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少女のお世話  作者: リクルート
5/17

服を買って

すごろく最近やってないなぁ

 商店街から帰ってきて家に着いた。買ったアイスは冷凍庫に放り込む。

「悪い。もう帰んなきゃだめだ」家に着いて少し経った頃、(いつき)がそういった。

「なんか予定があるのか」

「母さんの誕生日の準備だ」彼はそう言いつつ、扉から出て行った。

 彼は不良と呼ばれる俺と遊んでいるが、不良ではない。むしろ気遣いは上手、それに家族思いな奴だ。なぜ、俺の友人になったのかわからないほどだ。友人なんていくらでもできそうなものなのに。

「いつき、帰っちゃったの」美鈴(みすず)は冷凍庫のアイスを箱から出していた。

「ああ、用事があるんだと」

「そっかー、また来るよね」彼の去ったドアを見て言う。

「ああ、また来る」

 少女なりに何か樹に思ったのだろう。それは決してマイナスなことじゃないはずだ。だって、少女は笑っているのだから。

 今日はバイトもなく、学校も休んだが、明日からはそういうわけにもいかない。学校の方は頼み込んでどうにかなるかもしれないが、バイトはそうはいかないだろう。バイトしながら同時に美鈴の面倒を見ることはできない。しかし、子供一人を家にいさせるのは心配だ。迷惑かもしれないが、樹に頼むしかない。考えもまとまったところで、いつもよりは早くなるが風呂に入ろうと思った。が、美鈴の服は今着ている一着しかない。風呂に入ったのに、来ていた服を着せるのは嫌だろう。

「美鈴、服買いに行くぞ」

 少女はさっきのすごろくのコマで遊んでいた。

「えぇー、あとでじゃダメ?」とても不満そうな顔だ。

「後でだと、服屋が閉まるぞ。風呂に入った後、その服でいいのか」

「やだー。早くいこう、ゆーとおにいちゃん」そう言いながら靴を履き始めた。

 俺も同じく靴を履き外へ出た。赤い日差しが射していた。綺麗ではあるが今はそれどころじゃない。ドアに鍵をかけて、美鈴を抱き上げる。それから俺はまた商店街に向かった。走って揺れているのが楽しいのか、美鈴はきゃっきゃと笑っていた。


 服屋に着いたのは六時だ。確か七時には閉店してしまうはずだ。今は六過ぎだから客も少ない。

 子供服売り場を探して、服を選ぶ。洗濯の回数は多くはしたくないので、だいたい一週間分ぐらいの服はほしい。最低でも三、四着なければ着回しは難いだろう。

「美鈴、気に入ったのあったら言ってくれよ。何枚も買ってやれるわけじゃないけどな」

 幸い特に使い道のなかったバイト代が溜まっているので、お金の心配はしなくても大丈夫そうだ。

「おにいちゃん、これと、これ。それとこれ」少女は三着の服を持っていた。

「じゃ、ちゃんと自分にサイズが合うか着てみろ」

 少女を連れて、試着室まで行った。そこで少女にじぶんで着替えてもらう。

「どうだー。大丈夫そうか?」

「うん、だいじょぶー」

 美鈴は一着、着るたびに俺に見せてくれた。兎のマークがついている服にチェック柄のスカート、水色のワンピースなど明るい色の服がほとんどで、どれも少女に似合っていた。それらをすべて買って、店を出た。帰りは急がなくてもいいのでゆっくり歩いて帰る。少女は俺が抱き上げている。

「おにいちゃん、ありがとう」美鈴は嬉しそうな笑顔で言ってくれた。

「おう、どういたしまして」

 少し照れくさかったがちゃんと言葉を返した。


 家についたのは七時を過ぎていた。結構選ぶのに時間がかかったのかそれとも帰り道をゆっくり歩きすぎたのか。風呂に入る前に晩飯が先になってしまった。

「おにいちゃん、おなかすいた」美鈴が俺の服の裾を引っ張る。

「ああ、今すぐ何か作るから、待ってな」

 それから昼に買った食材を使って、料理を作り始めた。

 しかし、少女は待っているがなんとなく元気がない。先に何か食べさせるのがいいか。昼の残りが少しだけあるのでそれを皿に盛る。昼のよりも小さいハンバーグに少し余ったカレーのルゥをかける。テーブルを出して、それをテーブルに出してやる。

「美鈴、これ先に食べてな。まぁ昼の残りだけど」

 美鈴は嬉しそうにテーブルについた。

「いただきます」元気よく挨拶をしてハンバーグを食べ始めた。

 その間に俺は晩飯を作る。鮭を焼いて、味噌汁に、野菜炒め。白米はもうすぐ炊けるはず。バランスがいいかどうかはわからない。

 しばらくして料理がやっとできた。美鈴は結構前にごちそうさまでしたと言っていた。まだ腹を空かしているだろう。

「美鈴、晩飯できたぞ」

「やったー! やっと食べれるよ」

 少女は俺が席に着くのを待って俺が席に着くとまたいただきますと言って晩飯を食べ始めた。俺も同じ挨拶をして、食べ始める。美鈴はとても嬉しそうに、美味しそうに食べていて、作った側としてはとても作り甲斐があるといったところだ。口の中にたくさん詰め込んで、頬が膨らんでいる。

「そんなに腹減ってたのか」

 少女はそれに頷いてはいるが、食べるのを止めたりはしなかった。

 それからすぐに作った料理はなくなり、晩飯を食べ終えた。なんとなく美鈴の方がたくさん食べていた気がする。しかし、今はとても満足そうなので良しとしよう。それから湯船に湯を張りつつ、食器を洗った。

ファッションについてはよくわかりません


まだまだ、続くよっ!!

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