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5 年上の妹

「とりあえず、歩きながらはなそっか。お兄ちゃん。」

確かに俺の妹によく似ている。俺の妹は現在十三歳で、中学一年生だ。名前は結衣(ゆい)。小柄で、そして髪型はこの女と同じ、ツインテールであった。ただ、実は結衣は妹でも義妹なのだ。俺の父親は俺が小さいときに他界、その後、母親が他界してしまった結衣の父親と俺の母親が再婚したという良くある話だ。妹と出会って5年になるが、義妹とは思えないほど仲良くやっている。その妹がいま、大人になった姿で俺と肩を並べ歩いている。質問したいことはやまほどある。

「未来から来たっていったけど、どうやってきたんだ。」

「んー細かい仕組みは今度話すけど、私ってすごく頭が良いでしょ?」

確かに結衣は本当に頭が良かった。結衣の父親、もとい今の父親は頭が良く、その子供である結衣もかなり頭が良く、難関私立中学に通っている。ついでに俺はFラン理系私立大学生だ。

「まあたしかに。すでに俺より頭良さそう。」

「でね。大学卒業したあと、アメリカに渡ってNASAに入ったの。そこで研究員やっててタイムマシンができたの。まだ試作段階なんだけど、これはその乗車テストって感じかな?」

「さすがだな我が妹よ。でも、その試作テストで過去に来てるのに俺なんかにかまってていいのか?」

「あのね、試作テストなんだけど、今回の課題は、過去を大きくかえる必要があるの。別に戦争を起こすとかそういう必要は無くて、ひとりでいい。目に見える変化が見たいの。だから、お兄ちゃんには未来を変えてもらう必要があるんだよね。一石二鳥でしょ。」

なるほど。たしかにタイムパラドクスの問題については、いくらFランとはいえど、理系ならば興味をそそられる話ではある。

「そういえば、大学卒業後っていったけど結衣は今何歳なんだ。」

「女性にそーゆーことすぐ聞くのはどうかと思うけど、いま二十三歳だよ。後輩君。」

この容姿で俺より年上とはとても思えないが、ひとまず信じることにしよう。

「ついでに、未来の俺はどうしてるんだ。」

「おにいちゃん、それ聞いちゃうの?」

「聞かせてもらおう。今このままいくとどうなるかが知りたい。」

「30すぎて童貞だよ。」

どう….結衣の口からその言葉が出たことにも驚きだが、まさか自分が三十歳過ぎてからも童貞とは・・・

「そんな残酷な未来、俺は信じないぞ。」

「残酷だから私が助けに来たんじゃん。未来のお兄ちゃんいわく、パーティの時、石沢を見捨てていれば琴音ちゃんとつきあえたとか、そんなことばっかり。ついでに琴音さんは寺田君と結婚してるよ。残念だったね。」

嘘だろ….どれだけ悲惨なんだ俺の未来。


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