表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/9

8 初めてのデート

 俺たちは食事を終えたあと、これからどうするかということについて、二人で話し合った。

「現状、琴音さんと付き合うのは無理ね。」

妹にはっきり言われ、また俺はへこむが、確かにその通りである。

「まあ、確かにそうだが。結衣が助けてくれるんじゃないのか。」

「現状無理ってことだよ。もっというとこの世界線ではというべきなのか。」

「どういうことだ?」

「お兄ちゃんが琴音さん付き合うには過去に戻って、もう一度成人式後のあの立食パーティをやり直すの。だって今、琴音さんは寺田って人と付き合ってるんでしょ?いまからはおにいちゃんが超絶イケメンじゃないとむりでしょ。」

たしかに寺田はいらつく奴だが外見はそこそこいい。今からでは俺に勝機はない。

「まあ確かにそうだが。つまり、どうするんだ。」

「簡単よ、過去に戻るの。」

「俺もか?」

「もちろん。正しくは過去に意識を移すって言い方が正しいのかもね。」

「さっぱりわからないぞ。Fラン大学生にもわかるように説明してくれ。」

「うーん。タイムスリップには二つの種類があるの。一つは肉体ごとタイムスリップする方法。現在私がやっている方法だね。これは大がかりで、まだ試作段階なの。タイムパラドクスの問題とかいろいろあったりするからね。で、もう一つは、意識だけ過去にタイムスリップする方法だよ。これは三年前に完成していて、私でも扱うことができる。ただし、時間が制限されていて、1度に2週間しか飛べないの。」

「なるほど、未来の技術ってすごいんだな。」

「いや、NASAがすごんだよ。現在でもモデル開発くらいは設計されてるはずだよ。もちろんまだ一般には報道されていないけどね。」

「そうなのか、まあ、話はよくわかった。タイムスリップには二つの方法があって、身体をとばす方法と、意識を飛ばす方法がある。意識を飛ばす方法は期間が限られているが、俺にも利用可能。あってるか?」

「流石お兄ちゃん!あってるよ。私はちょうど今日から1週間前にこっちに来てるから、あと1週間くらいしたらタイムスリップしよっか。それまでに、お兄ちゃんには女慣れしてもらわないとね。」

「ま、まて、具体的に何やるんだ・・・?」

「デートに決まってるじゃん」

「まてまてまて、俺にはデートに誘える相手なんていないぞ。」

「ここにいるでしょ。お兄ちゃん。」

そうほほえんだ結衣の表情は心底楽しそうだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ