7 非日常的な日常
目を覚ますと、そこには部屋着を着た、大人の結衣がベットの隣にたっていた。髪は相変わらずツインテールだ。
「ああ・・・。おはよう結衣。どうしたんだ。」
「もう!お話ししたいからにきまってるじゃん!」
「ああ、そうだな。しかしその前に朝食を食べたい。」
「昼食だってば。お母さんいないし、私が作っといたから一緒に食べよ!」
結衣は十三歳の時から料理が上手であったので、二十三歳のいま、昼食を二人分作ることくらい、なんてこと無いだろう。俺たち二人はリビングに向かう。
「あれ、あのちっこいのは?」
「学校に決まってるじゃん。それより、お兄ちゃん、今日平日だけど、学校は??」
「ふん。全休だ。」
リビングにいくと、それはもう豪華な昼食が作ってあった。
「おお・・・さらに成長してる。」
「えへへ・・・」
「いただきます。」
「いただきます!」
味も文句なしであった。流石である。
「で、そうだ。聞きたいことがたくさんある。」
「その前に!おいしい??」
結衣は期待するような目でこちらを見てくる。
「・・・おいしい。すごくおいしい。」
「えへ。ありがとう!」
出会ったときから、結衣は褒められるのが大好きであった。それが家族からであるならば、なおさら嬉しいようである。
「結衣は、なんか良い意味で子供っぽいな。」
「私ね。高校と大学でものすごく勉強してたの。だから、あんまり人と話したことないんだ~。お兄ちゃんみたいに残念コミュ障とは違うけど。単純に人間と関わってた回数が少ないから、子供っぽいかも。あと、こんな体型だし。」
結衣は笑顔で答えてくれた。確かに結衣は小さいが、出るとこは出ているので一部の層から大変需要がある体型かもしれない。
「俺は理系で、女の子と話す機会が無いだけだ。高校は男子校だったし、仕方ないだろう。」
「そういえばそうだったね。男子校ってホモ多いの?」
「そんなわけ….まあ確かに少数ではあるがいたような。でも基本的にその認識はまちがってるそ。」
「あはは。未来のお兄ちゃんに聞いた時も同じこと言ってたよ!やっぱり人って代わんないんだね。」
「ふん、結衣も変わってないな。」
俺たち二人は、穏やかな昼下がりを過ごした。