえたような……


 思考しながらも、もう一度声をかける


「オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”」


 少女が唸る


 間違いない、これはこの少女から発せられたものだ


 正直、鳥肌が立つほど怖い唸り声だ


「日本語、わかりますか?」


 敵意が無いのを伝えるため、優しい声質で話しかけてみた


 少女の反応が変わる


「オ”オ”オ”オ”」


 言いながら少女は両手を上げ……


 パチパチパチ、と手を叩く


「オ”オ”オ”オ”」 


 パチパチパチ


「オ”オ”オ”オ”オ”オ”」


 パチパチパチ


 なんだこの状況……怖い、怖すぎる


 動物園の猿が脳裏をよぎる


 見た目は可愛い女の子なのだが……


 少し状況を考える


 なんだこの人間は……


 むしろ人間なのか?


 もう一度話しかける


「お”お”お”お”わかりますか?」  


 少女は満面の笑みで


「オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”」


 言葉を……発する!?


 ピンと来た


 この世界には言語という文化が無いのだ



 俺はゲートから帰ることにした

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