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少女のお世話  作者: リクルート
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俺と美鈴の最後

 美鈴とその母は使った皿やそれ以外の物を洗ってくれた。それから、時間も遅くなったころ、二人はあっさりと帰って行った。その帰り際、必ずお礼はしますね、とそう言い残していった。ちなみに、彼女たちの苗字は八雲(やくも)、母親の名は桜花(おうか)というそうだ。俺の母親の名前に似ていて、少し驚いた。


 そんな夜を過ごして、次の日。朝の陽ざしがカーテンの隙間から入ってきて、俺を起こした。目を開けて、美鈴を探しても見当たらない。一瞬焦ったが、少女は自分のいるべき場所に帰ったのだった。そう思うと、やはり寂しいものが心の中を満たした。それでも、俺がどんな状態でも今日は平日、学校に行かなくてはいけない。それに、茜にもそう言ってしまったので、遅刻するわけにもいかない。俺は時間を確認しながら、支度をした。美鈴がいないといろいろと楽なのだが、充実感がないというか、そんなようなものがある。しかし、本来はこれが俺の日常なはずなのだから、これでいいのかもしれない。

 気づけばもう学校に行かなくては行けない時間になっていた。


 学校には茜と樹がすでに来ていた。俺はいつもより早く出たつもりだったが、彼らの方が早かったらしい。

「あら、ちゃんと来たのね。てっきり、今日も来ないのかと」

 茜は何が嬉しいのか、笑ってそう言った。

「確かに。遅刻すんなと言ったって遅刻するやつがちゃんと来るとはな」

 彼も茜と同じ表情だ。何がそんなに嬉しいんだ。

「別に。俺は約束は守る人間だぞ」

 二人は顔を見合わせ、確かに、と頷いた。

 二人としばらく話しながら、時間を潰しているうちに、学校の授業が始まった。


 それから、一人の時間が多くなった生活を送っていた。バイトがない日には特に寂しさがあった。でも、すぐになれるはずだろう。一人でいることの方が普通で、今までが異常だっただけの話だ。

 

 それから二週間後の今日。美鈴と桜花さんを思い出すこともほとんどなくなり、寂しさもなくなってきていたころ、学校が終わっての帰り道。というか、家の前。トラックが一台止まっていた。同じ服を着た人たちがそこでせっせと段ボールを運んでいた。その先は俺の隣の部屋だ。新しい人が入居してくるらしい。管理者だからか大家さんがアパートの前に立って、その光景を眺めていた。


「おお、唯斗くん。いやぁ、新しい人が来てね。今ちょうど荷物運んでるところだよ」俺に気づいた大家さんがそう教えてくれた。

「どんな人ですか。場所的には俺の隣の部屋ですよね」

「ああ。綺麗な人だったよ。それに子連れだったね。小学生かそれぐらいぐらいかな」

 俺はその言葉を聞いて連想するのは、あの二人だ。多分、最近あったからすぐ思いついたのだろう。

「そういえば、君の事知ってるみたいだったね。何でも、君に助けてもらったとか」

 俺が助けた人。俺が助けたと思っている人。それは多分、あの二人だろう。俺にはそれしか思いつかない。

 そう思ったとき、俺は動き出していた。二週間の間に、寂しさを克服したと思っていたが、そう簡単に消えてはくれないらしい。


「あら、唯斗さん。こんにちは。今日からよろしくお願いしますね」

「ゆいとおにいちゃーん!」

 そこには相変わらずの幸せそうに微笑む女性と、元気に俺に飛びついてくる少女がいた。

終わったー!

なんとか終わりましたね、うん。間が空いた時がありましたが、なんとか終わってよかったです。

どうでしたでしょうか。面白かったと思ってくれたのなら幸いです。

次回というかこれからの執筆は『糖度100パーセント』を書いていきたいと思います。

出来れば、並行して『BATTLEARENA1』も書いていけたらなぁと思っています。

それでは、ここまで読んでくださってありがとうございました!

次の作品も読んでくださるとうれしいです。

それでは、シーユー!

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